2018年におけるスマートフォンアプリ業界の総決算として、前年から2019年に至るまでの市場動向を総まとめする年始恒例企画「ゲームアプリ市場のキーマンに訊く2018-2019」。
『夢王国と眠れる100人の王子様(以下、夢100)』や『茜さすセカイでキミと詠う(以下、アカセカ)』など、女性ユーザーに愛されるタイトルを次々に生み出しているジークレスト。2019年には新たなタイトル『星鳴エコーズ』のリリースを控えている。今回はそんなジークレストの代表、大辻純平氏に2018年の振り返りを含め、2019年の女性向けゲーム市場についてお話を伺った。
――:2018年の女性向けスマホゲームアプリの動向をどのように感じられましたか。
大辻純平氏(以下、大辻):弊社は2015年に『夢100』をリリースしているのですが、その後2017年から2018年にかけて多数の女性向けゲームアプリが配信された印象です。ただ、2018年は新作が大ヒットしているというトピックはあまりなかったとみています。
――:タイトル数の飽和によりヒット作が出辛いという状況は他ジャンルのゲームアプリにも見られる傾向かと思います。そうした場合、既存の有名IPを使用した展開などが有力な打開策のひとつになると思うのですが、女性向けアプリではそうした傾向があまり見られない気がします。
大辻:女性向け作品のビッグIPは既にほぼリリースされてしまっているため、ここからは如何にオリジナルのIPを作っていけるかがポイントになると考えています。
――:『夢100』や『セルフィ』など、御社では長く運営されているタイトルが複数ありますが、ユーザーから長く愛される秘訣はどこにあるのでしょうか。
大辻:弊社のタイトルの場合、「ゲームであること」を大切にしています。「女性向け」と聞くとキャラクター推しでゲーム部分が単調になりがちな印象があるかもしれませんが、ゲームとして面白くなるようなアップデートをしっかりと作っていくということを意識しています。
――:ゲーム以外の展開を行うにあたって、2.5次元や舞台が主流となるのは女性向け特有の傾向かなと感じました。やはり、その辺りでユーザー層に違いは感じられますか?
大辻:女性向けゲームのユーザーは、キャラクターとの触れ合いを求めています。実際にライブや2.5次元の舞台を公演するとしても、”リアルな場”であったほうがよりキャラクターの温度感が伝わるため、ユーザーの皆さんにも盛り上がっていただけるのかなと感じています。グッズに関しても、その盛り上がりの中で2.5次元の舞台やライブに持って行こう、という意図から相乗効果で購入されているという印象です。
――:そうなると、グッズは飾っておくものより、ライブTシャツなど使用感のあるものが喜ばれたりするのでしょうか。
大辻:少し前は缶バッジなどが主流でした。最近はパーカーやTシャツも増えています。もちろん、飾っておくグッズも未だに人気はあります。
――:御社の取り組みとして、この1年を振り返っての感想をお聞かせください。
大辻:2018年は『夢100』が3周年、『アカセカ』が1周年、『セルフィ』が12周年を迎えたりと、色々ありました。『夢100』は先ほどお話しした通りTVアニメを放送したり、ゲーム内では大型アップデートをしたりと、幅広い展開を実現できたと思います。『アカセカ』は1周年のオフラインイベントを開催し、ゲーム以外の展開も行った年でした。『セルフィ』は12周年ととても長いサービスですが、お客様により「着がえ」を楽しんでいただけるよう、久しぶりに新しい形式のイベントをリリースしました。
――:特にここがユーザーに喜ばれたという部分はありますか。
大辻:リアルな場での作品やキャラクターとの接点はとても喜んでいただいたので、これからも続けていきたいと思っています。弊社の場合は特に、パズルなどのゲーム部分が楽しくてプレイしているという方も多くいらっしゃるので、ゲームのアップデートも好評をいただきました。
――:先ほども仰られた通り、女性向けゲームと聞くとキャラ推しという印象も強いと思いますが、地盤を固めるにはゲーム部分をしっかりと作っていく必要があるということですね。女性向けゲームを遊ばれているユーザーさんにはどういった特色があるのでしょうか?
