コナミグループ、25年3月期決算は売上高17%増の4216億円、事業利益23%増の1091億円と過去最高…「eFootball」「プロスピ」など好調、新作も貢献

コナミグループ<9766>は、5月8日、2025年3月期の連結決算(IFRS)を発表し、売上高4216億0200万円(前の期比17.0%増)、事業利益1091億1700万円(同23.7%増)、営業利益1019億4400万円(同27.0%増)、最終利益746億9200万円(同26.2%増)だった。売上、利益はいずれも過去最高だった。

・売上高:4216億0200万円(同17.0%増)
・事業利益:1091億1700万円(同23.7%増)
・営業利益:1019億4400万円(同27.0%増)
・最終利益:746億9200万円(同26.2%増)

 

 

同社では、利益の多くを稼ぐデジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツが好調に推移したことに加え、家庭用ゲームの新作の販売が伸長し、増収・増益となった。さらに、アミューズメント事業、ゲーミング&システム事業、スポーツ事業もそれぞれ堅調に推移し、2年連続で売上高、事業利益、営業利益、最終利益の全てが過去最高を更新した。

 

【デジタルエンタテインメント事業】
売上高は3051億8700万円(前の期比22.5%増)となり、事業利益は989億3500万円(前の期比24.7%増)となった。

新しい取り組みとして大谷翔平選手がアンバサダーを務めるKONAMIの野球ゲームでは、「パワフルプロ野球」シリーズの30周年記念作品「パワフルプロ野球2024-2025」及び「プロ野球スピリッツ」シリーズの20周年記念作品「プロ野球スピリッツ2024-2025」を発売した。

さらに、プロ野球リーグMLB(メジャーリーグベースボール)の世界を体感できる全く新しいモバイルゲーム「eBaseball: MLB PRO SPIRIT(イーベースボール エムエルビー プロ スピリット)」の配信を日本・アメリカを含む10の国と地域で開始している。3月の2025シーズンアップデートではゲーム内に登場する選手や監督、ユニフォームなどが2025シーズンに対応し、キービジュアルを二刀流の大谷翔平選手のイメージに一新した。

「SILENT HILL」シリーズでは、世界中で人気を博したサイコロジカルホラーゲーム「SILENT HILL 2」のリメイク版を発売した。多くのユーザーに好評を博し、世界累計出荷本数は200万本を突破している。

このほか、「幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争」を発売した。発売にあわせて公式番組「幻想水滸伝Live」を公開し、完全新作となるモバイルゲーム「幻想水滸伝 STAR LEAP」の制作や「幻想水滸伝II」のTVアニメ化などを発表している。

遊戯王カードゲームでは、25周年を記念して懐かしの歴代デジタルゲームを全14タイトル収録した「遊戯王 アーリーデイズコレクション」をNintendo SwitchとSteam向けに発売した。

継続した取り組みとしては、シリーズ累計8億ダウンロードを突破し、家庭用・PC・モバイルで配信中の「eFootball」が引き続き好調に推移している。新シーズン開幕時には大型アップデートを実施し、人気サッカー漫画とのスペシャルコラボやFC バルセロナの新旧スター選手のアンバサダー就任を記念したキャンペーンを開催するなど、様々な施策を展開した。

モバイルゲームでは、「プロ野球スピリッツA(エース)」、「実況パワフルプロ野球」がそれぞれ配信開始より9周年、10周年を迎え、記念したイベントやキャンペーンなどを実施した。累計8000万ダウンロードを突破した「遊戯王 マスターデュエル」や25周年を記念したスペシャルパックなどを発売した遊戯王カードゲームについても引き続き多くのユーザーが楽しんでいる。また、学校教育機関に向けて無償で提供しているブラウザ版「桃太郎電鉄 教育版Lite ~日本っておもしろい!~」の導入校の総数が1万2300校を超えた。

