サンリオ<8136>は、8月2日、2025年3月期 第1四半期の連結決算を発表し、売上高289億1100万円(前年同期比42.3%増)、営業利益107億4600万円(同80.2%増)、経常利益117億0400万円(同83.6%増)、最終利益102億9600万円(同109.4%増)だった。
・売上高:289億1100万円(同42.3%増)
・営業利益:107億4600万円(同80.2%増)
・経常利益:117億0400万円(同83.6%増)
・最終利益:102億9600万円(同109.4%増)
【8月2日19時50分追記】
業績推移を示すグラフは以下のとおり。
国内の店舗・テーマパークは国内客および外国人観光客が大幅に増加し、売上高を押し上げた。また、国内外のライセンス事業は、複数キャラクター戦略の好調継続により、既存ライセンシーの商品展開が増加するなどの売上高も伸長した。増収効果に加えてライセンス事業の売上構成比の増加による収益性の向上、そして販管費が当初計画を下回ったこと等により、大幅増益となった。
※すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、第1四半期累計の対象期間は、2024年1月~3月。
セグメント別の状況は以下のとおり。
■日本:売上高177億円(前年同期比21.3%増)、営業利益76億円(前年同期比75.8%増)
1.物販事業・ライセンス事業
物販事業は、店舗運営、卸売などの各販路の客数増が売上高の増加に寄与した。50周年で注目を集める『ハローキティ』だけでなく、『シナモン』や『クロミ』など複数のキャラクター人気が継続しており、人気投票イベント「2024年サンリオキャラクター大賞」(4/11-5/26)は、総得票数が過去最多の昨年を28%上回る5707万票を記録した。また、国内だけでなく海外からの来客も増加しており、韓国や台湾、中国からの観光客の売上高シェアが伸長し、過去最高の38%になったという。
今年3月にリニューアルした銀座店は、レジ台数を大幅に増やすなど利便性向上につとめた結果、売上高が大幅に伸長した。商品カテゴリーでは、国内外のユーザーが自身の推しキャラクターのぬいぐるみ、マスコットホルダー、キーホルダーや前髪クリップなどを購入されており、複数のキャラクター商品が好調に推移した。
ライセンス事業は、50周年の『ハローキティ』に加え、サンリオキャラクター大賞上位の『シナモロール』や『クロミ』など複数のキャラクターが人気を博しており、新規案件獲得や既存ライセンシーのリピート率向上、展開増へとつながっている。
複数のキャラクターが採用したことですべてのカテゴリーで前年実績を上回り、特に大手アパレルによる他社キャラクターとのコラボレーションや、人気継続のカプセルトイやプライズ、国内外の観光客増によるお土産品が好調に推移した。営業損益については、売上の大幅増に加え、コストコントロールが奏功し、大幅増益となった。
2.テーマパーク
サンリオピューロランドは、昨年6月に3年ぶりに再開した同施設最大の人気エンターテイメント「Miracle Gift Parade」や様々なイベントにより、国内外からの来園客数が増加し売上高を押し上げた。新規イベント「PUROSPRINGPARTY」(4/12~6/4)は、人気キャラクターとー緒に踊る参加型のショーや韓国で人気のプリント写真の設置などで話題を集めた。
また、6年ぶりに再開した七夕イベント「Mignon fuwafuwa matsuri」(6/7~7/9)は、『リトルツインスターズ(キキ&ララ)』などのかわいくてふわふわなビジュアルが人気を博した。これらのイベントと連動した限定商品や50周年の『ハローキティ』関連の商品が人気を集めた。
営業損益は、売上増に伴い増益となった。
ハーモニーランド(大分県)は、新規イベント「Heartful spring Days」(3/22~6/4)や人気イベント「Rainy Day」(6/7~7/9)が集客に貢献したことに加え、これらのイベント関連商品が売上高の増加に寄与した。
営業損益は、不足していた人員体制の強化や修繕などにより販管費が増加し減益となった。
■ 欧州:売上高7億円(前年同期比31.5%増)、営業利益9800万円(前年同期比23.7%増)
ライセンス事業は、大手ファストファッションブランドとの取り組みが継続したアパレルカテゴリーが売上高を牽引した。また、その他のカテゴリーも好調に推移し、ヘルス&ビューティーは美顔器の人気が継続、食品は幼児向け菓子が好調に推移、玩具はコレクタブルな商品に注目が集まった。欧州地域で人気のキャラクター『ミスターメン リトルミス』は、大手ファストフードチェーンとのコラボレーションが認知度向上に寄与した。
