東映<9605>は、2月14日、2024年3月期 第3四半期累計(23年4月~23年12月)の連結決算を発表し、売上高1283億8600万円(前年同期比0.2%増)、営業利益221億8900万円(同23.3%減)、経常利益273億6700万円(同15.9%減)、最終利益107億8200万円(同24.2%減)だった。
・売上高:1283億8600万円(同0.2%増)
・営業利益:221億8900万円(同23.3%減)
・経常利益:273億6700万円(同15.9%減)
・最終利益:107億8200万円(同24.2%減)
同社では、売上高は第3四半期として 2004年度以降過去最高となり、また営業利益、経常利益、最終利益は過去最高である前年同期に次ぐ成績となった。前期に引き続き『THE FIRST SLAM DUNK』が好稼働したほか、『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』『翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~』『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』『映画プリキュアオールスターズ F』が劇場で大ヒットし、さらに順調なマルチユース展開が行えたことが主な要因とした。
■映像関連事業
売上高は956億3300万円(同4.5%減)、営業利益は198億9500万円(同29.4%減)となった。
映画事業では、提携製作作品等36本を配給し、このうち「劇場版アイドリッシュセブン LIVE4bit BEYOND THE PERiOD」「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が大ヒットし、「映画プリキュアオールスターズF」がシリーズ歴代第1位の興行収入を記録した。
また、前の期における公開作品のうち、「THE FIRST SLAM DUNK」(12月3日公開)が引き続き好稼働した。一方、第1四半期に公開した「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産評価損を計上したこと等が利益を押し下げる要因となった。
ドラマ事業では、「相棒season22」「仮面ライダーガッチャード」「王様戦隊キングオージャー」等を制作して作品内容の充実と受注本数の確保に努め、キャラクターの商品化権営業は玩具等に関する消費者の嗜好が多様化するなか、堅調に推移した。
コンテンツ事業では、劇場用映画等の地上波・BS・CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、VOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売等を行うとともに、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品やテレビ映画のDVD・ブルーレイディスク作品を販売した。
アニメ関連では、「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売や「ワンピース」の海外配信権販売に加え、国内外における「ワンピース」の商品化権販売等が好調に稼働した。
■興行関連事業
売上高は151億9200万円(同8.1%増)、営業利益は15億1900万円(同66.0%増)となった。第3四半期末現在において、220スクリーン体制(東映直営館2スクリーン含む)で展開し、ティ・ジョイ運営のシネコンが好調に稼働した。
■催事関連事業
売上高は67億6700万円(同6.8%増)、営業利益は11億1000万円(前年同期44.4%増)となった。「仮面ライダーギーツ ファイナルステージ」や「民藝 MINGEI — 美は暮らしのなかにある」等の各種イベントの提供を行うとともに、映画関連、催事関連商品を通信販売することでオンラインストアが好調に稼働した。また、東映太秦映画村は堅調に推移した。
■観光不動産事業
売上高は47億2200万円(同11.0%増)、営業利益は19億600万円(同24.9%増)となった。「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」等の賃貸施設が稼働した。ホテル業においては、インバウンド需要や団体利用の回復が見られる反面、光熱費等の物価高の影響を受けている。このような状況のなか、価格改定やコスト管理の徹底に努めるなど収益の確保に努めた。
■建築内装事業
売上高は60億6900万円(同82.2%増)、営業利益は1億8000万円(同131.9%増)となった。民間設備投資に持ち直しの傾向が見られる一方、幅広い資機材の価格が上昇し、受注や調達における対策が必要な状況にある。このような状況ではあるが、従来の顧客確保及び受注拡大を目指して積極的な営業活動を行い、シネコン関係の工事等を手掛けた。
■2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高1643億円(前期比5.8%減)、営業利益250億円(同31.2%減)、経常利益290億円(同27.8%減)、最終利益118億円(同21.5%減)、EPS953.01円を見込む。
・売上高:1643億円(同5.8%減)
・営業利益:250億円(同31.2%減)
・経常利益:290億円(同27.8%減)
・最終利益:118億円(同21.5%減)
・EPS:953.01円
計画に対する進捗率は、売上高78.1%、営業利益88.8%、経常利益94.4%、最終利益91.4%となっている。
・売上高:78.1%
・営業利益:88.8%
・経常利益:94.4%
・最終利益:91.4%
会社情報
- 会社名
- 東映株式会社
- 設立
- 1949年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 多田 憲之/代表取締役社長 吉村 文雄
- 決算期
- 3月
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9605