大辻:基本的には、そこまで複雑なパラメーターやスキルといった細かい数値は求められていません。ただ、アプリの手触りや直感的な面白さは見ていただいているという印象です。
――:アップデートを行うにあたって大事にしている部分を教えてください。
大辻:お客様がどういったものを求めているかはしっかりと見ています。女性向けゲーム以外のタイトルを研究して、この施策を参考にしてみてはどうだろうという話も出ますが、最後はお客様が本当にそれを求めているかどうかを大切にしています。
――:現在の『セルフィ』運営チームはどれくらいの規模なのでしょうか。
大辻:25人ほどです。お客様は女性の方に多く遊んでいただいており、8割を占めています。
――:『セルフィ』では11月にグリーさん主催のセミナー「超長期アバター・デコ運営サテライト」(関連記事)にも登壇されていましたが、こうしたサービスを長く続けられている秘訣はどこにあるとお考えでしょうか?
大辻:常に新しいことにチャレンジしているという点は大きいです。アバターサービスはいかに喜んでいただける衣装を作れるかがとても大切になってきます。
例えば『セルフィ』ではサービス開始から既に12回のクリスマスを経験しているのですが、「次はどんなクリスマスの衣装をつくろう」と毎回相当悩んで制作をしています。如何に今までになかった魅力を伝えられる新しい衣装を作れるか、クリエイターに限らず、プランナーやエンジニアなどチーム全員でデザインの意見を出し合う時間をつくり、今まで見たことのないものを作ろうと頑張っています。
それと同時に、アバターサービスとしての質もアップデートしていくために、2018年は久々に新しい形式のイベントを実施しました。こちらも大きな反響をいただき、結果的に多くの方に喜んでいただけるものになりました。
――:そのほか、会社としては女性向けゲームに関するセミナー「Girls Game MEETS」(関連記事)なども開催されていますが、こちらを開催しようと思われたきっかけや反響はいかがでしょうか?
大辻:女性向けゲームや女性向けコンテンツを盛り上げるために「Girls Game MEETS」を始めました。女性向けゲームを作っているクリエイターが登壇してノウハウを共有したり、懇親会で交流をしてさらに良いコンテンツを作るにはどうすればいいかということを話しています。前回は2018年10月に実施して「A3!」のプロデューサーの方や、「夢100」のディレクターに登壇してもらい、130名以上の応募がありました。今は女性向けゲームを作るうえでのキープレイヤーが集まる会になり始めているので、こういった展開は2019年もさらに強化していきたいです。
▲クリエイター交流会「Girls Game MEETS」会場の様子。
――:続いて、2019年の展望についてもお聞かせください。
大辻:今後の女性向けゲーム業界としては、しっかりとオリジナルIPを生み出していけるかどうかが大きな課題です。ジークレストでもたくさんの人に受け入れていただける新規のオリジナルIP作りに注力したいと思っています。ゲーム以外での展開では、リアルの場でライブや2.5次元、グッズにより力を入れていきます。早速ですが、2019年1月には舞台『夢100』の第2弾が公演されますので、楽しみにしていてください。
また、2018年10月に発表した新作『星鳴エコーズ』(関連記事)のリリースも控えていますので、こちらをしっかりヒットさせたいです。『星鳴エコーズ』は女性向けゲーム市場の中でも新しく新鮮なものになるようチャレンジしています。
――:ずばり、『星鳴エコーズ』のウリを教えてください。
大辻:『夢100』や『アカセカ』は主人公とキャラクターとの恋愛をテーマにしたゲームでしたが、『星鳴エコーズ』では「青春群像劇」に挑戦します。恋愛要素は一切なく、”友情・努力・勝利”をテーマに少年誌を読んでいるような女性がプレイしたくなるようなゲームです。
大辻:女性向けゲームに女性キャラクターが登場するというのも珍しいポイントです。主人公は学校の先生のような立ち位置で、学校の生徒として男女ともにキャラクターが登場します。そこが、これまでの女性向けコンテンツの中でも新しい要素ではないでしょうか。恋愛というよりも、キャラクター育成が主な目的になります。この点に関しては、最近の女性向けゲームのトレンドですね。
――:キャラクターを応援したり育てたりという傾向は男性向けゲームにも近しいトレンドを感じますね。
