【決算レポ】モバイルファクトリー、第3四半期は過去最高売上を更新 位置ゲーム『駅メモ』シリーズがけん引 広告投資を引き続き強化へ

モバイルファクトリー<3912>は、2025年12月期第3四半期(3Q)決算説明資料を公開した。位置情報ゲーム「駅メモ!」シリーズの好調を背景に、売上・利益ともに堅調に推移し、売上高は過去最高、営業利益は2019年12月期以来の8億円超えを達成した。

 

■過去最高の売上を達成、広告投資でユーザー基盤拡大

3Q累計期間(1月〜9月)における売上高は前年同期比5.4%増の24億7800万円と過去最高を記録。EBITDAおよび営業利益はいずれも同15.1%の8億1100万円と2桁の伸びを達成した。

・売上高:24億7800万円(同5.4%増)
・営業利益:8億1100万円(同15.1%増)
・経常利益:8億2600万円(同17.6%増)
・最終利益:5億7900万円(同22.2%増)

業績拡大を牽引したのは、人気IPとのコラボレーションによるレイドイベントの成功に加え、移動促進型イベントによる商材売上の伸長だ。また、広告投資を通じたユーザー基盤拡大により、インストール数は31.0%も伸びた。

 

営業利益の増減は、1億円の増益だったが、増減要因についても分析している。モバイルゲーム事業の売上増加や人件費などの原価抑制が寄与した一方、積極的な広告宣伝費を投入したとのことだった。

 

位置情報ゲームが引き続き主力として業績を支え、営業利益は2019年12月期以来となる8億円超となった。

 

第3四半期決算までは概ね計画どおりに進捗しているとし、通期業績見通し(売上高34億7000万円、営業利益10億2000万円、純利益7億0500万円)は変更なし。期末にかけても継続的な広告投資を予定している。

・売上高:34億7000万円(同4.6%増)
・営業利益:10億2000万円(同3.6%減)
・経常利益:10億1900万円(同3.6%減)
・最終利益:7億0500万円(同0.9%増)
・EPS:93.48円

【通期計画に対する進捗率】
・売上高:71.4%
・営業利益:79.5%
・経常利益:81.1%
・最終利益:82.1%

  

■「駅メモ!」が業績を牽引、IPコラボ・地域連携も拡大

第3四半期会計期間である3Q(7〜9月)の業績を見ると、売上高が同11.8%増の8億2100万円、営業利益が同21.4%増の2億6300万円と2ケタ増収増益と好調だった。「駅メモ!」シリーズの運営が好調を維持した。その一方で、コンテンツ事業は売上が減少傾向にあるものの、効率的な運営により安定した収益を確保。「その他」事業としては、メタバース・3Dアバター関連のSuishow事業を展開している。

 

「駅メモ!」シリーズの取り組みについても紹介しており、「ざっ旅」「マジックナイト レイアース」「ローゼンメイデン」といった人気IPとのコラボを実施し、ファン層の拡大を図った。

 

また、マルイでのPOP UP SHOP開催や、新潟県燕市とのコラボキャンペーン「しいらと巡るものづくりのまち燕」など、O2O(Online to Offline)型イベントも積極的に展開。ゲーム内外でのファン接点を広げている。

  

■広告投資を拡大、AI活用による開発効率化も推進

短期方針として、成長戦略の軸を広告投資拡大にシフト。「駅メモ!」を中心とした広告投資により、ユーザー基盤のさらなる拡大を目指す。コロナ禍では広告投資を抑制していたが、202年5月のコロナ第5類移行および2024年10月からの費用対効果改善を受け、2025年1月以降は投資を再拡大している。

 

また、AI技術の活用にも注力しており、Claude Codeの試験導入をはじめとするAI開発ツールの検証を進めている。開発工程の効率化やドキュメント作成の自動化などを通じ、AI駆動型の開発体制を構築中だ。

同社は「AIの進化によりソフトウェア開発の生産性が高まり、リソースの最適化を通じて新規サービス創出へのチャレンジが加速する」と展望している。

 

株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億1700万円、営業利益10億5800万円、経常利益10億5700万円、最終利益6億9900万円(2024年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
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