バンナムHD、第3四半期決算は営業利益26.4%増の921億円 ゲーム減益もトイホビー拡大続く 映像音楽やゲーセン関連事業も収益回復

バンダイナムコホールディングス<7832>は、この日(2月8日)、2022年3月期の第3四半期累計(21年4~12月)の連結決算を発表し、売上高6283億1100万円(前年同期比15.6%増)、営業利益921億5300万円(同26.4%増)、経常利益955億5800万円(同27.2%増)、最終利益617億0300万円(同21.9%増)、EPS280.85円だった。

・売上高:6283億1100万円(同15.6%増)
・営業利益:921億5300万円(同26.4%増)
・経常利益:955億5800万円(同27.2%増)
・最終利益:617億0300万円(同21.9%増)
・EPS:280.85円

増収増益となったが、ゲーム事業が先行投資が発生して減益となったものの、トイホビー事業が引き続き伸びたほか、映像音楽やアミューズメント事業など前年同期に苦戦したセグメントが回復を見せたことが主な要因だった。

セグメントごとの経営成績は、次のとおり。

[デジタル事業]
売上高は2423億2100万円(同4.6%減)、セグメント利益は376億3300万円(同20.5%減)となった。家庭用ゲームにおいて「テイルズ オブ アライズ」等の新作タイトルの販売が好調だったほか、既存タイトルのリピート販売がユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。また、ネットワークコンテンツにおいては、主力タイトルが安定的に推移したものの、好調だった前年同期には及ばなかった。なお、前年同期と比較し新規大型タイトルの投入が増えたため、開発費等の初期費用が先行した。

[トイホビー事業]
トイホビー事業における売上高は2859億5700万円(同27.3%増)、セグメント利益は507億6500万円(同40.2%増)となった。「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、ロト等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティングや、海外における展開拡大により好調に推移した。また、前年同期にアミューズメント施設の休業により影響を受けたプライズ等の商品販売が回復した。さらに、国内においては、定番IPや新規IPを活用した玩具に加え、海外向けのトレーディングカード、菓子やカプセルトイ等の玩具周辺商材が人気となった。

[映像音楽事業]
売上高は352億9200万円(同67.2%増)、セグメント利益は35億1900万円(同449.6%増)となった。「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売を行ったほか、IP関連のライセンス収入が業績に貢献した。また、ライブイベントにおいては、配信や新技術の活用等の環境変化に対応した新たな形のライブイベントへの取組みを進めたこと等により、前年同期に比べ開催回数が増加した。

[クリエイション事業]
クリエイション事業における売上高は245億0300万円(同50.3%増)、セグメント利益は16億1200万円(同39.4%減)となった。「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の新作映像作品の制作収入が増加したが、コスト先行のビジネスモデルのため利益への貢献は限定的となった。また、ガンダムの人気拡大等に伴いライセンス収入が好調だったが、IPの情報発信を行う「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。

[アミューズメント事業]
売上高は613億9500万円(同44.4%増)、セグメント利益は43億3300万円(前年同期は97億4300万円のセグメント損失)となった。新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が120.7%となり回復の兆しが見えたほか、欧州やアジアのアミューズメント施設についても回復した。アミューズメント事業においては、今後も効率化に加え、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進し収益基盤の強化を目指す。

[その他事業]
売上高は210億0200万円(同14.9%増)、セグメント利益は8億2200万円(同4.0%減)となった。グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。

■2022年3月通期の見通し
続く2022年3月通期の業績については、売上高8100億円(前期比9.3%増)、営業利益960億円(同13.4%増)、経常利益990億円(同13.0%増)、最終利益670億円(同37.0%増)、EPS304.96円を見込む。

・売上高:8100億円(同9.3%増)
・営業利益:960億円(同13.4%増)
・経常利益:990億円(同13.0%増)
・最終利益:670億円(同37.0%増)
・EPS:304.96円

計画に対する進捗率は、売上高77.6%、営業利益96.0%、経常利益96.5%、最終利益92.1%となっている。

・売上高:77.6%
・営業利益:96.0%
・経常利益:96.5%
・最終利益:92.1%

株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高9900億8900万円、営業利益1164億7200万円、経常利益1280億0600万円、最終利益903億4500万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
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