ドリコム、出版からアニメ化へのIP展開は順調に進捗 アニメ業界の原作不足は追い風 「汝、暗君を愛せよ」が「このラノ」1位獲得時に複数の映像打診

ドリコム<3793>は、本日開催の2026年3月期の決算説明会で、出版事業からアニメ化へとつなげるIP展開が進捗していることを強調した。ゲーム事業だけでなく、ライトノベルやコミックを起点としたIP創出・育成を中長期の成長戦略の柱として位置付けており、メディアミックス展開を本格化させている。

同社では、ドリコムメディアの自社出版作品『エリスの聖杯』が2026年1月よりテレビアニメ化されたことを紹介。すでに3作品のアニメ化が発表済みだ。今後についても、アニメ製作委員会への出資を含め、アニメ領域への関与を強化していく考えを示した。

説明会では、アニメ事業の収益構造についても言及した。アニメ製作費は放送開始後1年程度で先行償却される一方、配信収入などは長期間にわたって計上されるケースが多く、会計上は「費用先行・売上後追い」の構造になる。それでも同社は、アニメ化はIPファン層を拡大するうえで極めて有効な手段と位置付けており、短期収益よりもIP価値向上を重視した投資を進める考えだ。

また、質疑応答では、現在のアニメ業界における「原作不足」の状況についても踏み込んだ説明があった。内藤社長は、毎クール70以上のアニメ作品が放送される中、良質な原作IPは慢性的に不足していると指摘。その上で、ドリコムのライトノベル作品「汝、暗君を愛せよ」が「このライトノベルがすごい!」で1位を獲得した際には、コミカライズを待たずに複数のアニメ制作会社から映像化の打診があったことを明かした。

背景には、近年のアニメ産業への新規参入企業が増加している。製作委員会に出資するプレイヤーは増えている一方で、自前の原作IPを持たない企業も多く、結果として“原作を持つ側”の価値が高まっている状況だ。

こうした環境変化は、出版からIPを育成してきたドリコムにとって追い風となる可能性がある。同社は現在、IPプロデュースを「生む」「育てる」「収益化する」の3段階で整理しており、ノベルやコミックで生み出したIPを、アニメやSNS、グッズ展開を通じてファン層拡大へつなげる戦略を推進している。

『Wizardry Variants Daphne』を軸としたゲームIPの成功に続き、今後は出版発IPからアニメ化、さらにはゲーム化・商品化へと展開する流れをどこまで拡大できるかも注目されそうだ。

株式会社ドリコム
https://drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高126億5500万円、営業利益1億1200万円、経常利益5300万円、最終損益10億3500万円の赤字(2025年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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