【決算レポート】コロプラ、第2四半期(1~3月)は前四半期の営業赤字から大幅に回復 『DQウォーク』が業績をけん引 BLCゲームは5月にクローズドαを実施

柴田正之 編集部記者
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コロプラ<3668>の2023年9月期の第2四半期(1~3月)の連結決算は、人気スキルを追加した「新春ウォーク2023」や3.5周年記念イベント「WALKフェス」が好調だった『ドラゴンクエストウォーク』(企画・制作:スクウェア・エニックス、開発:コロプラ、以下『DQウォーク』)が業績を大きくけん引し、増収増益での着地となった。

売上高87億8900万円(前年同期比6.4%増)
営業利益19億3200万円(同37.1%増)
経常利益20億5000万円(同27.8%増)
最終利益13億4600万円(同19.5%増)

第1四半期の赤字計上から正常化

前回2023年9月期の第1四半期(10~12月)の連結決算を振り返ってみると、新作『白猫GOLF』の広告費が膨らんだほか、保有する営業投資有価証券の一部の減損処理、為替差損の計上もあって大幅な営業赤字を計上していた。今回の第2四半期決算はそこから大きく正常化したとみることもできそうだ。

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『DQウォーク』と『白猫』の好調目立つ

エンターテインメント事業は、前述の『DQウォーク』を含むFY2019開始タイトルが前四半期比でも前年同期比でも大きく売上を伸ばした。

また、自社IPの『白猫プロジェクト』(以下『白猫』)を含むFY2014開始タイトルも、『白猫』がTVアニメ「鬼滅の刃」とのコラボなどゲーム内施策が奏功し、前年同期を上回る盛り上がりを見せたことで売上を伸ばしている。

懸念点を上げるとすれば、FY2021開始タイトル以降の上積みがないことだろうか。次の新作にかかる期待はさらに強いものになってきそうだ。

スマホゲームの新作パイプラインは変化なし

では、その新作のパイプラインはどうなっているのかというと、スマートフォンゲームの新作パイプラインは前四半期と同じ6本となっている。『白猫GOLF』のリリース以降、具体的なものは発表されていない状況だ。

ちなみにコンシューマーゲームの新作パイプラインは7本となっている。こちらは直近では人気IPゲームの続編をリリースする予定で、コンスタントに売上に寄与する形となっている。

営業投資有価証券残高はほぼ横ばい推移

投資育成事業は、営業投資有価証券残高94億円と前四半期からほぼ横ばいの推移となった。国内での追加投資は1件で、韓国での本格活動開始に向けた準備も進められている。

ブロックチェーンゲームは5月にクローズドαを実施

開発中のブロックチェーンゲームについては、クローズドαを5月に実施する予定になった。前回の第1四半期決算の発表時には、「ベータ版を今春リリース予定」としていたが、まずはWEB3の知見を持ったグループ限定でのテストから始めることになったという。

なお、ゲームの詳細は今夏公開の予定としているが、「今までに類を見ないもの」になっているとしていた。

カプコンと包括的なクロスライセンス契約を締結

また、この四半期のトピックとしては、カプコン<9697>との包括的なクロスライセンス契約を締結したことが挙げられる。これはコロプラとカプコンの双方が保有するゲーム開発に係る特許権を包括的に相互許諾するもので、従来のクロスライセンスよりも広範な契約とすることで、両社のゲーム開発の自由度をさらに向上させ、より魅力的なコンテンツづくりを推進することを目的としているとのこと。

通期予想は引き続き非開示

2023年9月期の業績予想については引き続き非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。

株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高259億7500万円、営業損益12億800万円の赤字、経常損益9億4700万円の赤字、最終損益18億6600万円の赤字(2024年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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