【決算まとめ】主要モバイルゲーム企業の10-12月…大手とその他の上場SAPで二極化が進む 躍進するミクシィはガンホーがいよいよ視野に【追記】

株式を上場している主要モバイルゲーム企業16社の2014年10~12月期(一部9~11月期)決算が出そろった。今回の四半期の特徴として見えてくるのは、売り上げを大きく伸ばしているミクシィ<2121>など四半期売上高100億円以上のグループと、100億円未満のグループでやや二極化が進んだということだろう。この傾向は利益面についても顕著で、この四半期は売上高100億円未満の企業のうち、5社が赤字計上に終わっている。今年は市場の淘汰が進むのではとの見方も強いが、そうした動きの予兆とも言えそうだ。

下の表は16社の決算内容を一覧にまとめたもの。これまでと同じく、参考として、LINEと、gloopsなどを含むネクソン<3659>のモバイル事業の売上高も掲載し、サイバーエージェント<4751>(表中はCA)のみ、ゲームに関連するAmeba事業とゲーム事業の業績合計値を採用している。サイバーエージェントは、この四半期からセグメント変更が行われており、これまでのゲームその他事業からメディアその他の部分が切り離されている。ちなみに切り離された部分には新世代トークアプリ「755(ナナゴーゴー)」などが含まれており、その影響が数値上出ていることは留意しておいていただきたい。なお、下の表を基準にざっくり数字を出すと、だいたい2300億円くらいが現在の市場の規模ということになる。
 

これを売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる(並びはコード順)。

増収増益…ミクシィ、クルーズ<2138>、コロプラ<3668>、オルトプラス<3672>、ガンホー<3765>
増収減益…enish<3667>
減収増益…ボルテージ<3639>、モブキャスト<3664>、サイバーエージェント
減収減益…ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、アクセルマーク<3624>、グリー<3632>、KLab<3656>、ケイブ<3760>、イグニス<3689>、ドリコム<3793>
 

■ミクシィの躍進が続く、LINEも順調に売り上げを伸ばす


下のグラフは、四半期売上高100億円以上を抽出して並べたもの。目立つのはやはり、ミクシィの躍進だ。サイバーエージェントとグリーを抜き、DeNAも完全に射程にとらえてきた。また、LINEが順調に売り上げを伸ばしているのもグラフから見て取ることができる。ちなみにその下のグラフはガンホーとミクシィの過去2年間の売上高の推移をまとめてみた。ミクシィは2015年3月期通期の予想を開示しているので、その分も表記してみたが、2015年1~3月期はガンホーとミクシィの売上高がかなり接近してくることが予想される。『パズル&ドラゴンズ』と『モンスターストライク』の激しいつばぜり合いと同様、業績面でも順位の交代が起こるのかどうかが次の期の焦点となってきそうだ。
 


続いて下のグラフは四半期売上高100億円未満の銘柄をまとめたものだ。クルーズがKLabを抜き、イグニスがオルトプラスとケイブに抜かれたのが主な動きとなる。ただし、クルーズはコマース事業の売り上げが1.5倍に拡大しており、全体売り上げの55%を占めている。
 

なお、四半期として過去最高の売上高を記録したのは、上場16銘柄ではミクシィ、コロプラ、サイバーエージェント(全体)の3社のみとなる。そもそも増収を達成した企業が上記の一覧の通り、6社(サイバーエージェントを加えると7社)しかなく、この四半期は全般に苦戦が目立ったということになるのだろう。
 

■ミクシィ、コロプラ、サイバーエージェントが過去最高の営業利益を計上


利益面に目を移してみよう。四半期として過去最高の営業利益を計上したのは売上高と同じく、ミクシィ、コロプラ、サイバーエージェントの3社で、その3社がいずれもDeNAとグリーを上回る結果となっている。また、ミクシィはQonQで約1.5倍に利益を伸ばしており、前四半期には倍近い差のあったガンホーとの距離がグッと縮まっている。
 


