モブキャストHD、21年12月期決算は3.7億円の営業赤字を計上 主要タイトルが予想下回り下ブレ着地に 『幽☆遊☆白書 GENKAIバトル魂』は減損を計上

  • モブキャストホールディングス<3664>は、2月14日、2021年12月期の連結決算を発表、モバイルゲーム事業で主要数タイトルの売上が予想を下回ったことに加え、キッチン雑貨事業で商品開発・生産のビジネスモデルを変更したことにより、製造改革と販路改革に関する一時的な構造改革費用が想定を上回ったことで、第3四半期決算発表時の売上高と営業損益の修正予想を下回って着地した。

    売上高46億5000万円→45億3700万円(増減率2.4%減、前々期比31.9%減)
    営業損益2億7000万円の赤字→3億7300万円の赤字(前年同期6億1800万円の赤字)
    経常損益3億9800万円の赤字(同8億1600万円の赤字)
    最終損益10億1300万円の赤字(同7億2100万円の赤字)

    なお、最終赤字が大きく膨らんでいるのは、特別損失として、個人情報漏えいに関わる関連費用「情報セキュリティ対策費」4500万円の計上に加え、『幽☆遊☆白書 GENKAIバトル魂(スピリッツ)』やモバイルゲーム事業とキッチン雑貨事業で計上されているのれんの減損損失6億9500万円を計上したことも大きく影響している。

    各セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①モバイルゲーム事業…売上高17億4700万円(前々期比40.3%減)、営業利益9400万円(前々期2100万円の赤字)
    売上は、『転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記~』は、2021年10月に競合となる同タイトルの新ゲームの配信が開始されたことにより11・12月は影響を受けたものの、年間を通じては、TVアニメ放映に伴う各種連動施策の実施により前年度実績を大幅に上回った。

    加えて、プロ野球最強オーダー編成バトル『モバプロ』の売上は年間を通じて堅調に推移し、新たに配信を開始した『盾の勇者の成り上がり~RERISE~』と『sin 七つの大罪 X-TASY』の2タイトルの売上も配信開始以降順調に推移した。

    ほか、ゲーム間コラボレーション企画などのプロデュース施策を複数件講じたほか、モバイルゲーム事業の体質改善を行い、引き続きコスト削減を推し進めたことで営業黒字に転換した。

    ②キッチン雑貨事業…売上高27億6700万円(同5.0%増)、営業損益7200万円の赤字(前々期1400万円の黒字)
    新型コロナウイルス感染症が拡大したことで、全国の百貨店などに出店している小売店舗の売上については、度重なる緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が発出されるなか、出店している百貨店の要請により、臨時休業・営業時間の短縮に応じたことによる来客数の減少にともない売上が伸び悩んだ。しかし、4度目の緊急事態宣言が解除された2021年10月以降は徐々に人出が増え、個人消費も持ち直しの兆しが見えたこと、また10月に「オータムファッションフェア」、12月に「ウィンターセール」を開催したこともあり、売上は回復基調となった。

    また、Eコマースは、各種販売促進活動を積極的に進めた。YouTube公式チャンネル「ごちそうさまチャンネル」の動画内で使用したアイテムおよび厳選した産地直送の食品を販売する「ごちそうさまチャンネル Officialオンラインショップ」での売上が年間を通じて堅調に推移し、11月にEC会員限定企画「ゆとりの空間の夫婦円満・家族で家事を楽しもう!ウィーク」を開催したことなどによりEコマース売上は順調に増加した。

    一方で昨年から取り組んできた中長期的な製品開発力向上と売上総利益率向上を実現するための一部製品カテゴリーのライセンス契約の改定が10月に実施され、一時的な構造改革費用を計上した。

    ■2022年12月期は増収、営業黒字転換を見込む
    なお、2022年12月期通期の連結業績予想は、売上高と営業利益のみを開示しており、以下のとおり。

    売上高54億円(前期比19.0%増)
    営業利益4400万円(前期3億7300万円の赤字)

株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
企業データを見る