coly、株主総会の質疑応答の要旨公開 ディズニー関連プロジェクトは27年1月期上期が目標 AI時代を見据えたIP戦略にも言及

coly<4175>は、この日(4月27日)、株主総会で行われた質疑応答の要旨を公開し、中長期戦略として「IP価値の最大化」と「グローバル展開」、そして大型開発案件への投資姿勢を鮮明にした。とりわけ注目されるのは、進行中のディズニー関連プロジェクトと、AI時代を見据えたIP戦略だ。

【ディズニー案件は「強み評価」で実現、2027年上期リリースへ】
ディズニーとの開発案件について同社は、企画の起点こそ明言を避けたものの、女性向けタイトルで培ってきた企画力や運営ノウハウが評価された結果として実現したと説明した。開発体制は従来通り内製を軸としつつ、必要に応じて外部パートナーと連携する形になる。
開発規模についても、IP特性や品質水準を踏まえ、当初から相応の投資が必要になる前提で判断していたとする。IPO時の調達資金についても特定タイトルに紐づけたものではなく、本作を含む開発投資全体に充当する位置づけだ。リリース時期は「2027年1月期上半期」を目標としており、現在は関係各所と協議しながら開発と準備を進めている段階という。

【既存運営+新作投入で売上基盤を強化】
事業運営では、ソーシャルゲーム特有の長期運営による売上鈍化を見据え、「既存タイトルの強化」と「新規タイトル投入」の両輪で成長を図る方針を示した。今期予定している3タイトルについては、いずれもグローバル展開を視野に入れつつ、個別に最適な展開を検討していく。
開発ライン数やペースといった詳細は非開示としながらも、投資効率と市場環境を踏まえ、「長期的に成長するIPを生み出せるか」という観点で判断していくとしている。

【「時間」が価値に──AI時代のIP戦略】
今回の質疑で特徴的だったのが、AI時代を前提としたIP観だ。同社は、AIによってIPの大量生成が現実味を帯びる中で、「長い歴史を持つこと=時間的差分」がIP価値において重要になるとの認識を示した。
そのため、既存IPについてはゲームに限らず多様な形で展開し、長期的な価値最大化を図る方針を維持。既存IPを活用した新作ゲームの可能性についても、明言は避けつつ「幅広く検討する」と含みを持たせた。

【リアル展開やID基盤も強化】
IP体験の拡張としては、リアル店舗「coly more!」の強化も進めている。池袋PARCO店の増床リニューアルに加え、ポップアップやコラボ出
店など多様な形で接点拡大を図る。地方展開についても、具体的な計画は未開示ながら重要戦略の一つと位置付けた。また、会員基盤である「coly ID」についてはロイヤルユーザーとの重要な接点としつつ、現時点では新作タイトルの積極的なプロモーション活用は想定していない。ただし、ユーザー体験を損なわない形での活用余地は引き続き検討する。

【売上500億円到達後は収益フェーズへ】
中期的な目標である売上500億円については、達成時には新規投資が一巡し、収益化フェーズに移行している想定と説明。具体的な利益水準は示さなかったが、収益性の大幅な改善を目指すとしている。

【AIは効率化と価値創出の両面で活用】
技術面では、AIを開発・運営の効率化やアイデア創出、制作支援などに活用していると説明。一方で競争の本質は「AIを使った上でどれだけリッチで心に刺さる体験を作れるか」にあるとし、品質面では妥協しない姿勢を強調した。

【人員減少は戦略と非連動、開発体制は維持】
直近の人員減少や管理本部長の交代については、特定の経営戦略と連動したものではないと説明。契約形態の多様化なども背景にあるとしつつ、必要な開発人員は確保されており、プロジェクトは適切に進行しているとしている。

今回の質疑からは、colyが大型IP案件への投資と並行して、自社IPの長期価値を軸に据えた戦略を堅持している様子がうかがえる。AI活用やグローバル展開といった環境変化を取り込みつつ、どこまでヒットIPを創出できるかが、今後の成長を左右しそうだ。

株式会社coly(コリー)
https://colyinc.com/

会社情報

会社名
株式会社coly(コリー)
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
決算期
1月
直近業績
売上高70億2000万円、営業損益1億4400万円の赤字、経常利益4600万円、最終利益7200万円(2026年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4175
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