ちなみに今回も営業利益のグラフは、四半期の営業利益20億円を基準にグラフを2つに分けている。今回、赤字計上となったのは、アクセルマーク、イグニス、ケイブ、enish、オルトプラスの5社で7~9月期と比べて2社増えている。なお、ケイブは2四半期連続、オルトプラスは3四半期連続の赤字であり、ネイティブアプリへのシフトの遅れが依然として大きな負担となっているようだ。
 

■モバイルゲーム大手の利益はピーク水準まで回復


続いてモバイルゲーム大手の売上高推移を見てみよう。ガンホーの下げ止まり、ミクシィとLINEの売り上げ拡大もあってその規模が大きく膨らんでいる。また、DeNAやグリーも減収とはいえ、大きく目減りしているわけではなく、市場全体のシェアを大手が寡占し始めている兆候が見受けられる。

また、下のグラフは営業利益の推移となるが、こちらもガンホーが3四半期ぶりにプラスに転じ、ミクシィ、コロプラ、サイバーエージェントが利益を伸ばしたことで、2014年1~3月期に迫る水準まで伸びてきている。
 


一方、四半期売り上げ規模100億円未満の上場SAPの売上高推移をまとめたのが下のグラフだが、こちらは3四半期ぶりの減少となっている。前回に続きクルーズはコンテンツ事業だけで見ているため、売り上げ減少となり、そもそも増収を達成したのがenish、オルトプラスの2社だけとなり、当然といえば当然の結果と言える。特に存在感の大きい、ネクソンのモバイル事業とKLabがこの四半期は減収となったことが大きかったともいえよう。
 

同じく、四半期売り上げ規模100億円未満の上場SAPの四半期費用の推移をまとめたのが、下のグラフだ。こちらはネクソンのモバイル事業は含んでいないが、今回の四半期分からデータの取れたイグニスの分を加算した。そのため、その分を考慮する必要はあるが、トータルとして前四半期比で5.0%の増加となる。その内訳を売上原価と販管費で分けてみると、売上原価は1.9%増加、販管費が11.6%増加となる。これは年末にかけて多くがCMなどマーケティング面で費用をかけた結果とも言える。ちなみにこれを前年同期比で見ると、トータルで4.2%減少、売上原価で5.0%の減少、販管費で2.7%の減少となる。費用の抑制の動きが引き続き数字として結果に現れていると言えよう。
 

ここまで全体の状況を見てきたが、市場全体は前四半期に続き拡大傾向を示している。ただし、その恩恵を受けているのは大手が中心で、売り上げ規模100億円未満の上場SAPは、やや苦戦が目立っている。また、前述の通り、ガンホーとミクシィの売上高、営業利益の差が大きく縮まってきた。続く2015年1~3月期はこの逆転が起こるのかどうかも気になるところだ。

続いて、各社の個別の状況を見てみたい。なお、今回は増収増益が5社(全体トータルではサイバーエージェントも合わせて6社)、減収減益が7社と大きく二極化した内容となっている。
 

■増収増益組


・ミクシィ<2121>
『モンスターストライク』を含むコンテンツ事業の売上高が第3四半期期間(10~12月)で300億円を突破、続く第4四半期期間(1~3月)には400億円を見込むなど、第2四半期期間(7~9月)の約200億円から100億円ずつの上乗せペースが続いている。海外展開については、12月から1月の伸び鈍化を懸念する声もあるが、台湾で初のテレビCMを放送開始(関連記事)するなど、プロモーション活動の本格化による成果も今後は期待できそう。なお、第4四半期期間の業績予想は、売上高417億円(前四半期比25.3%増)、営業利益200億円(同28.9%増)、経常利益200億円(同28.0%増)、四半期純利益128億円(同28.7%増)と増収増益が続く見通し。
 
