ブシロード<7803>は、2月13日、2024年6月期 第2四半期累計(23年7月~23年12月)の連結決算を発表し、売上高221億3900万円(前年同期比8.1%減)、営業利益4億0600万円(同70.6%減)、経常利益4億6200万円(同69.3%減)、最終利益1300万円(同98.4%減)だった。
・売上高:221億3900万円(同8.1%減)
・営業利益:4億0600万円(同70.6%減)
・経常利益:4億6200万円(同69.3%減)
・最終利益:1300万円(同98.4%減)
■エンターテイメント事業
①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
「ヴァイスシュヴァルツ」は日本語版・英語版ともに堅調に推移した。「カードファイト!! ヴァンガード」はアニメ新シリーズ放送前の端境期のため売上は鈍化したものの、計画に対しては堅調に推移した。「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」は計画に対してはやや軟調に推移したが、2024年4月の2周年をターゲットに今後販促施策を展開していく。
②デジタルコンテンツユニット
モバイルゲームは第1四半期に引き続き低調に推移した。一部タイトルのサービス終了を発表し、運営規模を徐々に縮小して収益性の改善を図りながら、ユニットのリソースをコンソールゲームに転換していく。コンソールゲームではグループ会社であるフロントウイングラボが開発したビジュアルノベルゲーム「GINKA」など2作品を発売し、堅調に推移した。2024年1月6日に開催した新春大発表会で、来期にかけて発売予定の新作タイトルを発表した。
③BI(Bushiroad International)ユニット
BIユニットはTCGユニットとデジタルコンテンツユニットに重複して属している。TCGにおいては、各TCGブランドとも堅調に推移した。英語版TCG「ヴァイスシュヴァルツ」では、ブースターパック「Azur Lane(アズールレーン)」などを発売した。デジタルコンテンツにおいては、日本国内同様に厳しい環境を受けて軟調に推移した。また、海外展開の強化の一環として、バンコク、シンガポール、イルサンのアジア3都市で国際展示会「2023 BUSHIROAD EXPO ASIA」を開催した。
④ライブエンタメユニット
2023年11月に有明ガーデンシアターで開催した音楽ライブ「BanG Dream! 12th☆LIVE」は Poppin'Party、MyGO!!!!!、RAISE A SUILENの3バンドともに大きな盛り上がりとなり順調に推移した。また、MyGO!!!!!は1stアルバム「迷跡波」を11月に発売し、国内だけでなく中国をはじめ海外でも注目を集めている。また、バンドリ!プロジェクトの今後の展開として、新バンド「夢限大みゅーたいぷ」が始動した。
⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
音楽ライブ「BanG Dream! 12th☆LIVE」の開催及びMyGO!!!!!の人気拡大により、関連するライブグッズ・キャラクターグッズの販売が伸長するなど、「バンドリ!」関連の売上を中心に堅調に推移した。また、開発体制の強化を目的として、石川県金沢市に「PalVerse」などのフィギュアの開発拠点となるサテライトオフィスを2024年4月に開業することを発表した。
⑥アドユニット
ブシロードムーブでは、イベント運営・制作など代理店事業は大型の外部受託案件の減少によりやや苦戦したものの、声優事業においては自社他社の音楽ライブに声優事務所「響」に所属する声優が多数出演するなど稼働が活発に行われたことから、ユニット全体としては堅調に推移した。引き続き、アニメ委員会への出資・参画や自社イベント運営・制作などを通じて、グループ事業全体の規模拡大に貢献している。
これらの結果、エンターテイメント事業は、売上高190億8600万円(前年同期比8.7%減)、セグメント利益2億6600万円(同80.8%減)となった。
■スポーツ事業
「新日本プロレス」はビッグマッチの間の端境期のため、前四半期比で売上は減少するものの、事業計画に対しては堅調に推移した。「スターダム」では、運営体制の不備が重なり興行事業の収益性が低下し、事業計画に対しては軟調に推移した。急拡大した団体の規模に合わせた適切な運営ができるよう、運営体制の抜本的な見直しを実施し改善を図っていく。
ブシロードウェルビーでは、新日本プロテイン×バンドリ!×ヴァイスシュヴァルツとグループ内のIPを掛け合わせて生まれたカード付プロテインバー「Roseliaプロテインバー」の販売が堅調に推移し、今後もバンドリ!や有力IPとコラボした商品化の計画を進めている。
これらの結果、スポーツ事業は、売上高30億5200万円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益1億3900万円(前年同期はセグメント損失900万円)となった。
■2024年6月期の業績見通し
2024年6月期の業績は、売上高510億円(前期比4.5%増)、営業利益20億円(同40.9%減)、経常利益23億円(同48.9%減)、最終利益12億3400万円(同39.8%減)、EPS17.32円を見込む。
・売上高:510億円(同4.5%増)
・営業利益:20億円(同40.9%減)
・経常利益:23億円(同48.9%減)
・最終利益:12億3400万円(同39.8%減)
・EPS:17.32円
計画に対する進捗率は、売上高43.4%、営業利益20.3%、経常利益20.1%、最終利益1.1%となっている。
・売上高:43.4%
・営業利益:20.3%
・経常利益:20.1%
・最終利益:1.1%
TCGユニットでは、新作TCGのプロ野球カードゲーム「DREAM ORDER」は2024年4月に第1弾商品、6月に第2弾商品を発売する。前期・前々期と同様に、第4四半期が今期の売上・利益のピークとなる見通し。
デジタルコンテンツユニットでは、モバイルゲームは、一部のゲームのサービス終了までの期間について、販売を停止した運用となることから、売上が減少する見込み。コンソールゲームは、開発投資に係る費用が引き続き発生するが、新商品の発売が伴い始めることで赤字幅は段階的に改善する見込み。
ライブエンタメユニットでは、バンドリ!のバンド数の増加に伴い、音楽ライブの開催数も増加している。音楽ソフト・音楽出版についても拡大に向けて取り組んでいく。
スポーツユニットでは、新日本プロレスは、ビッグマッチである「WRESTLE KINGDOM 18」を2024年1月4日に開催した。新日本プロレス・スターダムともに新しい体制のもと、ブシロードグループ全体で、組織力の強化を行っていく。
上期累計の各項目の対通期進捗率のうち、特に利益項目はデジタルコンテンツユニットの低調の影響により第1四半期末時点より後退し、事業計画を下回っているが、売上構成比率・利益率がともに高く、第4四半期の新作TCGの発売を控えたTCGユニットを中心に挽回を図る。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803