【決算まとめ①】ゲーム関連企業31社の10-12月…『天穂のサクナヒメ』が大ヒットのマーベラスや「鬼滅」コラボが奏功したガンホーが躍進
主要モバイルゲーム企業の2020年10~12月期の決算を振り返ってみたい。この四半期は、再度の緊急事態宣言発令の前ではあるものの、感染者や重症者数の増加により、拡大エリアで飲食店などへの時短要請が出されるなど、再び新型コロナウイルス感染症の拡大が社会的な懸念材料となりつつあった時期となる。
その一方、イギリスなど海外でワクチン接種が開始されるなど、感染収束に向けた動きも進み、中期的な経済回復への期待が膨らんだ時期でもあった。
さて、今回も前回に続き、テーマごとに少し切り分けた形とし、この記事では10~12月期の決算シーズンの主要モバイルゲーム企業の決算の概略をまとめてみたい。これまでの記事とデータの連続性も踏まえ、gumi<3903>とエイチーム<3662>、ブシロード<7803>の決算は8~10月期の数字を使用している。また、これまでと同様にネクソン<3659>はモバイル事業の売上高も掲載し、サイバーエージェント<4751>(表中はCA)は、ゲーム事業の数字のみを取り上げている。
そして、Zホールディングス<4689>との経営統合に向けて、上場廃止となったLINEは、決算数字が揃わないため、今回の集計データからは除外する形となっている。その一方、東京通信<7359>やcoly<4175>、アピリッツ<4174>が直近で上場を果たしているが、これらは前四半期比較など決算数字が揃い次第、集計データに加えていく予定だ。
この10~12月期は、引き続き「withコロナ」の状況の中で、ゲーム関連企業のテレワーク対応やオフィスの縮小・集約など事業体制の再編を進める動きが続いた。
例えばenish<3667>は、昨年6月に六本木ヒルズからラピロス六本木に移転したばかりだったが、六本木電気ビルに4月1日付で再移転を行うことを決定した。テレワーク制度の導入・浸透により、より小さなオフィスで対応することが可能と判断したためだという。こうした事業体制の再構築の動きは、今後も色々と浮上してくることになりそうだ。
ただ、こうした動きによる効果が業績面に表れてくるのは、費用負担などを踏まえるともう少し先になるものが多いのではないだろうか。
なお、この四半期決算では、31社中の17社が増収、14社減収と増収の企業が多かった。クリスマス商戦期ということで大手ゲーム株の売上の好調さが目立ったほか、『天穂のサクナヒメ』が大ヒットしたマーベラス<7844>、『パズドラ』の「鬼滅の刃」とのコラボが奏功したガンホー<3765>なども大幅な増収を達成している。
一方、営業利益については、16社が増益(赤字幅の縮小を含む)、15社が減益となっているが、赤字企業数が前四半期(7~9月期)の4社から7社に増加している。引き続きテレワーク移行やオフィス縮小などの費用負担が出ているものと思われるが、KLab<3656>の赤字転落など、感染拡大が必ずしも巣ごもり需要としてゲーム株に働いているわけではない部分もありそうだ。
なお、31社を売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる(並びはコード順)。
増収増益…コーエーテクモHD<3635>、ボルテージ<3639>、エイチーム<3662>、モブキャストHD<3664>、enish<3667>、ガンホー<3765>、ドリコム<3793>、カヤック<3904>、モバイルファクトリー<3912>、イマジニア<4644>、セガサミーHD<6460>、バンダイナムコHD<7832>、マーベラス<7844>、コナミHD<9766>
増収減益…オルトプラス<3672>、ブシロード<7803>、カプコン<9697>
減収増益…バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>、スクエニHD<9684>
減収減益…ミクシィ<2121>、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、グリー<3632>、KLab<3656>、コロプラ<3668>、アエリア<3758>、ケイブ<3760>、gumi<3903>、Aiming<3911>、アカツキ<3932>、サイバーエージェント<4751>、ギークス<7060>
その一方、イギリスなど海外でワクチン接種が開始されるなど、感染収束に向けた動きも進み、中期的な経済回復への期待が膨らんだ時期でもあった。
さて、今回も前回に続き、テーマごとに少し切り分けた形とし、この記事では10~12月期の決算シーズンの主要モバイルゲーム企業の決算の概略をまとめてみたい。これまでの記事とデータの連続性も踏まえ、gumi<3903>とエイチーム<3662>、ブシロード<7803>の決算は8~10月期の数字を使用している。また、これまでと同様にネクソン<3659>はモバイル事業の売上高も掲載し、サイバーエージェント<4751>(表中はCA)は、ゲーム事業の数字のみを取り上げている。
そして、Zホールディングス<4689>との経営統合に向けて、上場廃止となったLINEは、決算数字が揃わないため、今回の集計データからは除外する形となっている。その一方、東京通信<7359>やcoly<4175>、アピリッツ<4174>が直近で上場を果たしているが、これらは前四半期比較など決算数字が揃い次第、集計データに加えていく予定だ。
■テレワーク対応やオフィスの縮小・集約など事業体制の再編が進む
この10~12月期は、引き続き「withコロナ」の状況の中で、ゲーム関連企業のテレワーク対応やオフィスの縮小・集約など事業体制の再編を進める動きが続いた。
例えばenish<3667>は、昨年6月に六本木ヒルズからラピロス六本木に移転したばかりだったが、六本木電気ビルに4月1日付で再移転を行うことを決定した。テレワーク制度の導入・浸透により、より小さなオフィスで対応することが可能と判断したためだという。こうした事業体制の再構築の動きは、今後も色々と浮上してくることになりそうだ。
ただ、こうした動きによる効果が業績面に表れてくるのは、費用負担などを踏まえるともう少し先になるものが多いのではないだろうか。
なお、この四半期決算では、31社中の17社が増収、14社減収と増収の企業が多かった。クリスマス商戦期ということで大手ゲーム株の売上の好調さが目立ったほか、『天穂のサクナヒメ』が大ヒットしたマーベラス<7844>、『パズドラ』の「鬼滅の刃」とのコラボが奏功したガンホー<3765>なども大幅な増収を達成している。
一方、営業利益については、16社が増益(赤字幅の縮小を含む)、15社が減益となっているが、赤字企業数が前四半期(7~9月期)の4社から7社に増加している。引き続きテレワーク移行やオフィス縮小などの費用負担が出ているものと思われるが、KLab<3656>の赤字転落など、感染拡大が必ずしも巣ごもり需要としてゲーム株に働いているわけではない部分もありそうだ。
なお、31社を売上高と営業利益の増減別に分けると、以下のようになる(並びはコード順)。
増収増益…コーエーテクモHD<3635>、ボルテージ<3639>、エイチーム<3662>、モブキャストHD<3664>、enish<3667>、ガンホー<3765>、ドリコム<3793>、カヤック<3904>、モバイルファクトリー<3912>、イマジニア<4644>、セガサミーHD<6460>、バンダイナムコHD<7832>、マーベラス<7844>、コナミHD<9766>
増収減益…オルトプラス<3672>、ブシロード<7803>、カプコン<9697>
減収増益…バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>、スクエニHD<9684>
減収減益…ミクシィ<2121>、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、グリー<3632>、KLab<3656>、コロプラ<3668>、アエリア<3758>、ケイブ<3760>、gumi<3903>、Aiming<3911>、アカツキ<3932>、サイバーエージェント<4751>、ギークス<7060>
会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844