eスポーツにおいては、「eFootball」最大の公式eスポーツ大会「eFootball Championship2024」のWorld Finalsや国際サッカー連盟(FIFA)主催のeスポーツ世界大会「FIFAe World Cup 2024」が開催され、白熱した戦いが繰り広げられた。また、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)公式野球ゲーム「WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球」を競技タイトルとする「WBSC eプレミア12 2024」が開催した。さらに、モバイルゲーム「プロ野球スピリッツA(エース)」を競技タイトルとする「プロスピA プロリーグ」2024シーズンのe日本シリーズを開催した。このほか遊戯王カードゲームでは、世界トップデュエリストを決めるeスポーツ世界選手権「Yu-Gi-Oh! World Championship 2024」全4部門の決勝戦を米国シアトルで開催し、大きな盛り上がりを見せた。

 

【アミューズメント事業】
売上高は276億3400万円(前の期比4.6%増)となり、事業利益は59億3800万円(前の期比14.5%増)となった。

メダルゲームにおいては、2024年7月に発売した「パワフルプロ野球 開幕メダルシリーズ!」を多くのユーザーに楽しんでいる。プッシャーゲームでありながら野球の醍醐味を体験できる。3月には、KONAMI野球ゲームアンバサダーを務める大谷翔平選手が登場する最新作「パワフルプロ野球 開幕メダルシリーズ! 二刀流!」を市場に投入し、より一層の注目を集めている。また、「桃太郎電鉄 ~メダルゲームも定番!~」が引き続き好評を得ており、前期においても販売台数を伸ばした。

アミューズメント施設向けビデオゲームでは、「モンスター烈伝 オレカバトル2」の設置台数が拡大している。ゲーム内で作成した自分だけのオリジナルカード「オレカ」を使い、個性豊かなモンスターの収集と育成を楽しめる。「beatmania IIDX」シリーズでは、音楽が持つ「はじけるような明るさ」をイメージした最新作「beatmania IIDX 32 Pinky Crush(ビートマニア ツーディーエックス サンジュウニ ピンキー クラッシュ)」が稼働を開始した。また、「GITADORA」シリーズの最新作「GITADORA -ARENA MODEL-(ギタドラアリーナモデル)」を発売した。大きなメインモニターと左右のサブモニターを搭載し、まるでLIVEステージに立っているかのような臨場感と没入感を演出している。

プライズゲームにおいては、「サーチライト」で初心者でも簡単に景品を狙いやすい新型クレーンゲーム機「プクレ」が稼働を開始した。オンラインくじ「コナミ プレミアムくじ ONLINE」では、KONAMIの人気キャラクターをグッズとして展開し、好評を得ている。

ぱちんこ・パチスロにおいては、テレビアニメでも人気のバトルファンタジー「七つの魔剣が支配する」のスマスロ機が稼働を開始した。市場での高稼働を受け、追加受注を獲得している。さらに、「今日から俺は!! パチスロ編」、「桃太郎電鉄 ~パチスロも定番!~」など様々なIPを題材にした新規タイトルを投入した。

e スポーツでは、「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 4-」を 開 催 し、「beatmania IIDX」、「DanceDanceRevolution」の2タイトルで白熱した試合が行われた。それぞれの大会後には「BEMANI」シリーズでおなじみの豪華アーティストによるDJライブを開催した。

 

【ゲーミング&システム事業】
売上高は426億6900万円(前の期比7.4%増)となり、事業利益は73億5900万円(前の期比18.4%増)となった。

49インチ高解像度ディスプレイを搭載した「DIMENSION 49(ディメンション フォーティーナイン)」や27インチモニターを3台組み合わせた「DIMENSION 27(ディメンション トゥエンティーセブン)」がスロットマシン販売をけん引した。大型ディスプレイを組み合わせた「DIMENSION 43x3(ディメンション フォーティースリーバイスリー)」も着実に販売台数を伸ばしている。

ゲーミングコンテンツでは、北米市場において様々なボーナスイベントが楽しめる「Fortune Bags(フォーチュン バッグス)」、「Fortune Pots(フォーチュン ポッツ)」の特徴を備えた「Lucky Honeycomb(ラッキーハニーコーム)」シリーズの販売が好調に推移した。また、「Charms Full Link(チャームズ フル リンク)」シリーズが高稼働を継続している。豪州市場においては新たに投入した「Fortune Hearts(フォーチュン ハーツ)」シリーズが人気を博している。