【ミクシィの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・クルーズ<2138>
ファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」の成長により、コマース事業が成長。全売上高に占めるコマース事業の比率は前四半期の41.3%から55.2%に高まっている。ただ、その一方で、ヒットの見込みが薄い新規タイトルの開発中止や一部タイトルのサービスを終了を行ったほか、『The Horus Heresy: Drop Assault』や『Elemental Story』『Breakin’Grounds』など、ネイティブゲームのリリースが増え始めてきており、コンテンツ事業についても体制の整備は進んでいる。なお、版権を活用したソーシャルゲーム開発に特化した戦略子会社ウェーバーを設立(関連記事)したことも今後の注目材料か。
 
【クルーズの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】


・コロプラ<3668>
第1四半期(10~12月)は、期中に新作タイトルのリリースこそなかったものの、既存タイトルの伸長により、QonQ(前四半期比)で、売上高が3.7%増、営業利益は7.7%増、経常利益は8.8%増、四半期純利益は24.4%増と増収増益を達成した。また、海外専門部署を設置した海外展開が、QonQで売り上げ倍増となったこともポジティブな材料と言えよう。第2四半期(1~3月)以降の注目ポイントは、新作の進捗状況で、現在、事前登録を実施中の『東京カジノプロジェクト』『バトルガール ハイスクール』『Rumble City』の3タイトルの動向に注目したい。
 
【コロプラの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】


・オルトプラス<3672>
第1四半期(10~12月)は、QonQで増収増益となったが、営業損益については赤字幅の縮小というのが実態であり、まだまだ本格的な回復には至っていない。ただ、直近では新作フュージョンバトルRPG『ASTRAL GAZER アストラルゲイザー』の事前登録が好調に推移(関連記事)するなど、ネイティブアプリへのシフトの成果がようやく表面化しつつある。期初に発表した通期の黒字転換予想に向け、第2四半期以降の業績面に変化出てくるのか、引き続き見守りたい。
 
【オルトプラスの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・ガンホー<3765>
第1四半期(1~3月)をピークに第2四半期(4~6月)、第3四半期(7~9月)と減収減益基調が続いていた業績トレンドにようやく歯止めがかかった。ただ、続く1月の単体月次売上高は前年同月比27.3%減の120億円となる見込みであるなど、再び成長軌道に乗れるかどうかはまだ不透明と言える。その一方、足元の2015年第1四半期は、ニンテンドー3DSシリーズ向け新作ゲーム『PUZZLE & DRAGONS SUPER MARIO BRO. EDITION』などモバイルゲーム以外の展開(関連記事)も新たに浮上しており、そうした展開の寄与にも期待したい。
 
【ガンホーの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 
 

■増収減益組


・enish<3667>
第4四半期期間(10~12月)の業績は、売上高こそ3.8%の増収を確保したものの、営業損益は四半期ベースで上場来初めての赤字となった。将来顧客の囲い込みのための集客を優先したことや、一部タイトルのリリースの遅れなどが影響したもようだが、発表した2015年12月期の業績予想も第2四半期累計業績までは赤字計上の見通しとなっており、しっかりとした収益化が進むのはもう少し先になりそう。ただ、『千年の巨神』がリリース開始1ヶ月で累計70万ダウンロードを突破(関連記事)したことは明るい材料で、先行きの収益貢献にも期待できそうだ。
 
【enishの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】


 
 

■減収増益組


・ボルテージ<3639>
サスペンスアプリの『新・生存率0%! 地下鉄からの脱出』と『ゴシップライター ~消えたアイドルを救え!~』が計画を下回ったことや、英語市場の恋愛ドラマアプリの一部新規タイトルにリリースの遅れがあったことで第2四半期累計(7~12月)決算は計画対比で未達となった。ただ、第1四半期期間(7~9月)は例年通りの赤字計上となっていたこともあり、利益は未達ながら黒字化し、増益となっている。日本語市場向けの恋愛ドラマアプリは順調だが、上記マイナス要因をカバーしきれず、1月22日に2015年6月期通期予想も下方修正(関連記事)を行っている。
 
