【決算レポート】カヤック、1Q(1~3月)は前期リリースのハイカジの収益化フェーズ入りで過去最高の営業利益に KDDIのメタバース「αU metaverse」の開発も

柴田正之 編集部記者
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カヤック<3904>の2023年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、ハイパーカジュアルゲーム(ハイカジ)事業やメタバースなどを中心にゲームエンタメ領域が引き続き好調に推移し、営業利益は四半期ベースで上場来最高を記録した。

売上高42億1900万円(前年同期比3.8%増)
営業利益3億8000万円(同7.4%増)
経常利益4億1600万円(同5.6%増)
最終利益2億6400万円(同2.9%増)
EPS(1株当たり利益)16.59円(前年同期16.87円)

■売上高は前四半期に続く過去2番目を記録

前回2022年12月期の第4四半期(10~12月)の連結決算を振り返ってみると、ハイカジの新作が好調だったことに加え、ウェルプレイド・ライゼスト<9565>がけん引となったeスポーツサービスも伸長し、四半期ベースで過去最高の売上高を達成した一方、米国を中心としたグローバルな広告市況の悪化による影響で利益率が低下していた。

今回の第1四半期決算では、前四半期には売上高が及ばなかったものの、上場来2番目となる四半期売上高を記録し、ハイカジの新作が収益化フェーズに入ったことで利益率も回復する結果となった。

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■前期リリースのハイカジが収益化フェーズ入り

次にゲームエンタメサービスの状況を見てみると、ハイカジの新作『Protect It』『Eating Simulator』の2本を正式にリリースした。また、昨年の下半期にリリースしたハイカジが収益化フェーズに入り、収益性が向上した。

また、この第1四半期期間より、メタバース専門部隊をその他サービスよりゲームエンタメサービスに変更しており、ゲームエンタメサービスの売上の10%を占める形になっている。

メタバース案件では、KDDI<9433>が3月7日に正式ローンチしたメタバース「αU metaverse」の開発をパートナーとして担当したことを発表している。

■eスポーツサービスは大型受託案件の反動によりQonQで減収に

eスポーツサービスは、ウェルプレイド・ライゼストの大型受託案件の納品時期の影響が出る形で、直前四半期比では56.8%の減収となったが、前年同期比では6.1%の増収となった。なお、この推移はおおむね想定通りの進捗だという。

つまり今後も大型案件次第で業績にある程度の振れ幅が生じる可能性があるということはしっかりと認識しておく必要がありそうだ。

■第1四半期の順調な進捗で通期予想は変更なし

なお、2023年12月期の通期業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。

第1四半期決算は、期初予想に対しては売上高が進捗率23.2%、営業利益は同28.1%と順調な推移となっており、各サービスともに第1四半期としては想定の範囲内で推移しているという。

売上高182億円(前期比10.3%増)
営業利益13億5000万円(同11.4%増)
経常利益13億5000万円(同10.7%増)
最終利益8億5000万円(同8.5%増)

株式会社カヤック
http://www.kayac.com/

会社情報

会社名
株式会社カヤック
設立
2005年1月
代表者
代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
決算期
12月
直近業績
売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3904
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