カジノマネジメントシステムにおいては、米国ニュージャージー州の「Ocean Casino Resort」、オハイオ州の「JACK Cleveland Casino」及び「JACK Thistledown Racino」等の大型カジノ施設に「SYNKROS(シンクロス)」が導入され、その後も導入施設数が拡大している。稼働率99.9%という高い信頼性がオペレーターより評価されている。新機能としてスロットマシン筐体からドリンク注文が可能になる「SYNKROS Drink System」を導入

した。

事業領域を拡大する取り組みとして、イリノイ州の大手オペレーター向けにVLT(ビデオ・ロッテリー・ターミナル)機器を販売した。さらに、欧州市場でのプレゼンス拡大を目指し、ポルトガル最大のiGamingプラットフォームにおいてゲーミングコンテンツの提供を開始した。

 

【スポーツ事業】
売上高は485億4300万円(前の期比1.9%増)となり、事業利益は22億3100万円(前の期比4.2%減)となった。

スポーツクラブ運営においては、長年に渡り多くの方に愛されてきた人気スタジオプログラムの大規模イベント「UNITED FEEL」を全国各地のコナミスポーツクラブで開催した。コナミスポーツクラブ本店での開催回では、最も人気のあるスタジオプログラムの1つである「ボディコンバット」が100回目のリリースを迎えたことを記念し、本拠地ニュージーランドよりゲストパフォーマーを招いたスペシャルイベントを開催し、大盛況となった。

こども向け運動スクール「運動塾」においては、子供の心と体の成長をサポートするため、スイミング、体操、ダンス、サッカー、テニス、ゴルフなど様々な種目を展開している。定期的なレッスンに加え、「運動塾」に通う子供が日頃の練習の成果を発揮する場として大会やイベントを企画し、好評を得ている。ゴルフスクールでは、「第11回 コナミスポーツクラブ キッズゴルファーチャレンジカップ」の決勝大会を那須ハイランドゴルフクラブ(栃木県)で開催した。

天井にミラーを設置したマシンピラティススタジオ「Pilates Mirror(ピラティスミラー)」では、関西初出店となる「Pilates Mirror 高槻」をオープンし、出店エリアを拡大した。前期においては30店舗を新たにオープンし、合計で53店舗となった。引き続き入会待ちとなる施設があるなど、ユーザーから好評の声を得ている。また、短時間で効率の良いトレーニングを行う30分集中のパーソナルジム「Personal30(パーソナルサンジュウ)」の1号店を東京都の経堂にオープンした。

当事業が日本総代理店として全国展開している世界最大級のダンスフィットネスプログラム「ジャザサイズ」においては、国内活動40周年を記念した大規模イベント「40th celebration Dance Party」を開催し、大きな盛り上がりを見せた。

資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進している。前期においては新たに東京都町田市、神奈川県相模原市、石川県かほく市、大阪府大阪市のスポーツ施設の運営受託を開始している。

学校水泳授業の受託では学校側のニーズがより高まっており、日本全国の小中学校で対象校を拡大している。

なお、昨今の諸物価の上昇やエネルギーコスト高騰による影響を受けていたが、2024年8月よりコナミスポーツクラブの会費改定を実施した。

 

■2026年3月期の見通し

2026年3月期の業績は、売上高4300億円(同2.0%増)、事業利益1140億円(同4.5%増)、営業利益1060億円(同4.0%増)、最終利益750億円(同0.4%増)、EPS553.27円を見込む。株価収益率は36.9倍となる。

・売上高:4300億円(同2.0%増)
・事業利益:1140億円(同4.5%増)
・営業利益:1060億円(同4.0%増)
・最終利益:750億円(同0.4%増)
・EPS:553.27円

コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高4216億200万円、営業利益1019億4400万円、最終利益746億9200万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
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