【インタビュー】積極採用中のAiming …ハイエンドやオリジナル開発にも挑戦していく「Team Caravan」が目指すゲーム開発とは

株式会社Aiming第二事業部(通称:Team Caravan)は、ゲーム関連事業の人材を積極的に募集している。同社では、2021年より事業部制を導入し、人員を拡大させている。

Team Caravanでは、スマートフォンで本格的なRPGが楽しめる『CARAVANSTORIES』や『剣と魔法のログレス いにしえの女神』などを取り扱っているが、このスタジオが目指しているものはどういったものになるか。

今回、Team Caravanを取り仕切る髙屋敷哲氏にインタビューを行い、 同スタジオの特徴や目指しているもの、そして求めている人物像について話を聞いてみた。 




多様な開発者が集まったクリエイター集団「Team Caravan」

――:髙屋敷氏とは以前に『CARAVANSTORIES』リリース前にお話(関連記事)をお聞かせいただきましたが、改めて「Team Caravan」について、どういったチームかをお聞かせいただけますか。

Team Caravanは、『CARAVANSTORIES』シリーズ、『剣と魔法のログレス』などのオリジナル作品の運営開発の他にも複数のアニメIP作品も手がけています。

「無職転生」や、既に弊社が開発をしていると公表しているTVアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」シリーズの新作ゲームはTeam Caravanにて開発しています。


【関連記事】KLab、アニメ「ダンまち」の新規オンラインゲームの開発および日本を含む全世界配信を発表 Aimingと提携して開発

 Team Caravanだけでも200人以上、台湾のアートスタジオをあわせると300人以上の規模で対応しています。

 
――:結構な規模のスタジオになりますね。

気がつけば大きくなっていましたね(笑)。

ですから、Team Caravanは、『CARAVANSTORIES』とは別の”キャラバン”として考えています。仲間達と乗り合ったクリエイターの一団のような存在です。

今でも、多くの外部企業さんにご協力をお願いしていて、その辺も含めて、みんなでゲーム業界っていうフィールドを歩んでいこう、というニュアンスで付けた経緯になります。

 
――:Team Caravanの特徴としては、どういったスタジオチームだとお考えでしょうか。

規模が大きいので、一つのカラーにはなってないと思います(笑)。個人的に考えている大きな特徴は、できる限り、やりたいことや希望することをやってもらいたいと考えています。
 

――:チーム体制としてもかなり柔軟に編成しているのでしょうか。

 Team Caravanでは運営半分開発半分みたいな形で運用している状況もあり、運営プロジェクトが繁忙期ともなれば、みんなでワーっと解決して、忙しくなくなったら平常事態に戻る、といったようなかなり柔軟でフレキシブルな体制を実現しています。

 
――:なぜそういった体制にしているのでしょうか。

3、4年と同じことやっていると、どう考えても飽きると思うんです。もちろん、飽きずにやれる人や長期運営タイトルでも外せない人も出てくるとは思います。いわゆる生き字引というか秘伝のタレみたいな人です。

とはいえ、やっぱり新しいこともしないと、その人自身の成長っていうのも停滞してしまう一面もあります。

できる限り一定期間ごとにワークのサイクルはさせていきたいと考えているので、相談しながら対応していますね。


――:他のゲーム会社でも、一度運営が軌道に乗ってしまうと、ずっとそれをやらざるを得ない状況はクリエイターとしてのキャリアを考えたら良くないのではとは聞きますね。

加えて、僕自身の考えとしてはゲーム業界自体がちょっと良くない方向に進みつつあるかなと思っています。

というのも、ある程度市場や環境が整ってきたので、若い人が上を目指す境遇や機会がなくなってきているかのように思えます。

かつてのようなブラックな環境を賛美する訳ではないですが、開発環境が大きく変わってきた中で、成長するチャンスも少なくなってしまったのかなと。

引いては、ゲーム開発におけるクオリティや多様性が落ち込んでしまう事態になるのかなと感じます。

他のエンタメや製造業界でも言われてきたことでもありますし、僕自身も感じる部分はあるので、できる限り可能性ややる気がある人にはチャレンジできる仕事を任せていきたいと考えています。

任せっきりとかではなく、あくまでチャンスを与える機会や場を用意するというスタンスです。


――:Team Caravanとして、ゲーム作りにおいては何か意識していることや大事にしていることはどういったものになりますでしょうか。

まず、『CARAVANSTORIES』自体がいろんな評価があると思うんですけど、アートのルックスに対しての評価がすごく高かった作品だと思っています。

僕自身も、キャリアのスタートは絵描きだったので、比較対象と比べたときに明らかに劣るものでは絶対困るので、その点は意識して制作しています。

さらに、今のスマートフォンゲーム市場では、大きく差がない作品が多くなってきたと思います。

その中でも、ゲームとしてもしっかり遊べるものを作れるように意識しています。

ゲームの本質というのはシステムや見た目が変わっているから面白いのではなく、しっかりとレベルデザインなどに時間を割いて、適正なサービス形態に整えてプレイできることだと思います。

ですから、Team Caravanでは特殊なQA組織を構築しています。デバックの一部としてのQAではなくて、企画寄りのQA組織としてゲームそのものの品質管理も上げられるようにしています。


