【決算レポート】サイバーエージェント、第2四半期の営業益は急拡大した前年並確保と好調 『ウマ娘』&『グラブル』周年良好 ネット広告伸び強調

木村英彦 編集長
/

サイバーエージェント<4751>の第2四半期(22年1月~3月)の連結決算は、売上高1911億0200万円(前年同期比16.9%増)、営業利益257億2300万円(同0.6%減)、経常利益258億7900万円(同0.9%減)、最終利益110億6300万円(同2.8%増)だった。前年同期は『ウマ娘プリティーダービー』がローンチした四半期だったが、それに匹敵する営業利益を達成した。

・売上高:1911億0200万円(同16.9%増)
・営業利益:257億2300万円(同0.6%減)
・経常利益:258億7900万円(同0.9%減)
・最終利益:110億6300万円(同2.8%増)

オンラインの決算説明会に臨んだ藤田晋社長は、「全体的に好調、順調な四半期だった。『ウマ娘』リリース後はブームとも言える活況で、反動減を懸念していたが、それを跳ね返すようなトップライン(売上)の伸びになった。営業利益も(第2四半期としては)過去2番目の規模となった」と満足気に振り返った。

 
■2022年9月通期予想も発表
同時に、非開示としていた2022年9月通期の業績予想も発表し、売上高7000億円(前期比5.0%増)、営業利益700億円(同32.9%減)、経常利益700億円(同33.1%減)、最終利益250億円(同39.8%減)とした。

・売上高:7000億円(同5.0%増)
・営業利益:700億円(同32.9%減)
・経常利益:700億円(同33.1%減)
・最終利益:250億円(同39.8%減)

 

「これまで業績見通しの開示を見合わせていたが、ようやく全体が見えてきた。『ウマ娘』の反動をこなしながら(他事業の伸びで吸収しながら)、ソフトランディングを目指す状況」(藤田社長)で、爆発的に売上・利益の伸びた局面から安定した収益拡大に移行させていく考えを示した。

計画に対する3月中間期までの進捗率は、売上高51.7%、営業利益65.0%、経常利益65.3%、最終利益68.6%となっており、利益については65%を超えている。保守的な予想にも見えるが、藤田氏は「確実に予想を達成したい」と述べるにとどめた。

・売上高:51.7%
・営業利益:65.0%
・経常利益:65.3%
・最終利益:68.6%

 

以下、セグメント別の状況を見ていこう。


■ゲーム事業
売上高が同7.9%増の690億円だった。「昨年、『ウマ娘』が大ヒットした後なのでハンドリングが難しい状況だった」(藤田晋社長)ものの、主力タイトルである『ウマ娘 プリティーダービー』と『グランブルーファンタジー』の周年イベントが貢献した、としている。

 

ただし、営業利益については、同7.8%減の213億円となった。主力タイトルで広告宣伝を戦略的に強化したことが響いた模様だ。

 

今後の新作については、藤田社長は、スクウェア・エニックスと子会社アプリボットが共同開発する『FINAL FANTASY VII EVER CRISIS』と、子会社サムザップが開発する『呪術廻戦 ファントムパレード』に期待を寄せた。

決算説明資料においては、2022年内にリリースする予定とした(※)。

 


■インターネット広告
売上高が同20.3%増の970億円、営業利益が同3.3%増の74億円と増収増益となった。藤田社長は「AIやDXへの先行投資をこなしながら、過去最高を更新した」とコメントした。

 

「当社の広告事業の強みは、技術力と運用力で広告効果を最大化することだ。当たり前のことをしっかりとできていることが長年にわたって安定した成長を維持できる要因だ」。

現在、先行投資領域として注力するのは、小売流通企業等の広告事業を創出する「協業DX」だ。ANAやヤマダ電機、NTTコミュニケーションズなど大手企業とのアライアンスが決まっており、今後の収益源として成長することが期待されるとした。

 
■メディア事業
売上高が同37.9%増の273億円、営業損失が19億円(前年同期は34億円の損失計上)と大幅増収・赤字幅縮小となった。広告と課金売上、周辺事業とバランスよく売上が伸びている。藤田晋社長は、「収益化局面に入っていないため、今後も先行投資を続けていく」と述べたが、利用者数、売上ともに着実の伸ばせていると評価した。

 

ABEMAのWAU(週次アクティブユーザー数)についても1100万人を安定して超えるなどコロナ禍で伸びた2020年の水準を維持した。「大きなイベントがあったわけではなかったが、高い水準を維持できている」(藤田晋社長)という。配信番組では、アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』や、オリジナルドラマ『私たち結婚しました2』、宮城県・福島県の地震に関するニュース番組が多く視聴されたそうだ。

 

今後の取組として、昨年から生中継を行いABEMAの成長を支えた米国メジャーリーグベースボール(MLB)は今年も配信する。4月から開幕したが、昨シーズン比で1.7倍と好調な滑り出しとなっているという。また、那須川天心選手と武尊選手の格闘技界のドリームマッチをPPVで完全生中継を6月19日に行う。こちらは課金売上にプラスに働きそうだ。

 

各所で注目を集めたが、FIFAサッカーワールドカップの無料中継も行う。「サッカーワールドカップは世界一のコンテンツであり、ABEMAの知名度アップと飛躍につなげていきたい。中継の画質をBSを見るくらいの画質に引き上げるだけでなく、マルチアングル、見逃し配信、安定した視聴など最高の視聴体験を提供したい。ABEMAを見ていただいた方に素晴らしいものと理解してもらえるようにしたい」。

 

このほか、「Nintendo Switch」に続いて、「Amazon Fire TV」シリーズのリモコンにABEMAボタンの搭載も行った。リーチが増えることが期待される。藤田氏によると、現在発売されているほとんどのテレビのリモコンにABEMAのボタンが入っているとのことで、ABEMAの利用者拡大が期待されるところである。

 

なお、売上の中で特に伸びが目立っているのは公営ギャンブルのネット投票「WINTICKET(ウインチケット)」だ。ABEMAで競輪チャンネルを放送しており、連動して売上を伸ばしているという。競輪の市場規模が前年比1.3倍と大きく伸びるなか、「ウインチケット」はかなりの後発ながらもシェアを19%から31%に伸ばしている。藤田氏は、「ウインチケットのABEMAとの連動の相性の良さ、技術力と運用力が証明できたのではないか」と述べた。

 
(※)サイバーエージェントより一部情報が誤っていたとの連絡を受け、内容を一部修正しております

株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高6664億6000万円、営業利益1043億8100万円、経常利益1046億9400万円、最終利益415億5300万円(2021年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
企業データを見る