【GW企画】あの会社の新規上場時(7) インタースペース

今回は、アフィリエイトサービス大手のインタースペース。ドリコムの項目でも触れたが、2006年はWeb2.0関連銘柄が非常に注目を集めた年であった。インタースペースもその一角と目されていたのだが、ほぼ同時期に上場したミクシィの陰に隠れる格好になってしまったのは残念だ。 とはいえ、上場時に調達した金額は12億6800万円。同年6月に上場したアドウェイズは、29億4000万円も調達している。アドウェイズの業績は、05年3月期の売上高14億円、経常利益1億円だった。資金調達という観点からすると、この年の企業はどこもそれなりの金額を調達していたが、Web2.0関連はそのなかでも多く、市場の注目度も高かったように思う。資本市場関係者に対し、マーケットの時流やテーマに沿ったアピールをすることががいかに重要かと感じる。その一方で、この年あたりから公開価格に対して高水準の初値を付けるケースが減り始めた。投資家にとってIPO=儲かるという状況でなくなりつつあった。 その後、同社に限らず、アフィリエイト関連企業では業績の伸び悩む会社が増えた。どこも財務体質は安定していたものの、新興市場の上場銘柄としては物足りない数字で終わるケースが目立った。ほとんど印象論だが、アフィリエイトの不正問題が多発したことに加え、大口顧客であった消費者金融業界が過払い問題で大打撃を受けた影響があったようだ。上場で得た資金で人を採用しすぎてマネジメントが混乱したケースもあったという話も聞いている。ただ、2010年3月期あたりから顧客の多様化が進み、全体的に業績も改善している。      インタースペース(東証マザーズ・2122)・・・2006年9月19日(火)上場 「成果報酬型広告を展開」  インターネットを活用したアフィリエイトプログラム(成果報酬型広告)のサービスを提供する「アクセストレード」を運営している。  アフィリエイトプログラムとは、ホームページを運営する法人・個人の運営者が「アクセストレード」のパートナーサイトとして登録し、インターネット上で販促などを行いたい企業の広告を掲載して広告収入を得る仕組み。サイト運営者は自らのサイトに合った広告を掲載して報酬が得られる一方、企業側も自社のサービスや商品を低リスクで広告を出すことができるという。  PC用サイトのプログラムは06年7月現在、広告主については約1300件、サイト掲載者は5万0400件。一方、04年12月から開始したモバイル向けプログラムの登録状況は、広告主が約300件、サイト数は3050件にのぼる。  そのほか、価格比較サイト「ベストプライス」も運営している。同サイトではアフィリエイトのパートナーとしてユーザーが購入した金額に応じて手数料収入が入るほか、広告枠の販売も行う。03年11月に開設し、06年7月現在、会員数は約25万人となっている。  上場で調達する手取り概算金12億6800万円は、「アクセストレード」のセキュリティ強化や機能追加等の設備投資に2億円、事務所移転資金に2億円、ブランド強化等の広告宣伝費に1億円を充当し、その他は安全性の高い金融商品で運用する予定。     〈会社概要〉  本社=東京都新宿区西新宿7-22-36  URL=http://www.interspace.ne.jp/  社長=河端 伸一郎  設立=1999年11月  発行済株式数=1万6020株(上場時)  資本金=2億3300万円(06年3月31日現在)  大株主=河端伸一郎7540株(49.56%)、河端隼平1400株(9.20%)、河端由里子1400株(9.20%)、河端繁780株(5.13%)、河端雄樹720株(4.73%)
株式会社インタースペース
https://www.interspace.ne.jp/

会社情報

会社名
株式会社インタースペース
設立
1999年11月
代表者
代表取締役社長 河端 伸一郎
決算期
9月
上場区分
東証スタンダード
証券コード
2122
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