NVIDIA、第1四半期決算は営業益15%増の21.4億ドルと2ケタ増益 「業界はアクセラレーテッドコンピューティングと生成AIという2つの転換期を同時に迎えた」

NVIDIA(エヌビディア)は、2023  4  30 日に終了した第 1 四半期(米国GAAP)の決算を発表し、売上高が前年同期比 13% 減の71 9000 万ドル(1兆0041億円)、営業利益が同15%増の21億4000万ドル(2988億円)、最終利益が同26%増の20億4300万ドル(2853億円)と減収・2ケタ増益になったことを明らかにした。

米国 GAAP に基づく希薄後 1 株当たりの利益は 0.82 ドルで、前年同期からは 28% の増加、前四半期からは 44% の増加となった。非 GAAP に基づく希薄後 1 株当たりの利益は 1.09 ドルで、前年同期からは 20% の減少、前四半期からは 24% の増加となった。

NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、次のように述べたとのこと。

・「コンピューター業界において、アクセラレーテッド コンピューティングと生成AI というつの転換期を同時に迎えています。」

・「企業が生成 AI をあらゆる製品、サービスおよび事業プロセスに適用するためしのぎを削る中、世界中に設置された 1 兆ドル規模のデータセンター インフラは一般用途からアクセラレーテッド コンピューティングへと移行します。」

・「H100Grace CPUGrace Hopper SuperchipNVLinkQuantum400InfiniBand および BlueField-3 DPU というNVIDIAのすべてのデータセンター向け製品を量産しています。NVIDIAは、当該製品に対する需要の急増に対応するため供給を大幅に増やしています。」   

また、2024 年会計年度第 1 四半期に、NVIDIA は、現金配当で 9,900 万ドルの株主還元を実施した。NVIDIA は、2023  6  8 日を配当基準日として、2023  6  30 日に 1 株当たり 0.04 ドルを次回四半期現金配当として支払う予定。 

 

2024 年会計年度第 1 四半期の概要 

GAAP ベース
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) Q1FY24 Q4FY23 Q1FY23 Q/Q Y/Y
売上高 $7,192 $6,051 $8,288 19% 13%
売上高総利益率 64.6% 63.3% 65.5% 1.3pts 0.9pts
営業費用 $2,508 $2,576 $3,563 3% 30%
営業利益 $2,140 $1,257 $1,868 70% 15%
純利益 $2,043 $1,414 $1,618 44% 26%
希薄後 1 株当たりの利益 $0.82 $0.57 $0.64 44% 28%

 

 GAAP ベース
(単位: 百万ドル 1 株当たりのものを除く) Q1FY24 Q4FY23 Q1FY23 Q/Q Y/Y
売上高 $7,192 $6,051 $8,288 19% 13%
売上高総利益率 66.8% 66.1% 67.1% 0.7pts 0.3pts
営業費用 $1,750 $1,775 $1,608 1% 9%
営業利益 $3,052 $2,224 $3,955 37% 23%
純利益 $2,713 $2,174 $3,443 25% 21%
希薄後 1 株当たりの利益 $1.09 $0.88 $1.36 24% 20%

   

業績の見通し

2024年会計年度第2四半期については、以下のように予想される。

・ 売上高は、110億ドル ±2% となる見込み。
・ 売上高総利益率は、GAAP ベースが68.6% ±0.5%、非 GAAP ベースが70.0% ±0.5% となる見込み。
・ 営業費用は、GAAP ベースが約27億1000万ドル、非 GAAP ベースが約19億ドルとなる見込み。
・ GAAP ベースおよび非 GAAP ベースのその他の利益および費用は、利益が約9000万ドルとなる見込み(関連会社以外への投資による損益は除く)。
・ GAAP 税率および非 GAAP 税率は、14.0% ±1% となる見込み(個別項目は除く)。

ハイライト
前四半期の業績発表以降も、NVIDIA では以下の分野での進展があった。

データセンター
・ 第1四半期売上高は過去最高の42億8000万ドルで、前年同期から14% 増加し、前四半期から18% 増加した。
・ NVIDIAのフルスタックの推論ソフトウェアを最新の NVIDIA Ada、NVIDIA Hopperä および NVIDIA Grace Hopperä プロセッサーと組み合わせた4つの推論プラットフォームを発表した。
・ 生成 AI アプリケーションを加速させるため Google Cloud が新しい NVIDIA L4Tensor コア GPU を提供する初のクラウド プロバイダーとなることを発表した。
・ 事業者が領域特化型の業務向けに独自のデータを用いてトレーニングしたカスタム大規模言語モデルおよび生成 AI モデルを構築、運用できるよう支援するため NVIDIA AI Foundations を発表した。
・ 次世代半導体の設計および製造を加速させるために計算リソグラフィ用の NVIDIA cuLitho ソフトウェア ライブラリを発表した。
・ Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azure および Oracle Cloud Infrastructure など、NVIDIA H100Tensor コア GPUに基づく新しい製品およびサービスを提供するパートナーを拡大した。
・ エンタープライズ IT 業界全体で生成 AI を構築するため ServiceNow と提携した。
・ 医療機器用 AI プラットフォームを構築するため Medtronic との協力を発表した。
・ 企業が信頼できる生成 AI アプリケーションを構築および展開できるようフルスタックのソリューションを提供するため Project Helix において Dell Technologies と提携した。
・ 企業が AI への取組みを加速できるよう支援するため NVIDIA AI Enterprise ソフトウェアを Microsoft の Azure Machine Learning に統合することを発表した。

ゲーミング
・ 第1四半期売上高は22億4000万ドルで、前年同期から38% 減少し、前四半期から22% 増加した。
・ GPU の GeForce RTXä4060シリーズを299ドルで発売することを発表し、NVIDIA Ada Lovelace アーキテクチャおよび DLSS の進歩をもたらした。
・ Ada アーキテクチャに基づく GeForce RTX4070GPU を発表した。これによって、DLSS3、リアルタイム レイトレーシング、およびほとんどの最新ゲームを1440p 解像度で毎秒100フレーム以上で実行する能力が有効になる。
・ DLSS 対応のゲームに関して、36本のタイトルを追加し、ゲームおよびアプリの総数は300タイトルに達した。
・『サイバーパンク2077』のアップデートに関して CD PROJEKT RED と協力することで、メジャーなゲーム タイトルで初めてパス トレーシングを利用できるようにした。
・ GeForce NOW に初めて登場する Microsoft Xbox のゲーム、『Gears 5』を含むGeForce NOW 対応のゲーム タイトルを1,600本超へと拡大した。

プロフェッショナル ビジュアライゼーション
・ 第1四半期売上高は2億9500万ドルで、前年同期から53% 減少し、前四半期から31% 増加した。
・ 産業用メタバース アプリケーションの開発および展開に向け、Microsoft Azure 上で実行されるフルマネージド サービスの NVIDIA Omniverseä Cloud を発表した。
・ Microsoft365アプリケーションをOmniverseと接続するため Microsoft とのコラボレーションを拡大した。
・ Ada アーキテクチャに基づくモバイルおよびデスクトップ ワークステーション向けの6つの新しい NVIDIA RTXä GPU を発表した。

オートモーティブ
・ 第1四半期の売上高は、過去最高の2億9600万ドルで、前年同期から114% 増加し、前四半期から1% 増加した。
・ 今後6年間のオートモーティブ関連企業との取引額の見込みが 前年同期の110億ドルから140億 ドルへと増加したことを発表した。
・ 世界有数の電気自動車メーカーの BYD は新型モデルにおいて NVIDIA DRIVE Orinä の採用を拡大することを発表した。

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