カプコン、24年3月期決算は営業利益12%増の570億円 『スト6』330万本、『DD2』262万本と新作好調 リピートやAM関連も業績押し上げ

カプコン<9697>は、5月9日、2024年3月期(24年4月~24年3月)の連結決算を発表し、売上高1524億1000万円(前の期比21.0%増)、営業利益570億8100万円(同12.3%増)、経常利益594億2200万円(同15.7%増)、最終利益433億7400万円(同18.1%増)と2ケタ増収増益を達成した。

・売上高:1524億1000万円(同21.0%増)
・営業利益:570億8100万円(同12.3%増)
・経常利益:594億2200万円(同15.7%増)
・最終利益:433億7400万円(同18.1%増)

 

中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図った。これにより、前期におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、4589万本と前期4170万本を上回り、同社グループのコンテンツ価値向上に大きく寄与した。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めた。

また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業におけるスマートパチスロの導入や同社グループの人気IP活用等によるリピート販売などの施策により、収益の向上を図った。

セグメントごとの経営成績は、次のとおり。

 

■デジタルコンテンツ事業

売上高は1198億4100万円(同22.1%増)、営業利益は598億3100万円(同11.8%増)となった。

同社グループのeスポーツ展開をリードするシリーズ最新作『ストリートファイター6』(プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、パソコン用)を昨年6月に発売し、グローバルに幅広く支持した。その結果、330万本を販売し、業績向上に貢献した。

加えて、12年ぶりのシリーズ最新作として今年3月に発売した『ドラゴンズドグマ 2』(プレイステーション5、Xbox Series X|S、パソコン用)が、王道ファンタジーの世界で自由な冒険が楽しめるオープンワールドアクションゲームとして、シリーズファンからの根強い支持と新規ユーザーの取り込みにより、262万本を販売するなど、順調に推移し、同シリーズのリピートタイトル『ドラゴンズドグマ: ダークアリズン』も、販売拡大に寄与した。

また、リピートタイトルにおいては、「モンスターハンター」シリーズの完全新作『モンスターハンターワイルズ』の制作発表に併せ、同シリーズのリピートタイトル『モンスターハンター:ワールド』の販売が好調な結果となり、全世界で2532万本を達成するとともに、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』、『モンスターハンターライズ:サンブレイク』も続伸した。

さらに、昨年3月発売の『バイオハザード RE:4』が累計702万本を販売したことに加え、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図る施策等を行い、『バイオハザード RE:2』などのシリーズタイトルを中心に販売した。その結果、リピートタイトルの販売本数が3629万本と前期の2930万本を上回り、収益を押し上げた。

モバイルコンテンツにおいては、「モンスターハンター」シリーズの最新モバイルゲーム『モンスターハンターNow』(iOS、Android用)が9月に配信した。同ゲームのグローバルダウンロード数は1000万を突破し、IPの認知拡大に寄与した。

 

■アミューズメント施設事業

売上高は193億4300万円(同23.9%増)、営業利益は18億6800万円(同52.2%増)となった。

新型コロナウイルス感染症の5類への移行により経済活動が回復した状況下、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図った。

当期において、昨年4月に子供向け遊具施設の「キッズバネット 静岡店」、6月に体験型施設の「クレイジーバネット イオンモール新居浜店」(愛媛県)を出店した。

加えて、カプセルトイ専門店として12月に「カプセルラボ 原宿竹下通り店」やプリントシール専門店も併設した「プリマート / カプセルラボ 三宮店」(兵庫県)を今年3月にオープンしたので、施設数は49店舗となっている。

また、『モンスターハンターNow』をより楽しめる場所を各店舗に設置するなど、他事業との連携強化を図った。

 

■アミューズメント機器事業

売上高は90億2000万円(同15.6%増)、営業利益は41億1700万円(同19.9%増)となった。

パチスロ市場がスマートパチスロのけん引により堅調に推移している環境下、同社グループのスマートパチスロ第一弾となる『戦国BASARA GIGA』を1万5000台、第二弾となる『バイオハザード ヴィレッジ』を1万台販売し、収益に貢献した。

また、2022年8月発売の『新鬼武者2』および昨年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が、市場での高稼働を受け、リピート販売が順調に推移した。これにより、新機種3機種を含む当期5機種の販売台数は3万1000台となった。

 

■その他事業

売上高は42億400万円(同3.6%減)、営業利益は8億8300万円(同38.4%減)となった。

同社グループのタイトルブランドの価値向上に向け、CG長編映画『バイオハザード:デスアイランド』が昨年7月に全世界で公開した。加えて、Netflixにおいてアニメシリーズ『鬼武者』が11月に全世界で配信されるなど、引き続き主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズ展開などに注力した。

また、eスポーツについては、シリーズ最新作の『ストリートファイター6』を投入し、賞金総額を同社史上最高の200万ドル以上に拡大して世界各国で開催した「CAPCOM Pro Tour2023」の決勝大会「CAPCOM CUP X」においてライブ配信の同時接続者数が約19万人以上を記録するなど大盛況となった。

さらに、国内チームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP2023」を皮切りに、北米、欧州でも実施した同リーグ戦の決勝大会「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ2023」を開催し、熱戦が繰り広げられた。

そのほか、シンガポール等でのイベント実施によるeスポーツの振興など、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を講じた。

 

■2025年3月期の業績見通し

2025年3月期の業績は、売上高1650億円(前期比8.3%増)、営業利益640億円(同12.1%増)、経常利益630億円(同6.0%増)、最終利益460億円(同6.1%増)、EPS109.98円を見込む。

・売上高:1650億円(同8.3%増)
・営業利益:640億円(同12.1%増)
・経常利益:630億円(同6.0%増)
・最終利益:460億円(同6.1%増)
・EPS:109.98円

 

【追記】
業績推移は以下のとおり。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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