タカラトミー、22年3月期決算は営業益74.4%増に コロナ禍の影響残るも玩具出荷は伸長 ガチャやアミューズメントマシンの好調も収益に貢献

  • タカラトミー<7867>は、5月10日、2022年3月期の連結決算を発表、小売事業、イベント事業で新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛傾向の影響が長期化したものの、玩具出荷が伸長するとともに、タカラトミーアーツのガチャやアミューズメントマシンの人気が伸長したことで2ケタ超の増収増益を達成した。

    なお、経営資源の機動的、効率的活用及び財務体質の強化を図るため保有資産の見直しを行い、子会社TOMY(Hong Kong)が所有する固定資産の事務所用不動産を第1四半期において譲渡し、その譲渡益など特別利益21億7500万円を計上した一方で、新型コロナウイルス感染症による小売事業への影響が前期から続いており第3四半期に一部資産を減損処理するなど特別損失10億7000万円を計上した。

    売上高1654億4800万円(前々期比17.2%増)
    営業利益123億4400万円(同74.4%増)
    経常利益126億6600万円(同76.7%増)
    最終利益91億1400万円(同69.6%増)

    「トミカ」では、警察署の建物がボタン一つで自動変形する「ぐるっと変形!DXポリスステーション」が人気を博すとともに、「プラレール」においては、2021年4月からテレビアニメシリーズ第2弾の放送が開始した「新幹線変形ロボ シンカリオンZ」の関連玩具、「人気のあそびがギュッ!プラレールベストセレクションセット」を展開した。「リカちゃん」では「もくもくジュージュー にぎやかバーベキュー」「わんにゃんレントゲン! リカちゃん動物病院」などが人気を集めた。

    また、トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は、発売20周年に向けた積極的なマーケティングも奏功し、販売が大きく伸長した。「ポケットモンスター」においては、「モンコレ」をはじめとした関連商品が好調に推移するとともに、ポケモンと遊びながら学べるキッズパソコン「ポケモン ピカッとアカデミー マウスでゲットパソコン」が人気を博した。

    「トランスフォーマー」は、海外向け輸出が北米および欧州などで伸長した。さらに、7月に発売した新触感液晶玩具「ぷにるんず」は液晶画面に登場する50種類以上の魅力的なキャラクターと、それらに直接触れ合っているかのようなデジタルとリアルが融合した不思議な感覚が楽しめる商品として高い人気を集め販売が伸長した。

    アミューズメントマシンでは2020年9月から展開の「ポケモンメザスタ」や2021年10月から展開をスタートした、プリティーシリーズ10周年記念作品「ワッチャプリマジ!」が人気を集めた。

    ガチャ事業では、ガチャ人気が高まっている市場環境の中、大型ガチャ売場の設置拡大と人気コンテンツを使った関連商品により売上が伸長した。

    なお、2020年10月に米国の独立系玩具会社ファット・ブレイン・グループがTOMY Internationalの子会社となり、連結業績に加わるとともに、TOMY Internationalグループの欧州および豪州地域において商品展開も開始した。

    ■2023年3月期は増収減益の見込み
    2023年3月期通期の連結業績予想については、以下のとおりに増収減益の見込み。中期経営計画において公表している2年目の中期数値計画に沿って、「アソビ」を軸にした商品展開、事業領域の拡大に努めていくとしている。

    売上高1700億円(前期比2.8%増)
    営業利益120億円(同2.8%減)
    経常利益118億円(同6.8%減)
    最終利益75億円(同17.7%減)

株式会社タカラトミー
http://www.takaratomy.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社タカラトミー
設立
1953年1月
代表者
代表取締役会長CEO 富山 幹太郎/代表取締役社長COO 小島 一洋
決算期
3月
直近業績
売上高2083億2600万円、営業利益188億1800万円、経常利益178億700万円、最終利益98億800万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7867
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