【決算レポート】coly、第1四半期(2~4月)は既存タイトルの売上の伸び悩みで減収に 人件費や研究開発費の投資も先行 今期リリースに向けた自社IP作品を開発中
coly<4175>の2024年1月期の第1四半期(2~4月)の決算(非連結)は、運営中ゲームの売上の伸び悩みにより減収となった。
また、新規施策・新規事業への先行投資をすすめたことにより、人件費が前年同期比で増加したことで赤字幅が拡大した。
売上高8億6300万円(前年同期比23.6%減)
営業損益4億円の赤字(前年同期7800万円の赤字)
経常損益3億9900万円の赤字(同7800万円の赤字)
最終損益4億円の赤字(同4900万円の赤字)
■減収・赤字幅拡大の状況が前四半期から続く
前回2023年1月期の第4四半期(11~1月)の決算(非連結)を振り返ってみると、既存タイトルの『スタンドマイヒーローズ』と『魔法使いの約束』の売上の伸び悩みに加え、新作『&0』のサービス終了を判断したことにより減収となっていた。
加えて、組織体制強化に伴う人件費や、新規作品開発のための研究開発費が増加し、営業利益と経常利益が大幅な減益となっており、今回の第1四半期決算は前四半期からの状況が続いているとみることができそうだ。
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■4月に『スタマイ』を大型リニューアル 今期リリースに向けた自社IP作品を開発中
この四半期のゲーム事業の状況を見てみると、4月に『スタンドマイヒーローズ』の大型リニューアルを実施した。大型リニューアル後はメインストーリー第2部の開始などを行っているが、今回の第1四半期期間においては対象期間が短く、それらの影響は限定的なものにとどまっているという。
また、第1四半期の期間中は、新作『永久少年 Side Project -トワイライトなスピカ-』を4月28日にリリースしているが、こちらも業績寄与は数日分ということになる。
続く第2四半期は5月26日にリリース3.5周年を迎えた『魔法使いの約束』において、記念施策を実施した。大型リニューアル効果が期待される『スタンドマイヒーローズ』とともに、どこまで回復トレンドを描くことができるのかが注目される。
なお、新作パイプラインは、フジテレビとの協業案件である前述の『永久少年 Side Project -トワイライトなスピカ-』がリリースとなり、現在は自社IP作品が2024年1月期中のリリースに向けて開発が進められている。
大手エンターテインメント企業との協業案件は、2026年1月期リリース予定と引き続き開発が進められているようだ。
■自社運営の飲食店「coly cafe!」をオープン…『魔法使いの約束』とのコラボも
メディア事業は、4月19日に自社運営の飲食店「coly cafe!」をオープンした。「coly cafe!」では、5月26日より、『魔法使いの約束』とのコラボカフェを開始しており、今後は自社IP、そして他社IPともコラボを実施していく予定だという。
また、5月27日と28日には『魔法使いの約束』のリアルイベントを開催した。ポストコロナにおけるイベント開催でのIP展開の盛り上げが、今後どこまで功を奏することになるのか、その動向が注目される。
■2024年1月期の業績予想は引き続き非開示
なお、2024年1月期通期の業績予想は、合理的かつ信頼性のある業績予想の提示が困難なため、引き続き非開示としている。
未来の収益のための投資を行いながらも、業務効率化によるコストコントロールに努め、理系確保を目指すという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社coly(コリー)
- 設立
- 2014年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高50億6400万円、営業損益8億1300万円の赤字、経常損益7億9400万円の赤字、最終損益8億3000万円の赤字(2023年1月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4175