【決算レポート】東映アニメ、9月中間は過去最高の売上・利益を達成 高採算の国内外向け版権ビジネスと配信権販売が好調

木村英彦 編集長
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東映アニメーション<4816>の9月中間期の連結決算は、売上高297億4000万円(前年同期比21.6%増)、営業利益111億3800万円(同48.6%増)、経常利益110億8200万円(同45.0%増)、最終利益81億4400万円(同45.4%増)と大幅増収増益達成した。売上、利益はいずれも上期としては過去最高となった。

・売上高:297億4000万円(同21.6%増)
・営業利益:111億3800万円(同48.6%増)
・経常利益:110億8200万円(同45.0%増)
・最終利益:81億4400万円(同45.4%増)

 

同社では、中国向け大口配信権販売の一括計上や、複数アプリゲームのMG(最低保証金)計上など下期に予定していた高収益事業の売上が上期に前倒しで形状になったため、としている。また映像配信事業や海外での商品化権・ゲーム化権販売も好調に推移したという。

 

①映像製作・販売事業
売上高117億8300万円(同24.0%増)、セグメント利益46億1300万円(同78.9%増)と大幅な増益となった。売上の大半を占め、採算性も高い海外での映像配信権が伸びたほか、国内向けの配信権の販売も伸びた。

劇場アニメ部門は売上高:1億1700万円(同67.8%減)だった。3月に「映画ヒーリングっど ♥ プリキュア」、6月に「ジャーニー」、8月に「東映まんがまつり」を公開した。新型コロナウイルス感染拡大による影響や、前年同期に「美少女戦士セーラームーンEternal」など複数作品の製作収入を計上した反動減から、大幅な減収となった。

テレビアニメ部門は、売上高17億4800万円(同84.6%増)だった。「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「トロピカル~ジュ!プリキュア」「ワンピース」「デジモンアドベンチャー:」「おしりたんてい」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」の6作品を放映した。放映本数が増えたことなどにより、前年同期と比較して大幅な増収となった。

コンテンツ部門は、2億1400万円(同27.9%減)だった。前年同期好調に稼働した劇場版「ONE PIECE STAMPEDE」のブルーレイ・DVDの反動減により、大幅な減収となった。

海外映像部門は、77億7100万円(同17.8%増)だった。これまで分割計上されていた中国向け大口映像配信権売上の大部分が一括計上となったことから、大幅な増収となった。

その他部門では、19億3200万円(同49.3%増)だった。国内の映像配信権販売が好調に稼働したことから、大幅な増収となった。

 ②版権事業
売上高167億3300万円(同21.2%増)、セグメント利益83億7700万円(同24.1%増)と増収増益だった。

国内版権部門は、売上高59億9400万円(同10.6%減)だった。「ワンピース」などの商品化権販売が好調に稼働したものの、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が前年同期の勢いには至らなかったことから、大幅な減収となった。

海外版権部門は、売上高:107億3900万円(同51.1%増)と大幅増収だった。「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売や「スラムダンク」のアプリゲームに加え、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権販売が好調に稼働した。

 

③商品販売事業
売上高9億7800万円(同3.4%増)、セグメント損益1億800万円の赤字(前年同期1億6300万円の赤字)と増収・赤字幅縮小撮った。商品販売部門は、中国において電子取引を中心とした商品販売が好調に推移した。

④その他事業
売上高2億7900万円(同21.8%増)、セグメント損益1億5700万円の赤字(前年同期7200万円の赤字)と増収・赤字幅拡大となった。催事イベントやキャラクターショーなどを展開した。「プリキュア」シリーズの催事が健闘し大幅な増収となったが、新型コロナウイルスの影響の長期化による複数の催事イベントの規模縮小により、全体の収益性は低下した。

 

■2022年3月通期の見通し
続く2022年3月通期の業績については、売上高510億円(前期比1.2%減)、営業利益145億円(同6.5%減)、経常利益148億円(同7.7%減)、最終利益102億円(同7.8%減)を見込む。

・売上高:510億円(同1.2%減)
・営業利益:145億円(同6.5%減)
・経常利益:148億円(同7.7%減)
・最終利益:102億円(同7.8%減)

業績予想を上方修正した。利益率が高い海外版権事業で「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」、「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権販売が好調に推移したほか、国内配信権販売も好調なため。

 計画に対する進捗率は、売上高58.3%、営業利益76.8%、経常利益74.9%、最終利益79.8%となっている。

・売上高:58.3%
・営業利益:76.8%
・経常利益:74.9%
・最終利益:79.8%

東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高671億1700万円、営業利益177億7200万円、経常利益203億円、最終利益145億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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