【ボルテージの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】


・モブキャスト<3664>
第4四半期期間(10~12月)の業績は、売上高がQonQで3.9%減収となったものの、営業利益はQonQで10倍超に急拡大するなど大幅な利益率改善を達成した。さらに、2014年12月期は第1四半期から第4四半期まですべての四半期で営業黒字を確保するなど、ネイティブゲーム開発体制の確立が進んだ成果が見えてきた。また、新作アプリ『【18】(エイティーン) キミト ツナガル パズル』が、2月16日時点で事前登録者数10万人を突破(関連記事)するなど、大きな期待を集めている。2015年12月期の業績見通しは非開示としているが、決算説明資料において、2015年を複数のネイティブゲームを配信開始する勝負の年としており、続く2015年12月期の第1四半期業績への期待も高まるところだ。
 
【モブキャストの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・サイバーエージェント<4751>
上記の通り、セグメント変更による影響で、集計の形式上、減収増益という形になってしまったが、同社全体の第1四半期(1~3月)業績で言えば、売上高がQonQで9.8%増の634億円、営業利益が同70.7%増の125億円と増収増益で過去最高、なおかつ大幅な増益での着地という結果になっている。前四半期で進んだネイティブアプリへのシフトがこの第1四半期もしっかりと収益として数字に表れてきている状況だ。なお、ゲーム事業はセグメント変更による影響を過去に遡及してみると、売上高がQonQで4.3%増、営業利益が同19.4%増と実質的には増収増益で、ともに過去最高の数字となる。
 
【サイバーエージェントの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】


 
 

■減収減益組


・DeNA<2432>
第3四半期(10~12月、IFRS基準)は、QonQで売上収益は4%の減収、営業利益は35%の減益となるが、これはプロ野球「横浜DeNAベイスターズ」がシーズンオフに入った影響もあり、当初の予定通り。ソーシャルメディア事業は、売上収益が5%増、セグメント利益が横ばいでの着地となっており、前四半期に続き、これまでの下落トレンドから出口の光が差し始めてきた段階と言えそうだ。なお、『ファイナルファンタジーレコードキーパー』は、国内で500万DLを突破したが、欧米市場向けのローカライズも進めているとしており、今後は海外展開のタイミングも注目されよう。なお、第4半期(1~3月)については、売上収益がQonQで5%増、営業利益は同10%減の見込みとしている。
 
【DeNAの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・アクセルマーク<3624>
第1四半期(10~12月)は、主力のモバイルゲーム事業で新規ネイティブゲーム5タイトルの開発コストが収益を圧迫したことや、既存のブラウザゲームの売り上げが低下したことで、QonQで7.1%の減収、3000万円の営業赤字計上となった。続く第2四半期(1~3月)は、新作『大乱闘!!ドラゴンパレード』の売上が業績に寄与し、22.8%の増収を見込むが、一方で営業損益は3700万円の赤字と赤字幅の拡大となる見通し。引き続き4タイトルの新規ゲーム開発に関連する先行投資負担などが損益面に影響するとのこと。ただ、『大乱闘!!ドラゴンパレード』は2月4日に50万ダウンロードの突破を発表(関連記事)するなど好スタートを切っており、予想を上回る収益貢献を果たす可能性もありそうだ。
 
【アクセルマークの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・グリー<3632>
第2四半期(10~12月)の売上高はQonQで13.0%減、営業利益が同16.4%減と2ケタ減収減益となるなど、まだまだ厳しい状況が続いている。この背景はフィーチャーフォンを中心にブラウザゲームのコイン消費の減少が続いていることであり、この部分については引き続き規模の縮小が続いていくことになりそうだ。一方で、ネイティブゲームは、『消滅都市』が今年1月に300万ダウンロードを突破、その売り上げも前年度第4四半期(4~6月)と比べて6.6倍に拡大(関連記事)するなど、成果が実りつつある。続く第3四半期以降にネイティブゲームでさらなる上積みが図れるのかどうかが、今後の業績の行方を見極める上で、重要なポイントとなってきそうだ。
 
