IGポート、11月中間決算は営業益31%減の5億2300万円 アニメ制作が赤字、版権事業も減益に 電子書籍好調を受けて通期予想を上方修正

IGポート<3791>は、この日(1月14日)、2022年5月期の11月中間連結決算を発表し、売上高55億8800万円(-)、営業利益5億2300万円(前年同期比31.5%減)、経常利益5億1100万円(同34.9%減)、最終利益3億5100万円(同38.8%減)と大幅減益となった。「収益認識に関する会計基準」を適用したため、売上高の前年同期の比較はないとのこと。電子書籍を中心に出版事業が大きく伸びたものの、アニメ制作が赤字となったほか、版権事業も減価償却の増加が響いた。

・売上高:55億8800万円(同8.6%増)
・営業利益:5億2300万円(同31.5%減)
・経常利益:5億1100万円(同34.9%減)
・最終利益:3億5100万円(同38.8%減)

① 映像制作事業
売上高は27億5900万円、営業損失は8100万円(前年同期は2億1000万円の営業利益)となった。テレビアニメ「王様ランキング」「プラチナエンド」等、配信用アニメ「スター・ウォーズ:ビジョンズ」、その他CM用・遊技機用のアニメーションを納品した。一部の作品については、制作期間の長期化やクオリティーの重視等により制作赤字となっているが、制作予算策定における精度の向上と予算に合った受注額の交渉により、営業利益は改善傾向にある。

② 出版事業
売上高は13億5600万円(同47.5%増)、営業利益は3億6600万円(同129.5%増)となった。月刊誌「コミックガーデン」、コミックス「魔法使いの嫁16巻」「リィンカーネーションの花弁14巻」「魔道具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~4巻」など、定期月刊誌6点、並びに新刊コミックス・書籍55点を刊行した。また、既刊コミックスの「リィンカーネーションの花弁」「魔道具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts NoMore~」は、特に販売好調であった。電子書籍売上が前年対比70.0%増で推移しており全体売上の60%を占める金額となっている。

③ 版権事業
売上高は13億5700万円(同9.1%増)、営業利益は3億3000万円(同28.1%減)となった。版権事業では、「海賊王女」「進撃の巨人」「GREAT PRETENDER」「ハイキュー!!」「攻殻機動隊」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上した。大型作品の公開や放映などにより、前年同期と比較し映像マスター及びコンテンツ資産の減価償却費が増加した。

④ その他事業
その他事業では、雑誌のイラスト描きやキャラクターの商品販売、アプリ等により、当事業の売上高は1億1300万円(同3.7%減)、営業損失は4200万円(同600万円の営業損失)となった。


■2022年5月通期の業績予想を上方修正
同時に、2022年5月通期の連結業績予想の上方修正を行い、売上高118億7800万円(前回予想108億円)、営業利益3億7400万円(同1億0300万円)、経常利益3億6200万円(同1億3500万円)、最終利益1億2700万円(同3200万円の損失)と売上高を引き上げ各利益項目をそれぞれ引き上げた。

・売上高:118億7800万円(前回予想108億円)
・営業利益:3億7400万円(同1億0300万円)
・経常利益:3億6200万円(同1億3500万円)
・最終利益:1億2700万円(同3200万円の損失)

利益面ついては、出版事業(電子書籍)の売上が増加したため、としている。ただ、下期の版権事業での売上の一部が来期になったことや、自社コンテンツの減価償却費が増えるため、利益については中間期の実績を下回る見通し。

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