ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会、「コンプガチャガイドライン」を公表…引き続きガチャに関するガイドラインを作成
NHN Japan、グリー<3632>、サイバーエージェント<4751>、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、ドワンゴ<3715>、ミクシィ<2121>のプラットフォーム事業者6社は、本日(5月25日)、ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会として、「コンプリートガチャガイドライン」を策定した、と発表した。
この協議会は、ガイドラインに盛り込む内容について、発足時より検討を進めてきたが、5月18日の消費者庁による「カード合わせ」に関する景品表示法(景品規制)上の考え方の公表を受けてガイドラインを策定した。
今回策定したガイドラインは、6月1日より運用を開始するとともに、各プラットフォームに提供しているサードパーティのゲームについても随時対応を要請する、としている。また6月末日を最終期限として、6社が運営するプラットフォーム上における全てのコンプリートガチャを廃止する。禁止行為と認められる場合には、公開停止などの措置も講じられるという。
なお、6社が、自社で開発、運営しているソーシャルゲームなどのサービスについては、5月9日にコンプガチャの全ての新規リリースの中止と、すでに運用しているものについても5月31日までに終了することを自主的に決定している。
今後、連絡協議会では、安心、安全に楽しめる環境の維持と向上を図るための、事業者全体による自主的な取り組みを強化する。「ガチャのうちユーザーを過度に誘引させるようなコンプガチャに類似するもの」や「ゲーム内でのユーザーに誤解を与えないような表示方法」に関するガイドラインも作成し、6月中に発表する予定。いわゆるガチャに関する射幸性が問題視されているが、そうした批判に答えるものになるとみられる。
また、このガイドラインに加えて、コンプガチャやガチャのうち、ユーザーを過度に誘引させるようなコンプガチャに類似するものに関する事例集も作成する予定。
以下、今回策定されたガイドラインを転載しておく。
コンプリートガチャガイドライン
(目的) 第1条 このガイドラインは、ソーシャルゲームプラットフォーム事業者が、その運営する日本国内のプラットフォームにおいて、ソーシャルゲーム等のアプリケーション(以下「ソーシャルゲーム等」という。)内でのコンプリートガチャ(以下「コンプガチャ」という。)の提供を禁止することにより、利用者が自主的かつ合理的な選択の上、ソーシャルゲーム等を楽しむことが出来る環境を整えることを目的とする。 (定義) 第2条 このガイドラインにおいて、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 (1) プラットフォーム事業者 自社又はソーシャルゲーム提供事業者が開発・運営するソーシャルゲーム等を利用者に対して提供するプラットフォームを運営する事業者をいう。 (2) ソーシャルゲーム提供事業者 プラットフォームを通じてソーシャルゲーム等を提供する事業者をいう。 (3) ガチャ 利用者が、文字、絵、符号等を電磁的に表示した、ゲーム中で用いるキャラクターやアイテム等(以下「アイテム等」という)の提供を受けることを直接の目的として、利用者の選択によらず、異なる種類のアイテム等のうちランダムに決定されるアイテム等の提供を受ける方式をいう。 (4) ガチャアイテム 利用者が、ガチャによって提供を受けるアイテム等をいう。 (5) 有料ガチャ 金銭、プラットフォーム若しくはソーシャルゲーム等内において通用する金銭のみで購入できる仮想通貨、又は商品の有償での購入を、ガチャアイテムの提供を受けるための直接の対価として行うことが出来るガチャをいう。 (6) 有料ガチャアイテム 有料ガチャによってのみ提供するガチャアイテムをいう。有料ガチャにより提供するものと有料ガチャ以外の方法により提供するものが混在する場合は、当該ガチャアイテムは有料ガチャアイテムとみなす。 (7) コンプガチャ 有料ガチャアイテムを含む特定の2つ以上の異なるアイテム等を全部揃えることを条件として、ソーシャルゲーム等で使用することができる景品類たる別のアイテム等を利用者に提供する方式をいう。なお、以下に該当するものを除く。 ア 利用者が、アイテム等の種類を選択することによりその組み合わせを完成できるもの イ 1点、2点、5点というように、異なる点数が付与されているアイテム等を利用者に提供し、合計が一定の点数に達すると、点数に応じて利用者が新規アイテム等の提供を受けるもの ウ 異種類のアイテム等の組み合わせではなく、利用者が、同種類のアイテム等を一定個数揃えれば新規のアイテム等の提供を受けるもの (コンプガチャの禁止) 第3条 プラットフォーム事業者は、その運営するプラットフォームにおいて、その開発・運営の主体が自社であるかその他のソーシャルゲーム提供事業者かであるかを問わず、コンプガチャを利用者に提供してはならない。 (公開停止等) 第4条 プラットフォーム事業者は、自らが運営するプラットフォームにおいて、前条に定める禁止行為を認めた場合、当該行為をすみやかに是正するものとする。当該禁止行為がプラットフォーム提供事業者以外の者による場合、当該事業者に是正を指示するものとし、是正が行われない場合は、当該ソーシャルゲームの公開停止等、利用者による当該ソーシャルゲームの利用を制限するために必要な措置を講じるものとする。NHN Japan 株式会社 グリー株式会社 株式会社サイバーエージェント 株式会社ディー・エヌ・エー 株式会社ドワンゴ 株式会社ミクシィ
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751