ネクソン、第3四半期の売上収益は『アラド戦記モバイル』や『The First Descendant』の貢献で過去最高 人件費の増加やのれん減損などで営業3%減益
ネクソン<3659>は、11月12日、2024年12月期 第3四半期累計の連結決算(IFRS)を発表し、売上収益3664億8500万円(前年同期比8.2%増)、営業利益1259億0500万円(同3.3%減)、税引前利益1545億8000万円(同7.8%減)、最終利益1028億1900万円(同8.6%減)だった。
・売上収益:3664億8500万円(同8.2%増)
・営業利益:1259億0500万円(同3.3%減)
・税引前利益:1545億8000万円(同7.8%減)
・最終利益:1028億1900万円(同8.6%減)
第3四半期累計においては、5月21日に中国で配信を開始した『アラド戦記モバイル』(Dungeon&Fighter Mobile)のほか、7月2日に配信を開始した『The First Descendant』が大きく増収に寄与した結果、過去最高の売上収益を達成した。
費用面では、従業員数の増加や定期昇給、好業績による業績連動賞与により人件費が増加したことに加え、第1四半期において債務超過の持分法適用会社を連結子会社化し、のれんの減損損失を認識したことで、営業利益は減益となったとのこと。
また、前年同期にあった外貨建ての現金預金等で為替差益が今期はなかった一方、為替差損を認識したため、税引前利益、最終利益も減益となった。
■イ・ジョンホン社長のコメント
「第3四半期は、当社成長戦略に対する自信が深まる業績となりました。今後数四半期において、長期ビジョンのもと投資を進め、既存フランチャイズの強化とIPポートフォリオの拡大を通じて、売上収益及び営業利益を大きく成長させてまいります。一時的に業績の成長ペースに影響が生じるかもしれませんが、これまでの経験から、ダイナミックな成長を遂げるために必要なステップだと確信しています。ネクソンは今年、創業30周年を迎えます。プレイヤーの意見を聞き、期待に応えるため進化し続けてきた経験をもとに、高いプレイヤー満足度とより大きなリターンを創出する目標に向かって挑戦致します。」
主要フランチャイズ別の売上収益は、以下のとおり。
【『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)】
フランチャイズを中国のモバイル市場に展開することで、多くの新規プレイヤーの獲得だけでなく、PC版の休眠ユーザーの掘り起こしに成功した。その結果、フランチャイズ全体の売上収益は前年同期比で成長した。5月21日に中国で配信を開始した『アラド戦記モバイル』(Dungeon&Fighter Mobile)においては、中国のファンの好みに合わせたローカライズを行った結果、ローンチ直後に想定を超えるプレイヤーエンゲージメントを引き出すことに成功した一方で、第3四半期においては売上収益が想定どおり落ち着いてきた。
中国のPC版『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)においては、2023年12月にゲーム内の経済バランスが悪化して以降、売上収益及びアクティブユーザー数の回復に向けて継続してバランス改善及びプレイヤーエンゲージメントの向上に取組んでいる。しかし、売上収益が成長軌道に戻るにはまだ時間を要する見込みであり、前年同期比で減少した。
【『メイプルストーリー』(MapleStory)】
既存ゲームのライブ運用を改善すると共に、ハイパー・ローカライゼーション戦略による地域展開や、IPを新作ゲームとして拡張する取組みを行っている。しかし、韓国におけるPC版の大型アップデートや中国におけるモバイル版の配信開始により、フランチャイズ全体として過去最高の第3四半期累計の売上収益を記録した前年同期の高い水準との比較で売上収益が減少した。
韓国の『メイプルストーリー』(MapleStory)では、1月以降、一部のアイテムの課金施策を変更するなど、プレイヤーエンゲージメント改善に努めたものの、売上収益は前年同期比で減少した。一方で、韓国以外の地域においては、各地域のプレイヤー嗜好に合わせた地域独自のコンテンツ開発やイベント及びプロモーションを行うハイパー・ローカライゼーション戦略が功を奏し、前年同期比で成長した。
また『メイプルストーリーM』(MapleStory M)も前の期に中国市場に展開したことにより、グローバルでの売上収益が前年同期比で増加した。加えて、『MapleStory Worlds』の正式サービスを4月に韓国で開始し、売上収益への寄与だけでなくメイプルストーリーIPのファン層拡大に貢献した。
【『EA SPORTS FC】
『EA SPORTS FC ONLINE』と『EA SPORTS FC MOBILE』による『EA SPORTS FC 』フランチャイズの過去最高の第3四半期累計の売上収益を記録した前年同期の高い水準との比較で減少した。
【その他の主要タイトル】
7月2日に配信を開始した『The First Descendant』が欧米を中心に好評を博したことから、大きく増収に寄与した。また、昨年12月に配信を開始した『THE FINALS』も増収寄与した。
報告セグメントの業績は次のとおり。
① 日本
第3四半期累計の売上収益は46億3200万円(前年同期比27.9%増)、セグメント損失は18億9200万円(前年同期は35億1100万円の損失)となった。
② 韓国
第3四半期累計の売上収益は3406億1200万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益は1443億8300万円(同0.4%減)となった。韓国セグメントの売上収益には、子会社であるNEXON Korea Corporationの傘下にあるNEOPLE INC.の中国におけるライセンス供与に係るロイヤリティ収益が含まれる。
③ 中国
第3四半期累計の売上収益は23億8200万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益は8億8800万円(同14.6%減)となった。
④ 北米
第3四半期累計の売上収益は133億8600万円(前年同期比30.8%増)、セグメント損失は27億8200万円(前年同期は60億6200万円の損失)となった。
⑤ その他
第3四半期累計の売上収益は54億7300万円(前年同期比475.3%増)、セグメント損失は65億2200万円(前年同期は56億0800万円の損失)となった。
■2024年12月期の業績見通し
2024年12月期の業績は、売上収益4502億9600万円~4612億0400万円(前期比6.4%増~同8.9%増)、営業利益1245億6200万円~1330億7200万円(同7.6%減~同1.2%減)、税引前利益1572億5200万円~1657億6200万円(同24.9%増~同31.6%増)、最終利益1032億8800万円~1089億6400万円(同46.3%増~同54.3%増)を見込む。
・売上収益:4502億9600万円~4612億0400万円(同6.4%増~同8.9%増)
・営業利益:1245億6200万円~1330億7200万円(同7.6%減~同1.2%減)
・税引前利益:1572億5200万円~1657億6200万円(同24.9%増~同31.6%増)
・最終利益:1032億8800万円~1089億6400万円(同46.3%増~同54.3%増)
・EPS:123.83円~130.63円
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659