コーエーテクモHD、24年3月期決算は複数の新作スマホゲームの寄与で最高売上高を更新 販売手数料や外注費の増加で利益率が低下 今期は中計最終目標を下回る予想に
-
コーエーテクモホールディングス<3635>は、4月30日、2024年3月期通期の連結決算を発表、複数の新作スマートフォンゲームを配信したことにより、経営統合以来最高の売上高となった。
一方で、自社パブリッシングの新作が中心となり販売手数料が増加したことと、外注加工費が増加したことなどにより営業利益は前々期比で減少した。
売上高845億8400万円(前々期比7.9%増)
営業利益284億9400万円(同27.2%減)
経常利益457億4100万円(同14.6%増)
最終利益337億9200万円(同9.2%増)各セグメントごとの状況は以下のとおり。
①エンタテインメント事業 売上高794億8600万円、セグメント利益283億400万円
・「シブサワ・コウ」ブランド
『Winning Post 10 2024』 (Nintendo Switch、PS5、PS4、Windows(Steam)用)を3月に発売した。配信中の『信長の野望 覇道』は配信1周年、『三國志 覇道』は配信3周年を記念
したキャンペーンなどを行い、収益に貢献した。・「ω-Force」ブランド
『Fate/Samurai Remnant』のダウンロードコンテンツ第1弾「断章・慶安神前試合」を2月に配信した。・「Team NINJA」ブランド
同社が開発する初のオープンワールドアクションRPGとなる『Rise of the Ronin』を全世界で発売し、メタクリティックのユーザースコアで8.7を獲得するなど、高い評価を得た。また、本編とダウンロードコンテンツ三部作を収録した『Wo Long: Fallen Dynasty Complete Edition』を発売し、プレイヤー数は全世界で累計500万人を突破した。・「ガスト」ブランド
『レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~』のWindows(Steam)版およびグローバル版を1月に配信開始し、3月には国内においてサービス開始半周年記念イベントを実施した。・「ルビーパーティー」ブランド
新規タイトルの開発に注力した。・「midas」ブランド
位置情報を活用したスマートフォンゲーム『信長の野望 出陣』において、配信開始半周年を記念したゲーム内イベントを実施した。・IP事業
『三国志・戦略版』(国内では『三國志 真戦』)が引き続き収益に寄与した。また、同社が許諾した中国初のオフィシャルショップ「KOEI TECMO CENTER」を上海にオープンした。②アミューズメント事業 売上高39億1800万円、セグメント利益6億7300万円
アミューズメント施設は、既存店売上高が好調に推移した。新たに1店を出店し、期末における店舗数は11店となった。スロット・パチンコでは、同社が開発を担当した5タイトルが稼働を開始した。③不動産事業 売上高12億500万円、セグメント利益1億5100万円
ライブハウス型ホールKT Zepp Yokohamaは、高い稼働率を維持した。④その他事業 売上高3億8900万円、セグメント損益6億3500万円の赤字
ベンチャーキャピタル事業において、ファンドの管理費用が発生しました。 -
■今期予想は中計の目標を下回る見込みに
-
第3次中期経営計画の最終年度でもある2025年3月期通期の連結業績予想については、パッケージゲームにおいて複数の新作の発売を予定しているほか、スマートフォンゲームでは、既存タイトルの収益性向上を図るとしている。業績予想については以下のとおり。
売上高900億円(前比6.4%増)
営業利益300億円(同5.3%増)
経常利益400億円(同12.6%減)
最終利益300億円(同11.2%減)なお、中期計画では最終年度に売上高1000億円、営業利益400億円、経常利益500億円を計画していたため、この目標は下方修正された形となる。
- 【追記】
- 売上高及び利益の推移は以下のとおり。
会社情報
- 会社名
- コーエーテクモホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 襟川 恵子/代表取締役社長 襟川 陽一
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高845億8400万円、営業利益284億9400万円、経常利益457億4100万円、最終利益337億9200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3635