ガンホーのAndroid版『戦国テンカトリガー』が売上ランキングで急上昇…横内氏にショートインタビュー

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>のスマートフォン向け本格国取りゲーム『戦国テンカトリガー』のAndroid版が好調だ。App Annieの集計によれば、Google Playの売上ランキングを推移を見ると、40位前後で推移していたのだが、9月に入って急激に順位を上げ、11位まで順位を上げてきた。

本作は、戦国時代の日本を舞台に「武将」で編成した軍を率いて天下統一を目指す放置型国取りゲーム。9月12日現在、インストール数は5万~10万件となっており、トップ20に入っている他のソーシャルゲーム系アプリに比べると少ない。トップ20に入る他のタイトルは、最低でも10万件を突破しているからだ。つまり、継続率と課金率が他のアプリに比べて高水準になっているものと思われる。  

(出所:App Annie)  

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの第1企画開発本部 ディベロップメント部 兼 セールスプロモーション部の横内 皇太氏に最近のランキング急上昇に関して、ショートインタビューを行った。

---: 最近、Google Playでの売上ランキングの伸びがすごいですね。スマートフォンアプリの短期間での売上アップというと、プロモーション活動が注目されるかと思いまます。この点でなにか気をつけたことはありますか?

横内氏: 当社としましては、戦国テンカトリガーのゲーム性にあったユーザー様にアプローチできるように心がけるようにしました。正直申しまして、既存のソーシャルゲームと比較して攻略要素が高く、悪い言い方をすると遊ぶ人を選ぶタイトルでもあります。例えば、リワード広告で無理にダウンロード数を伸ばしたとしてもゲーム内で継続して遊んでいただけるとは限らないと考えたのです。そのため、プロモーションでの露出を戦国テンカトリガーのゲーム性にあった場所に極力しぼっています。

---: ブーストはランキングを買う行為といわれるように、短期間でランキングを上げる際には効果的ですが、効率性という観点からはあまり良くないですね。ある上位タイトルは1割切っているという話も聞きます。効率的なプロモーションが行えており、高い継続率につながっているわけですか。次に運営面は何かあるでしょうか?

横内氏: そうですね。運営面については、まずアップデートを適度なタイミングで行うように務めました。ボリュームの大小はありますが、毎週アップデートを行い、ユーザー様が飽きないような取り組みを行っています。iOS版で先行してサービスを行っているため、後発のAndroid版ではアップデートのスケジュールが組みやすいのが大きいですね。

---: なるほど。iOS版で運営してきたことでこうした面で活かされたのですか。

横内氏: もうひとつ、ユーザーサポートもユーザー様目線で行うよう務めたことが大きいかと思います。ゲーム内のチューニングはもちろんのこと、公式サイトやブログ等でのフォローにも注力しております。もちろんカスタマーサポート体制も万全だと考えております。この辺りはPCオンラインゲームでのノウハウが活きているのではないでしょうか。

---: ゲームの内容についてですが、「パズル&ドラゴンズ」の山本プロデューサーの嫁レビューは「CEDEC」で大変話題になりましたね。「戦国テンカトリガー」でも同様の試みは行なっているのでしょうか。

横内氏: どのタイトルでもサービス開始前にいろいろな方に意見を伺い、サービス開始前までに必ず問題点を修正し、納得できる状態でリリースしています。サービス開始後のKPIに基づいて、随時改修を行うことがWEBベースのタイトルではよく行われていますが、当社のようにネイティブアプリのタイトルの場合、一度配信を行うとそうそう改修できるものではありませんから。また、当社はゲームを改善していくうえでKPIはもちろん参考にしていますが、それよりもユーザーサポートにいただく投稿等、ユーザー様の生の声を大切にしていきたいと考えております。

---: お話を聞いていると、今回、売上を伸ばすために何か特別なプロモーション施策やイベント、あるいはアップデートを行ったというよりも、日々開発・運営してきたことが結果としていま出てきたということなんでしょうか。

横内氏: 当社としてはそう考えています。ブーストでユーザーを増やして20-30%残ってもらえれば上等といった話をネットで見聞きしますが、過度にブーストでの集客に依存するのは望ましくないと考えています。具体的な数字は申し上げられないですが、継続率は確かにネットで言われる数値よりずっと高いです。当社のコンテンツでは、担当によって実施内容に違いはありますが、プレイしていただいているユーザー様に対して、いかにゲームを継続して遊んでいただけるかに最も注力しています。その結果として、こういう結果に繋がっているのだと考えています。「パズドラ」ではゲーム内だけでなく、運営の対応力もご評価いただいておりますし、他社様と比較してこだわり度合いが明らかに違っていると自負しております。