【決算レポート】gumi、第3四半期は先行投資で4四半期連続の営業赤字 不採算タイトル撤退や受託強化で収益改善図る ゲーム大手と大規模BLCゲーム開発
gumi<3903>の第3四半期(2021年11月~2022年1月)の連結決算は、売上高55億4900万円(前四半期比12.7%増)、営業損失3億4800万円(前四半期は9億7600万円)、経常損失3億1700万円(同10億5200万円)、最終損失7億7000万円(同27億6500万円)と増収・赤字幅縮小となった。これで4四半期連続の営業損失の計上となる。
・売上高:55億4900万円(同12.7%増)
・営業損失:3億4800万円(同9億7600万円)
・経常損失:3億1700万円(同10億5200万円)
・最終損失:7億7000万円(同27億6500万円)
同社では、前四半期末にリリースした子会社グラムスの新作タイトル『ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫』が売上にフル寄与したものの、大型プロモーションの実施に伴い、広告宣伝費が21.6%増の7億6200万円と伸び、引き続き営業損失になった、としている。
気になるところとしては、今後どうやって収益を立て直していくか、だ。
まず、業績悪化の要因となったモバイルオンラインゲームについては、『ブレフロ』シリーズのクローズ決定など不採算タイトルからの撤退や、海外タイトルの運用人数の削減、国内タイトルの内製化などコスト最適化の取り組みを行なっていく。選択と集中で効率性を上げる。
その一方、子会社のエイリムが自社タイトルや協業タイトルだけでなく、受託案件得に注力することで、安定的な収益創出を図る。開発協力した『Voice of Cards できそこないの巫女』がスクウェア・エニックスより今年2月に発売されたほか、2本の受託案件を追加した。
これ以外にも、自社コンシューマーゲームの開発中断などパイプラインの厳選、早期配信が見込めるタイトルへのリソース集中も行っているそうだ。
また、新規事業についても収益化を図っていく。特にgCC1号ファンドが好調なパフォーマンスを見せており、2月末時点における同社への帰属分は100億円超となり、今後、随時回収を行っていく考えだ。
メタバースやブロックチェーンゲームにもより注力する。double jump.tokyoとともに、大手ゲーム会社と協業で数億円規模のブロックチェーンゲームの開発を本格始動したことを明らかにした。
先日のKLabの決算説明会で、ブロックチェーンゲームの開発規模は数千万円が多いとのコメントがあったが、それに比べるとかなり大きな開発規模という印象だ。有力タイトルを提供して先行者利益の獲得を狙う。
さらに有力IPを用いた新規ブロックチェーンゲーム開発のため、IPホルダーとの協業も行っているとのこと。
モバイルゲームについてはパイプラインの厳選などを行なうとしているが、ブロックチェーンゲームの積極的な展開を実施すべく組織体制をさらに強化する方針としている。
このほか、現在、MCHともブロックチェーン事業で協業を行い、NFTの企画販売やゲームの開発運営で協力していることも発表した。
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903