大辻:スマートフォンゲームは長く運営していくことが前提です。その中で自分がキャラクターや作品を育てているという感覚と、ゲームが長く続くというのはリンクしていると思います。そういう意味では、アイドルを応援している感覚に凄く近いです。そこにゲームというメディアを介しているだけで、男女の差はあまり関係ないのではないでしょうか。”自分たちが育てている”という感覚をユーザーに持ってもらうことはとても大切です。
――:それが、オリジナルIPをヒットさせることに繋がるわけですね。
大辻:過去には、TVCMを放送すれば一気に認知度が上がるという時代もありました。しかし、今はタイトルの数が増えてきたこともあり、オリジナルIPを出すのであればユーザーにどれだけ注目してもらえるかがより大事な時代になってきました。コアユーザーにIPの良さを理解していただき、応援していただくところから活動を始めていく必要があります。
――:今後の女性向けゲームに期待していることをお願いします。
大辻:女性向けゲームは男性向けゲームと比べると市場規模が小さく、ヒットしたときのトップラインも限られているため新しいチャレンジがしにくい環境に思われるかもしれません。また、女性向けゲームの市場全体としては、上位の売上を合算すると、この1年ほど横ばいになっています。そのため、オリジナルIPや、今まで無かったゲーム性など新しい展開やチャレンジをして、市場全体を盛り上げて大きくしていきたいと考えております。2019年は『星鳴エコーズ』がその挑戦のひとつになると良いなと思っています。
――:最後に読者の方々にメッセージをお願いします。
大辻:2019年に配信予定の『星鳴エコーズ』では、今までの女性向けゲームにはなかった新しいものを提供できると思っています。オリジナル要素が入ったIPとして、ゲーム以外でも展開を増やしていく予定ですので、ぜひ注目していてください。
弊社は、「女子ゲーNO.1」という、女性向けゲームを作っている会社でNo.1になるという目標を掲げております。『星鳴エコーズ』をリリースすることで、女子ゲーNo.1に一歩近づけたら嬉しいです。そうした点からも、2019年は大事な年になると思います。
――:本日はありがとうございました。
■『星鳴エコーズ』
© GCREST, Inc.
『夢王国と眠れる100人の王子様(以下、夢100)』や『茜さすセカイでキミと詠う(以下、アカセカ)』など、女性ユーザーに愛されるタイトルを次々に生み出しているジークレスト。2019年には新たなタイトル『星鳴エコーズ』のリリースを控えている。今回はそんなジークレストの代表、大辻純平氏に2018年の振り返りを含め、2019年の女性向けゲーム市場についてお話を伺った。
■ユーザーの愛はゲームを飛び出してリアルへ
――:2018年の女性向けスマホゲームアプリの動向をどのように感じられましたか。
大辻純平氏(以下、大辻):弊社は2015年に『夢100』をリリースしているのですが、その後2017年から2018年にかけて多数の女性向けゲームアプリが配信された印象です。ただ、2018年は新作が大ヒットしているというトピックはあまりなかったとみています。
――:タイトル数の飽和によりヒット作が出辛いという状況は他ジャンルのゲームアプリにも見られる傾向かと思います。そうした場合、既存の有名IPを使用した展開などが有力な打開策のひとつになると思うのですが、女性向けアプリではそうした傾向があまり見られない気がします。
大辻:女性向け作品のビッグIPは既にほぼリリースされてしまっているため、ここからは如何にオリジナルのIPを作っていけるかがポイントになると考えています。
――:『夢100』や『セルフィ』など、御社では長く運営されているタイトルが複数ありますが、ユーザーから長く愛される秘訣はどこにあるのでしょうか。
大辻:弊社のタイトルの場合、「ゲームであること」を大切にしています。「女性向け」と聞くとキャラクター推しでゲーム部分が単調になりがちな印象があるかもしれませんが、ゲームとして面白くなるようなアップデートをしっかりと作っていくということを意識しています。
また、今の女性向け市場を見ていると、2.5次元の舞台やライブなど、ゲーム以外でキャラクターや世界観とユーザーの接点をたくさん作っていくことが必要になってきていると感じます。弊社でも今年は『夢100』のアニメが放送されたり、2019年には舞台公演を予定していたりしますが、ユーザーの動きがゲームだけで完結せず、例えばリアルイベントでグッズを買うなど、外に飛び出しているという流れが来ていると実感しています。
――:ゲーム以外の展開を行うにあたって、2.5次元や舞台が主流となるのは女性向け特有の傾向かなと感じました。やはり、その辺りでユーザー層に違いは感じられますか?
