カドカワ、中間の経常益は29%増の39億円 ニコニコ不振も電子書籍とアニメ、ゲームが好調

カドカワ<9468>は、11月8日、第2四半期累計(4-9月)の連結決算を発表し、売上高1021億円(前年同期比0.6%増)、営業利益28億円(同0.2%増)、経常利益39億円(同29.4%増)、最終利益21億円(同21.1%増)だった。

Webサービスが赤字転落となったものの、出版事業と映像・ゲーム事業がカバーし増収増益を確保した。また、持分法による投資利益や受取配当金など営業外収益が伸びた一方、前期に計上された6億円の寄付金が今期はなかったため、経常利益は30%近い伸びを達成した。

 


セグメント別の状況は以下のとおり。


Webサービス事業
売上高138億円(同10.2%減)、セグメント損益1億円の赤字(前年同期3億円の黒字)と赤字転落した。 営業利益3億93百万円)だった。「ニコニコプレミアム会員」の減少幅は緩やかになったが、第2四半期では増加に転じず、194万人(9月末)となり、ポータルは減収減益だった。モバイルも有料会員が減少した。ただ、新しい生放送アプリ「nicocas」のリリース、生放送番組にアイテムを贈ることで配信者を支援することができる「ギフト」の導入、VRコミュ ニケーションサービス「バーチャルキャスト」のリリースなど新サービスの育成に注力している。


出版事業
売上高550億円(同1.2%増)、セグメント利益30億円(同25.1%増)と増収増益だった。電子書籍・電子雑誌や権利販売等で事業ポートフォリオが多様化したことで、出版セグメントは堅調だった。特に電子書籍・電子雑誌が好調で、BOOK☆WALKERストアや外部の電子書籍ストアでの販売が伸びた。


映像・ゲーム事業
売上高238億円(同3.2%増)、セグメント利益25億円(同34.0%増)だった。映像では「STEINS;GATEゼロ」「殺戮の天使」「オーバーロード」などの海外ライセンス販売が収益に貢献したほか、アニメの配信収入や「Re:ゼロから始める異世界生活」の商品化許諾による収益貢献があった。ムービーウォーカーの展開する劇場前売券サービス「ムビチケ」も好調だった。

ゲームでは、「DARK SOULS REMASTERED」が国内外で好調に推移し、パッケージ販売だけでなく、海外ロイヤリティ収入も収益貢献した。また、「METAL MAX Xeno」「コナン アウトキャスト」等のパッケージゲームや、過年度発売の「Bloodborne」や「DARK SOULS Ⅲ」の海外ロイヤリティ収入が引き続き好調だった。


 
■2019年3月通期の見通し

2019年3月通期は、売上高2310億円(前期比11.7%増)、営業利益80億円(同154.4%増)、経常利益91億円(同144.8%増)、最終利益54億円(同420.1%増)を見込む。従来予想からは変更ない。