【決算レポート】コナミHD、9月中間の事業利益は1.5倍と好調な着地 新型コロナの影響を受けたAM関連とカジノ、スポーツ復調 主力のゲームも拡大続く
コナミホールディングス<9766>の9月中間期の連結決算は、売上高1394億8600万円(前年同期比20.2%増)、事業利益386億3900万円(同50.2%増)、営業利益391億1000万円(同83.0%増)、最終利益275億5800万円(同99.8%増)と大幅増益となった。主力のデジタルエンタテインメント事業が引き続き伸びたことに加えて、新型コロナの影響を受けたアミューズメント事業、ゲーミング&システム事業、スポーツ事業の復調したことが主な要因だ。
・売上高:1394億8600万円(同20.2%増)
・事業利益:386億3900万円(同50.2%増)
・営業利益:391億1000万円(同83.0%増)
・最終利益:275億5800万円(同99.8%増)
■デジタルエンタテインメント事業
・売上高:986億3200万円(同11.7%増)
・事業利益:358億4800万円(同15.4%増)
2ケタの増収増益となった。モバイルゲームでは侍ジャパンの選手を獲得できる施策などを実施した「プロ野球スピリッツA」が好調に推移したほか、「eFootballウイニングイレブン 2021」(海外名「eFootball PES 2021」)が世界累計4.5億ダウンロードを突破した。
トレーディングカードゲームでは「遊戯王トレーディングカードゲーム」のグローバル展開を継続し、コロナ禍であっても厚い支持を獲得し、好調を維持したという。
家庭用ゲームについては、「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」と「遊戯王ラッシュデュエル 最強バトルロイヤル!!」を発売したほか、基本プレー無料で新ブランドとして展開する「eFootball 2022」の配信を開始した。
このほか、eスポーツの取り組みとしては「遊戯王 デュエルリンクス」のオンライン世界大会る「KCグランドトーナメント2021」の決勝ステージ、モバイルゲーム「eFootball ウイニングイレブン 2021」では「明治安田生命eJリーグ ウイニングイレブン 2021シーズン」の決勝大会、「eBASEBALLパワフルプロ野球2020」では「eオールスター2021」などを実施した。
■アミューズメント事業
・売上高:99億5900万円(同51.2%増)
・事業利益:16億9400万円(同470.3%増)
大幅増収・黒字転換を達成した。業界で最も早く新基準に適合した「マジカルハロウィン」シリーズの最新機種「マジカルハロウィン~Trick or Treat!~」が好調な受注を獲得した。こちらは第2四半期より稼働を開始したとのこと。
また、「BEMANI」シリーズなどのタイトルにおいてオンラインによるイベントを多数開催し、市場の回復に繋がる取り組みを推進した。
アーケードゲームをクラウドゲーミング技術によりPC・スマートフォン向けにストリーミング配信するサービス「コナステ(KONAMI AMUSEMENT GAME STATION)」において、 「カラコロッタ コナステ」をはじめとした人気タイトルの配信を開始した。
なお、アミューズメント市場では、新型コロナの世界的な拡大によるアミューズメント施設の臨時休業に伴い機器販売、レベニューシェアへの影響が続いている。
国内のアミューズメント施設では、昨年の緊急事態宣言及び都道府県の休業要請が解除された後、営業が再開され、来場者は回復傾向にあるが、緊急事態宣言が再発出されたことによる影響があった。海外では依然として市場の回復には時間を要する見通し。
■ゲーミング&システム事業)
・売上高:122億7400万円(同71.7%増)
・事業利益:18億2700万円(前年同期は12億3600万円の損失)
大幅増収・黒字転換を達成した。「DIMENSION 49」などのスロットマシンが高稼働を記録した。カジノマネジメントシステム「SYNKROS」のカジノ施設への納入が進み、ラスベガスで開業した大型IR施設Resorts World Las Vegasを含む複数の案件が第2四半期の収益へ貢献した。
なお、ゲーミング市場では、北米では新型コロナのワクチン接種が進み、カジノ施設への入場制限の緩和が進んでいる。米国では全土で経済規制が概ね解除され、活気を取り戻しつつある。依然として予断を許さない国や地域もあるが、市場は徐々に回復している。
■スポーツ事業
・売上高:199億4200万円(同31.9%増)
・事業利益:5億5000万円(同29億9300万円の損失)
大幅増収・黒字転換を達成した。新型コロナの感染拡大の影響を受けて入るものの、休業要請の解除や不採算店舗の撤退などによるコスト構造の変革を進めたことなど受けて収益は改善傾向にある。引き続きコスト構造の変革に取り組んでおり、16店舗の営業を終了した。
「コナミスポーツ オンラインフィットネス」を会員以外の一般向けにも展開し、人気インストラクターのプログラムなどをライブレッスンとオンデマンド動画で提供を開始した。
また、学校が抱える部活動指導に関する様々な課題などを解決し地域スポーツクラブの新たな可能性を検証する提案が経済産業省の「未来の教室」実証事業に採択された。
なお、2022年3月通期の業績予想は未定。現時点で業績見通しを合理的に算定することが困難であるため、としている。新型コロナの感染拡大に伴い、緊急事態宣言やワクチン接種の進展などで業績が左右されるため、現在の不透明な状況が続いているという。
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766