大辻:女性向けゲームのユーザーは、キャラクターとの触れ合いを求めています。実際にライブや2.5次元の舞台を公演するとしても、”リアルな場”であったほうがよりキャラクターの温度感が伝わるため、ユーザーの皆さんにも盛り上がっていただけるのかなと感じています。グッズに関しても、その盛り上がりの中で2.5次元の舞台やライブに持って行こう、という意図から相乗効果で購入されているという印象です。
――:そうなると、グッズは飾っておくものより、ライブTシャツなど使用感のあるものが喜ばれたりするのでしょうか。
大辻:少し前は缶バッジなどが主流でした。最近はパーカーやTシャツも増えています。もちろん、飾っておくグッズも未だに人気はあります。
――:御社の取り組みとして、この1年を振り返っての感想をお聞かせください。
大辻:2018年は『夢100』が3周年、『アカセカ』が1周年、『セルフィ』が12周年を迎えたりと、色々ありました。『夢100』は先ほどお話しした通りTVアニメを放送したり、ゲーム内では大型アップデートをしたりと、幅広い展開を実現できたと思います。『アカセカ』は1周年のオフラインイベントを開催し、ゲーム以外の展開も行った年でした。『セルフィ』は12周年ととても長いサービスですが、お客様により「着がえ」を楽しんでいただけるよう、久しぶりに新しい形式のイベントをリリースしました。
――:特にここがユーザーに喜ばれたという部分はありますか。
大辻:リアルな場での作品やキャラクターとの接点はとても喜んでいただいたので、これからも続けていきたいと思っています。弊社の場合は特に、パズルなどのゲーム部分が楽しくてプレイしているという方も多くいらっしゃるので、ゲームのアップデートも好評をいただきました。
――:先ほども仰られた通り、女性向けゲームと聞くとキャラ推しという印象も強いと思いますが、地盤を固めるにはゲーム部分をしっかりと作っていく必要があるということですね。女性向けゲームを遊ばれているユーザーさんにはどういった特色があるのでしょうか?
大辻:基本的には、そこまで複雑なパラメーターやスキルといった細かい数値は求められていません。ただ、アプリの手触りや直感的な面白さは見ていただいているという印象です。
――:アップデートを行うにあたって大事にしている部分を教えてください。
大辻:お客様がどういったものを求めているかはしっかりと見ています。女性向けゲーム以外のタイトルを研究して、この施策を参考にしてみてはどうだろうという話も出ますが、最後はお客様が本当にそれを求めているかどうかを大切にしています。
▲『夢100』メインストーリー第2部キービジュアル。
――:現在の『セルフィ』運営チームはどれくらいの規模なのでしょうか。
大辻:25人ほどです。お客様は女性の方に多く遊んでいただいており、8割を占めています。
――:『セルフィ』では11月にグリーさん主催のセミナー「超長期アバター・デコ運営サテライト」(関連記事)にも登壇されていましたが、こうしたサービスを長く続けられている秘訣はどこにあるとお考えでしょうか?
大辻:常に新しいことにチャレンジしているという点は大きいです。アバターサービスはいかに喜んでいただける衣装を作れるかがとても大切になってきます。
例えば『セルフィ』ではサービス開始から既に12回のクリスマスを経験しているのですが、「次はどんなクリスマスの衣装をつくろう」と毎回相当悩んで制作をしています。如何に今までになかった魅力を伝えられる新しい衣装を作れるか、クリエイターに限らず、プランナーやエンジニアなどチーム全員でデザインの意見を出し合う時間をつくり、今まで見たことのないものを作ろうと頑張っています。
それと同時に、アバターサービスとしての質もアップデートしていくために、2018年は久々に新しい形式のイベントを実施しました。こちらも大きな反響をいただき、結果的に多くの方に喜んでいただけるものになりました。
――:そのほか、会社としては女性向けゲームに関するセミナー「Girls Game MEETS」(関連記事)なども開催されていますが、こちらを開催しようと思われたきっかけや反響はいかがでしょうか?
