【決算レポート】バンナムHD、22年3月期は初の営業利益1000億円の大台 記録的な大ヒット「ELDEN RING」貢献 玩具も最高業績 23年3月期は反動減を想定

木村英彦 編集長
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バンダイナムコホールディングス<7832>の2022年3月通期の連結決算は、売上高8892億7000万円(前の期比20.0%増)、営業利益1254億9600万円(同48.2%増)、経常利益1336億0800万円(同52.5%増)、最終利益927億5200万円(同89.7%増)となった。全事業の業績が伸び、過去最高の売上・利益を達成した。とりわけ本業の儲けを示す営業利益は初めて1000億円の大台を突破した。

・売上高:8892億7000万円(同20.0%増)
・営業利益:1254億9600万円(同48.2%増)
・経常利益:1336億0800万円(同52.5%増)
・最終利益:927億5200万円(同89.7%増)

 

主力のデジタル事業とトイホビーが過去最高業績を達成した。デジタル事業では『エルデンリング』が大ヒットするなど好調に推移したほか、リピート販売も好調だった。トイホビーは、ハイターゲット向け商品や主力IPの商品が伸びた。

また、新型コロナの影響を大きく受けた映像音楽事業とアミューズメント事業についても市場の回復などもあって回復を見せた。「ガンダム」などの映像作品に取り組んだクリエイション事業もライセンス関連の収入が伸びたという。

 
■デジタル事業
・売上高:3781億7300万円(同11.9%増)
・営業利益:696億3400万円(同22.6%増)

家庭用ゲームは、販売本数は同190.0%増の5684万7000本と急増し、売上高が同47.6%増の17億4400万円と大きく伸びた。「ELDEN RING(エルデンリング)」の販売本数は400万本計画のところ1340万本を販売するなど大きく伸び、全体をけん引した。「テイルズオブアライズ」も好調だった。既存タイトルのリピート販売がユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移した。

 また、ネットワークコンテンツにおいては、売上高が同10.7%減の18億5500万円だった。新作タイトルが好調な出足となるとともに主力タイトルが安定的に推移し、第4四半期では久々に500億円の大台に到達したものの、年間では好調だった前の期には及ばなかった。

 なお、新規大型タイトルの投入が増えたため、開発費等の初期費用が増加した。


■トイホビー事業
・売上高:3736億2500万円(同24.2%増)
・営業利益:523億1900万円(同33.9%増)

「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティングや、海外における展開拡大により好調に推移した。

また、前年同期にアミューズメント施設の休業により影響を受けたプライズ等の商品販売が回復した。

さらに、国内においては、定番IPや新規IPを活用した玩具に加え、海外向けのトレーディングカード、菓子やカプセルトイ等の玩具周辺商材が人気となった。IP別では「ウルトラマン」や「ドラゴンボール」「ワンピース」の伸びが目立った。

 
■映像音楽事業
・売上高:539億4100万円(同57.6%増)
・営業利益:56億9800万円(同267.9%増)

「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売を行ったほか、IP関連のライセンス収入が業績に貢献した。

また、ライブイベントにおいては、配信や新技術の活用等の環境変化に対応した新たな形のライブイベントへの取組みを進めたこと等により、前年同期に比べ開催回数が増加した。


■クリエイション事業
・売上高:375億6400万円(同33.1%増)
・営業利益:28億3000万円(同3.3%増)

「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の新作映像作品の制作を行ったが、コスト先行のビジネスモデルのため利益への貢献は限定的となった。

また、ガンダム等の人気拡大等に伴いライセンス収入が好調だったが、IPの情報発信を行う「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた。


■アミューズメント事業
・売上高:823億4400万円(同28.8%増)
・営業利益:40億5100万円(同30.0%増)

新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で115.5%となり回復の兆しが見えたほか、欧州やアジアのアミューズメント施設についても前の期比で回復した。

アミューズメント事業においては、今後も効率化に加え、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進し収益基盤の強化を目指す。


■その他事業
・売上高:276億6700万円(同12.2%増)
・営業利益:3億4700万円(同42.4%減)

グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。


■2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高8800億円(前期比1.0%減)、営業利益1000億円(同20.3%減)、経常利益1010億円(同24.4%減)、最終利益700億円(同24.5%減)、EPS318.22円を見込む。

・売上高:8800億円(同1.0%減)
・営業利益:1000億円(同20.3%減)
・経常利益:1010億円(同24.4%減)
・最終利益:700億円(同24.5%減)
・EPS:318.22円

 
■デジタル事業
・売上高:3500億円(同7.4%減)
・営業利益:450億円(同35.3%減)

「これまでにない大ヒット」となった「ELDEN RING」の発売された翌年度ということもあり、減収減益を見込む。「ELDEN RING」については、ロングライフで展開するための取り組みを行っていくという。またその他、家庭用ゲームとネットワークコンテンツもロングライフ展開を行う。

 
■トイホビー事業
・売上高:4000億円(同7.1%増)
・営業利益:530億円(同1.3%増)

トイホビーについては、国内での高いシェアを維持するとともに、グローバル市場での事業拡大を図っていく。引き続き最高業績を狙う。原材料費や物流費の上昇に加えて、中国のロックダウンによる影響を受けているが、中国は引き続き重点地域として展開していく。


■IPプロデュース
・売上高:800億円(同変わらず)
・営業利益:100億円(同13.2%増)
IPプロデュース事業は、ライブ関連の市場環境を見ているが、新作の映像制作を複数予定しており、ライセンス収入の増加を見込んでいる。


■アミューズメント事業
・売上高:850億円(同3.2%増)
・営業利益:20億円(同50.6%減)

アミューズメント事業は、引き続き不透明感があるものの、バンダイナムコエンターテインメントならではの施設・機器を提供したい、としている。減免となっていた家賃が増える見込み。

株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高8892億7000万円、営業利益1254億9600万円、経常利益1336億800万円、最終利益927億5200万円(2022年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
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