営業損益は、売上高の増加に伴い増益となった。
■ 北米:売上高47億円(前年同期比145.1%増)、営業利益11億円(前年同期比92.1%増)
ライセンス事業は、アパレル、玩具、ヘルス&ビューティーカテゴリーが売上高の増加に貢献した。アパレルカテゴリーは、既存ライセンシーによる複数キャラクター展開により売上高が増加するとともに、多くのキャラクターの認知度向上に貢献した。玩具カテゴリーは、大手玩具メーカーとの取り組みが奏功し、ぬいぐるみが人気を博すなど引き続き好調に推移した。ヘルス&ビューティーカテゴリーは、人気ブランドとの取り組み継続により伸長した。また、デジタルカテゴリーは、大手プラットフォームのゲームコンテンツで、定期的にイベントを行うことで鮮度を維持し、サンリオファンの裾野を広げるとともに顧客ロイヤルティを高めている。
その他にもYouTubeでのオリジナルアニメーションの配信や、プロスポーツリーグのMLB(野球)やNBA(バスケットボール)との協業イベントの実施などによる顧客接点強化に努めている。
営業損益については、売上高の大幅伸長により、大幅増益となった。
■ 南米:売上高3億円(前年同期比93.9%増)、営業利益1億円(前年同期比261.5%増)
南米は、ヘルス&ビューティー、アパレル、文具、企業特販カテゴリーのライセンス事業が好調に推移した。
メキシコは、衛生商品が好調のヘルス&ビューティーカテゴリー、子供服が好調のアパレルカテゴリー、昨年12月にオープンしたバーガーショップが人気の企業特販カテゴリーが好調に推移した。
ブラジルは、食品カテゴリーや家庭用品カテゴリーなどが好調に推移した。『ハローキティ』の50周年記念イベントや展示を行いキャラクターの露出を増やすことで、ブランドの鮮度維持に取り組んでいる。ペルーは、通学バッグの需要が増加したバッグカテゴリーやデザインデビットカードが好調な企業特販カテゴリーが売上を牽引した。チリは、ノートなどの文具カテゴリーが好調に推移した。
営業損益については、売上高の大幅伸長により増益となった。
■ アジア:売上高54億円(前年同期比77.3%増)、営業利益24億円(前年同期比87.5%増)
中国は、ライセンス事業において、トイ&ホビー、企業特販、ヘルス&ビューティーカテゴリーが好調に推移した。また、複数キャラクター戦略が奏功しており、『ハローキティ』だけではなく、『クロミ』や『シナモロール』など複数キャラクターが売上高を牽引した。リテール事業は、フランチャイズ店舗の複数オープンやECの新規チャネル開拓により、顧客とのタッチポイントが増え、売上高の増加に貢献した。
韓国は、ライセンス事業において、新規ライセンシーの大手通信会社が子供用携帯電話に『シナモロール』を採用するなど売上高の増加に貢献した。また、既存ライセンシーは、継続的な新商品発売によりアパレル&アクセサリーカテゴリーが伸長した。
香港・マカオ地区は、ライセンス事業において、香港最大級の商業施設とのプロモーションにより、企業特販カテゴリーが売上高を牽引した。
台湾は、ライセンス事業において、複数のキャラクター展開により、玩具、文具、インテリアカテゴリーが好調に推移し、売上高の増加に貢献した。
東南アジアは、タイが売上高を牽引した。特にヘルス&ビューティーカテゴリーが、既存ライセンシーとの取り組みが奏功し、売上高の増加に寄与した。
営業損益については、アジア各国における全体的な売上高の伸びが牽引し、増益となった。
■2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高1193億円(前期比19.3%増)、営業利益371億円(同37.6%増)、経常利益387億円(同36.9%増)、最終利益287億円(同63.2%増)、EPS121.50円を見込む。
・売上高:1193億円(同19.3%増)
・営業利益:371億円(同37.6%増)
・経常利益:387億円(同36.9%増)
・最終利益:287億円(同63.2%増)
・EPS:121.50円
計画に対する進捗率は、売上高24.2%、営業利益29.0%、経常利益30.2%、最終利益35.9%となっている。
・売上高:24.2%
・営業利益:29.0%
・経常利益:30.2%
・最終利益:35.9%
会社情報
- 会社名
- 株式会社サンリオ
- 設立
- 1960年8月
- 代表者
- 代表取締役社長 辻 朋邦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高203億1500万円、営業利益59億6400万円、経常利益63億7400万円、最終利益49億1600万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 8136