大辻:女性向けゲームや女性向けコンテンツを盛り上げるために「Girls Game MEETS」を始めました。女性向けゲームを作っているクリエイターが登壇してノウハウを共有したり、懇親会で交流をしてさらに良いコンテンツを作るにはどうすればいいかということを話しています。前回は2018年10月に実施して「A3!」のプロデューサーの方や、「夢100」のディレクターに登壇してもらい、130名以上の応募がありました。今は女性向けゲームを作るうえでのキープレイヤーが集まる会になり始めているので、こういった展開は2019年もさらに強化していきたいです。
▲クリエイター交流会「Girls Game MEETS」会場の様子。
■女性向けゲームの売れ行きは横ばい カギを握るのは”挑戦する心”
――:続いて、2019年の展望についてもお聞かせください。
大辻:今後の女性向けゲーム業界としては、しっかりとオリジナルIPを生み出していけるかどうかが大きな課題です。ジークレストでもたくさんの人に受け入れていただける新規のオリジナルIP作りに注力したいと思っています。ゲーム以外での展開では、リアルの場でライブや2.5次元、グッズにより力を入れていきます。早速ですが、2019年1月には舞台『夢100』の第2弾が公演されますので、楽しみにしていてください。
また、2018年10月に発表した新作『星鳴エコーズ』(関連記事)のリリースも控えていますので、こちらをしっかりヒットさせたいです。『星鳴エコーズ』は女性向けゲーム市場の中でも新しく新鮮なものになるようチャレンジしています。
――:ずばり、『星鳴エコーズ』のウリを教えてください。
大辻:『夢100』や『アカセカ』は主人公とキャラクターとの恋愛をテーマにしたゲームでしたが、『星鳴エコーズ』では「青春群像劇」に挑戦します。恋愛要素は一切なく、”友情・努力・勝利”をテーマに少年誌を読んでいるような女性がプレイしたくなるようなゲームです。
大辻:女性向けゲームに女性キャラクターが登場するというのも珍しいポイントです。主人公は学校の先生のような立ち位置で、学校の生徒として男女ともにキャラクターが登場します。そこが、これまでの女性向けコンテンツの中でも新しい要素ではないでしょうか。恋愛というよりも、キャラクター育成が主な目的になります。この点に関しては、最近の女性向けゲームのトレンドですね。
――:キャラクターを応援したり育てたりという傾向は男性向けゲームにも近しいトレンドを感じますね。
大辻:スマートフォンゲームは長く運営していくことが前提です。その中で自分がキャラクターや作品を育てているという感覚と、ゲームが長く続くというのはリンクしていると思います。そういう意味では、アイドルを応援している感覚に凄く近いです。そこにゲームというメディアを介しているだけで、男女の差はあまり関係ないのではないでしょうか。”自分たちが育てている”という感覚をユーザーに持ってもらうことはとても大切です。
――:それが、オリジナルIPをヒットさせることに繋がるわけですね。
大辻:過去には、TVCMを放送すれば一気に認知度が上がるという時代もありました。しかし、今はタイトルの数が増えてきたこともあり、オリジナルIPを出すのであればユーザーにどれだけ注目してもらえるかがより大事な時代になってきました。コアユーザーにIPの良さを理解していただき、応援していただくところから活動を始めていく必要があります。
――:今後の女性向けゲームに期待していることをお願いします。
大辻:女性向けゲームは男性向けゲームと比べると市場規模が小さく、ヒットしたときのトップラインも限られているため新しいチャレンジがしにくい環境に思われるかもしれません。また、女性向けゲームの市場全体としては、上位の売上を合算すると、この1年ほど横ばいになっています。そのため、オリジナルIPや、今まで無かったゲーム性など新しい展開やチャレンジをして、市場全体を盛り上げて大きくしていきたいと考えております。2019年は『星鳴エコーズ』がその挑戦のひとつになると良いなと思っています。
――:最後に読者の方々にメッセージをお願いします。
大辻:2019年に配信予定の『星鳴エコーズ』では、今までの女性向けゲームにはなかった新しいものを提供できると思っています。オリジナル要素が入ったIPとして、ゲーム以外でも展開を増やしていく予定ですので、ぜひ注目していてください。
弊社は、「女子ゲーNO.1」という、女性向けゲームを作っている会社でNo.1になるという目標を掲げております。『星鳴エコーズ』をリリースすることで、女子ゲーNo.1に一歩近づけたら嬉しいです。そうした点からも、2019年は大事な年になると思います。
――:本日はありがとうございました。
(取材・文 編集部:山岡広樹)
■『星鳴エコーズ』
© GCREST, Inc.
会社情報
- 会社名
- 株式会社ジークレスト
- 設立
- 2003年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 大辻 純平
- 決算期
- 9月