ソニーG、「PS5」のメモリーは「必要数量は確保済み」 販売台数やプロモーション計画の見直しでも対応 当面の値上げは否定

ソニーグループ<6758>は、この日(5月8日)開催した決算説明会において、AIインフラ需要の急拡大に伴うメモリー供給不足がゲーム機やスマートフォンなど幅広い分野に影響を及ぼしていると説明した。そのうえで、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のPlayStation 5(PS5)事業については、2026年に必要となるメモリー数量をほぼ確保済みであり、価格についても一定の合意に達していることを明らかにした。
同社は、技術的・地政学的な変化が国際的なサプライチェーンに大きな影響を与えているとした上で、特にAIサーバー向け需要の急拡大によるメモリー需給の逼迫を重要なリスクとして挙げた。影響はゲーム機、スマートフォン、PC、メモリーカードなど広範囲に及んでいるという。
SIEでは、2026年度のPS5ハードウェア販売について「効率的な価格で調達可能なメモリー数量」を前提に計画を策定していると説明。メモリー価格上昇による製造原価の増加は認めつつも、現時点では必要数量を確保できており、2026年度の損益は2025年度と同程度を見込んでいるという。
また、今後の市況変動については、高止まりが想定されるものの、本体価格やプロモーション施策とのバランスを取りながら柔軟に対応する考えを示した。説明会では「販売台数やプロモーションプランなどを柔軟に見直し、損益への影響をマネージしていく」としており、コスト上昇分を単純に価格転嫁するだけではなく、販売戦略やプロモーション費用の見直しなどで吸収する姿勢を打ち出した。

市場では、生成AI向けデータセンター投資の急拡大に伴い、高性能メモリー需要が急増している。ゲーム機やスマートフォンなど民生機器向けでも調達環境への影響が広がっており、半導体・電子機器メーカー各社が対応を迫られている。PS5のような高性能ゲーム機では大容量メモリーを搭載するため、部材価格の変動が収益性に直結しやすい。
次世代機についても言及があり、現時点では発売時期や価格は未定としながらも、「2027年もメモリー価格は高止まりし、需給逼迫が続く」との見方が業界で強いことを認めた。そのうえで、ハードウェア全体でのコスト削減や販売方法の工夫、ビジネスモデルを含めたシミュレーションを進めていると説明した。
一方で、PlayStationプラットフォーム全体では月間アクティブユーザー数が1億2500万人規模に拡大しており、代表執行役 会長 CEOの十時裕樹氏は「プラットフォーム自体は成長しており、需要がなくなったわけではなく、やりようがあるのではないか」と述べた。ハードウェア単体ではなく、ソフトウェア販売やサブスクリプション、デジタル流通などを含めたエコシステム全体で収益を確保していく考えをにじませた。
なお、任天堂が「Nintendo Switch 2」の値上げを明らかにしたが、PS5本体価格について質疑応答で追加値上げの可能性を問われたのに対し、「値上げをしたばかりであり、現時点で次の値上げの予定はない。当面はこの価格で事業を推進していく」と述べ、当面の再値上げを否定した。
会社情報
- 会社名
- ソニーグループ株式会社
- 設立
- 1946年5月
- 代表者
- 代表執行役社長CEO 十時 裕樹
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高及び金融ビジネス収入12兆9570億6400万円、営業利益1兆4071億6300万円、税引前利益1兆4737億2600万円、最終利益1兆1416億円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6758
会社情報
- 会社名
- 株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)
- 設立
- 1993年11月
- 代表者
- 社長CEO 西野 秀明