神戸新聞、5月中間期の最終利益は105%増の9.6億円 値上げも部数減で減収、デジタルも苦戦 前年特損なくなり大幅増益に

神戸新聞の2021年11月期の5月中間期の連結決算は、売上高が199億9000万円(前年同期比3.7%減)、営業利益が14億4100万円(同0.1%減)、経常利益が15億3000万円(同8.1%増)、純利益が9億6300万円(同105.4%増)と減収・増益となった。

今年4月に26年ぶりに販売定価を改定したが、改定による増収を部数の落ち込みが上回り、個別決算での売上高は大幅な減収になった。先行社と比べ一年遅れで定価を上げたため、神戸新聞の朝刊部数の落ち幅は全国平均を上回った。

成長が続いていたデジタル収入は昨年の巣ごもり特需がなくなり2017年以来、4年ぶりに前年を下回った。ここ数年の紙のメディアの落ち込みをデジタルメディアで補う形が崩れた。

ただし費用面では部数と広告頁の減少で材料費が、コロナ禍による移動規制で出張費が減るなど、利益面では落ち込みを最小限にとどめている。

連結決算では、昨年と比べ連結11社中8社が増収になり、減収額を圧縮。原価、販管費ともに削減した結果、営業利益はほぼ昨年並みの数字になり、経常利益は、雇用調整助成金などの営業外収益が増えたことで増益に転じた。

なお、最終利益については、昨年発生した特別損失がなくなった反動で大幅な増益となった。

セグメントごとの経営成績は次のとおり。

(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業では、売上高は158億9400万円(同5.4%減)となった。また、営業利益は6億5900万円(同21.4%減)となった。

(放送業)
放送業では、売上高は27億0700万円(同5.5%増)となった。また、営業利益は3億6300万円(同144.8%増)となった。

(貸室業)
貸室業では、売上高は13億1200万円(同0.5%増)となった。また、営業利益は4億3000万円(同7.8%減)となった。

(その他の事業)
その他の事業では、売上高は7500万円(同12.2%減)となった。また、営業損失は1400万円(同9.2%増)となった。