――:本当に文字通りのクオリティーエンハンスをゲームとして引き上げるよう専門部隊も用意しているんですね。

はい。開発のかなり早いタイミングから参加するようにしています。
 

貪欲にチャレンジし、ハイエンドなゲームを開発していく

 ――:ちなみに、髙屋敷さんから見て、昨今のゲーム業界の動向はどのようにみていますか。

作っていくゲームの規模や質というものがとんでもないレベルでインフレしていっている状況だと思っています。

一桁億円単位のプロジェクトはほぼうまくいっていないよねっていうのが、どのゲーム会社も感じているところなのかなと。

そして、韓国や中国からも、ゲーム開発においては追い越されて突っ走られている状況で、日本も何とか追い付け追い越せみたいな状況になってしまったという実感です。

海外から展開されるタイトルは、基本的には海外である程度実績があるものが日本国内でも展開されるじゃないですか。

それらと僕らは勝負しなければいけません。海外の人たちが作った質のいいゲームと戦って勝っていけるようなもの作っていかなければならないと、危機感として持ちながらみんなと作っていますね。

――:ですから、先ほどQA組織に力を入れていった経緯にもつながるのですね。

今はインフレが激しいスマホゲーム市場なので、そこで勝てる作品作りを死に物狂いでやっています。

その中でも、いつかは全くオリジナルなゲームを作りたいなとは考えていますね。




――:オリジナルタイトルも進めているのでしょうか。

小さい規模も含めて進めさせてもらっています。この市場だと、中途半端なことをしてもどうしようもない状況だと思いますが、それでもオリジナル作品を開発する道筋は消してはいけないと考えています。

ですから、今は規模に関わらず取り組んで、いつかは大きなプロジェクトとして開発していこうと考えています。

――:今後はチームをどのようにしていきたいと考えていますか。

今後は、コンシューマーで出してくるゲームのクオリティを開発していけるようにしていきたいですね。

PlayStation5の登場もあって、UnrealEngineもかなり進歩しています。そこに向けての研究開発みたいなことも、若干でもありながら進めています。




フォトリアルな方法やアニメセル調のゲーム作り両面で力入れています。最終的にはコンシューマータイトルに匹敵するクオリティを実現させて、そこに面白いゲームシステムを加えて提供できるようなチームにしたいですね。

Aimingは兼ねてからゲームとして高品質な作品を提供できる会社でありたいと考えています。海外の企業さんで言うと、アクティビジョン・ブリザード社みたいな存在でしょうか。

そのためにも、様々な能力がある人と、可能性を感じて一緒に作っていくような体制にしていきたいと思っています。


――:実際に、Aimingに入社した際はどういった形でジョインするのでしょうか。

経験のある人は比較的新しいプロジェクトにアサインすると思います。経験がまだまだこれからといった場合は、既存のプロジェクトに入ってもらい、Team Caravanのやり方や技術を吸収して、新しいことにチャレンジしてもらう形になります。

―:基本的には新しいプロジェクトに加わるんですね。ちなみに一緒に働く方で、マインド面でこういうのを大事にしているとか、そういうのを見ているとかはあるのでしょうか。

当社代表の考えですが、当事者意識を持って取り組めるようにしようとはよくスタッフに伝えています。

自分が参加しているプロジェクトのサービスを知らないというのは残念な経験だと思うんですよね。もっと積極的にやることによっていろいろ見えてくることもあるので、そういった目線は持つようにしようとチーム内ではよく話しています。
 

――:会社としても支援している分はあるのでしょうか。

まずTeam caravanでは、社内情報を相当見せる体質かなと思います。開発以外の部分も含めて色んな部署がありますが、普段、普通の開発スタッフでは耳にできないような情報を伝えるようにしていたり、あとは全てのプロジェクトの指標や運営計画も共有するようにしています。

好きなことやっていいよと言っても、情報がなければ判断のしようもないじゃないですか。

ですから、ゲームシステムの紹介やプロジェクトの組成の仕方もみんなにできる限り伝えておくことにマイナスはないかなと思っています。

このプロジェクトはこういう過程を経て正式承認され、開発室に出ますみたいな話もしてみたりとかも過去にはあります。


――:挑戦したい人にとっては、会社からも色々と支援できる環境があるんですね。

もちろん、自分から手を挙げる人は中々いないと思います。それでも、Team Caravanとして唱え続けていき、チームのみんなが好きなことやチャレンジをし続けている組織にしたいですね。

近々の目標は、『CARAVANSTORIES』以上のオリジナル作品の展開、現状の活動をそういった次なるプロジェクトに結び付けていくっていうのが重要な目標にはなると考えています。

チーム全体にも、技術的な練度を上げて、AAAタイトルを作れるようになるために、みんなと一緒に頑張っています。



――:最後に読者に向けて一言お願いします。

面接などで外部の方とお会いする時にもよく話すのですが、自分で何かやることや生き方を考えたいという人だったら、Team Caravanはすごくやりがいがある環境ではないかなと思います。

悪い言い方をすると、好きなようにやらせているという部分もあるかもしれませんが、基本的には皆のやりたいことを尊重したいと思っています。

貪欲に組織としての拡大も考えていますし、組織だけじゃなくて事業やゲームの方向性についても、よくあるスマホゲームをだけではなく、チャレンジングに作っているものや考えもあるので、何か思いがある人がいれば、ぜひAiming、Team Caravanのドアをノックしてほしいなと思います。




――:ありがとうございました。