グリーのメタバース事業…VTuber事業への積極投資を継続しつつ、QonQで増収増益確保 ゲーム実況機能のリリースで国内ライブ配信をさらに強化へ

柴田正之 編集部記者
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グリー<3632>は、11月5日に2025年6月期の第1四半期(7~9月)連結決算を発表し、その決算説明資料を公開した。今回はその中から同社のメタバース事業の状況を取り上げたい。

メタバース事業の第1四半期(7~9月)は、売上高19億6000万円(前四半期比4%増、前年同期比微減)、営業利益1億5000万円(同17%増、同24%増)となった。プラットフォーム事業とVTuber事業がともに堅調に推移し、VTuber事業への積極投資を継続しながらも、前四半期比(QonQ)で増収増益を確保した。

売上高は前年同期比で微減となっているが、これは法人向けメタバース事業をDX事業に移管した影響も含んでおり、特段市場環境などに変化があったわけでなく、成長トレンドが続いているとみて良さそうだ。

REALITYが手掛けるプラットフォーム事業は、前四半期比で増収減益となった。ライブ配信事務所とのアライアンス強化などに引き続き取り組み、国内ライブ配信が引き続き堅調に推移した。

また、先日10月15日には、「REALITY」のアバター、ギフトなどの各種機能と調和した実況配信が可能なゲーム実況機能をリリースしており、今後もライブ配信によるさらなる収益拡大を目指すとしている。

REALITY Studiosが手掛けるVTuber事業は依然として積極投資を継続している段階にあるが、タレント数が順調に増加しており、前四半期比で12名の増加となった。

なお、今月9日からもVTuberタレント事務所「FIRST STAGE PRODUCTION」の新オーディションを開催するなど、積極的な投資を続けていく予定だ。

メタバース事業の2025年6月期通期の見通しについては、通期業績予想達成の見通しとしており、前回予想よりもやや営業利益が上ブレして着地する見込みとなっているもようだ。

グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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