【グリーの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・KLab<3656>
2014年12月期通期の業績については、35.8%の増収、大幅な黒字転換となった(前の期は16カ月決算で比較は12ヶ月換算)が、第4四半期期間(10~12月)に限定して見ると、売上高はQonQで14.5%減、営業利益は同77.2%減という結果になる。これは同社の業績をけん引している『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』がTVアニメ2期の放送や夏休み期間という季節要因により、第2四半期~第3四半期に大きく売り上げを伸ばした反動が出たもの。また、利益は年末年始に積極的にTVCMを展開したことも影響している。ただ、会社側予想よりも下ブレしていることは気になるところ。なお、続く2015年第1四半期は、年末年始のTVCM効果も踏まえ、売上高がQonQで3.1%増、営業利益は同157.4%増を見込むとしている。
 
【KLabの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・ケイブ<3760>
第2四半期期間(9~11月)は売上高がQonQで8.6%の減収、営業損益はQonQで3000万円の赤字幅拡大と苦戦が続いている。既存ブラウザーゲームの売上高減少は下げ止まりが見受けられたが、スマートフォンネイティブゲームでヒット作を生み出せず、2014年5月期の第4四半期をピークとした減収減益トレンドに歯止めがかかっていない状況だ。現在は、『ゴシックは魔法乙女』の事前登録を実施中で、2月下旬のリリースを予定しているが、同タイトルも含めた今後のリリースタイトルが業績回復のきっかけとなるかどうかが焦点となろう。
 
【ケイブの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 

・イグニス<3689>
第1四半期(10~12月)は、QonQで67.1%の減収、1億円の営業赤字計上という結果になった。ただ、会社側では、中規模、大規模アプリの開発に比重を移したこともあり、第1四半期期間はリリースタイトルが少なく、計画通りとしている。なお、事前登録者数が10万人突破(関連記事)している新作『ぼくとドラゴン』のリリースはAndroid版が2月中旬、iOS版は2月下旬となる見通しで、課金収入が収益に貢献してくるのは第3四半期以降となる見通し。

・ドリコム<3793>
第3四半期期間(10~12月)の業績は、QonQで売上高が7.3%減、営業利益が76.9%の減益となった。大型IP(知的財産、版権)タイトルである『ONE PIECE トレジャークルーズ』と『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストシューターズ』は堅調だったものの、既存のブラウザゲームの縮小傾向が続いていることが影響したとのこと。続く第4四半期(1~3月)もQonQで売上高が16.3%減、営業損益は2億2400万円の赤字を見込むなど、苦しい状況が続く。ただし、赤字計上となる営業損益については、リリース予定の新作タイトルの人件費や広告宣伝費を織り込んでいることも留意しておきたい。
 
【ドリコムの四半期別売上高・営業利益の推移(億円)】

 
 

■まとめ


今回の集計期間の特徴は、最初に触れた通り、売上高・利益を伸ばした大手とそのほかの上場SAPで二極化が進んだことだろう。思えば、こうした企業間格差の拡大は、年始企画に実施したアナリスト・市場関係者の方々へのアンケートでも予見されていた傾向ではある。

また、ガンホーとミクシィの売り上げ規模がかなり接近してきたことも注目のポイントだ。ミクシィは次の第4四半期(1~3月)に売上高400億円を見込み、ガンホーは1月の月次売上高(120億円)を単純に3倍すると360億円となるが、果たして…

なお、12月18日に上場を果たしたgumi<3903>だが4月期決算ということもあり、上場後初の決算発表は3月6日に予定されている第3四半期決算となる。そのため、データが反映されるのは早ければ次回、データの状況次第ではその次の本決算発表後からということになりそうだ。
 
(編集部:柴田正之)