【決算レポート】gumi、第4四半期は新作寄与で増収も営業赤字が続く 月次ベースでは4月に単月黒字を達成 メタバース事業は今期20億円規模の利益創出を目指す
gumi<3903>の2022年4月期の第4四半期(2~4月)の連結決算は、モバイルオンラインゲーム事業において今期より配信を開始した『乃木坂的フラクタル』や『ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫』が売上に寄与していることもあり、前年同期比で大幅増収となった。
一方、損益については、引き続き開発・運用体制の効率化などの見直しを継続したものの、営業赤字を計上した。ただし、月次ベースでの利益は足元で改善しており、4月は単月黒字を達成したという。
売上高48億1400万円(前年同期比27.3%増)
営業損益3億4100万円の赤字(前年同期3億4000万円の赤字)
経常損益7億1200万円の赤字(同32億3400万円の黒字)
最終損益11億4400万円の赤字(同2億3700万円の黒字)
四半期ベースの費用推移を見てみると、上記の新作2タイトルのリリースに向けて膨らんでいた開発費が減少した。また、前年同期比は上回っているものの、広告宣伝費も前四半期比では大きく減少している。
モバイルオンラインゲーム事業は、新作2タイトルが貢献しているものの、既存タイトルの想定を上回る売上減衰で苦戦した。そうした中で『ブレフロ』シリーズや一部海外配信タイトルのクローズなど不採算タイトルの撤退や開発パイプラインの精査を進めており、安定的な黒字創出に向けた事業基盤の構築に取り組んでいる。
なお、新作のパイプラインは、『ラグナドール』の海外版に加え、オリジナルタイトル1本を今期中に配信することを予定している。
オリジナルタイトルは大手パブリッシャーとの協業案件も開発が進められているほか、大型IPを活用した他社IP系タイトルも1本開発中となっている。
さらにエイリムでの受託2本に加え、FgGが新たに1本を受託するなど、開発受託の取り組みも進めており、これら受託タイトルで安定的な収益創出を図っていくとしている。
これまでのXR事業とブロックチェーン事業を統合したメタバース事業では、特にブロックチェーン領域において、コンテンツ開発、ファンド投資、ノード運営の3領域にさらなる経営資源を投下していく。
6月10日には、ブロックチェーンゲームの開発および配信を手掛ける子会社gCGをシンガポールに設立することを発表するなど、ブロックチェーンゲームの開発・配信からトークン発行に至るまでをワンストップで展開する。
ブロックチェーンゲームは、企画段階も合わせ10本の案件が進行中とのこと。今期末~来期にかけて有力IPを用いたブロックチェーンゲームを含む5本程度を配信する予定だ。
一方、NFTは他社IPとの協業を中心に年間3~5本程度を提供する予定としている。
メタバース事業は、今期は安定収益基盤のノード運営の拡充に加え、ファンドからの投資回収を本格化し、20億円規模の利益創出を目指すという。さらに来期以降はブロックチェーンゲームの収益寄与により、50億円規模まで利益水準の拡大を目指す方針だ。
なお、2023年4月期の業績見通しは非開示。同社では、グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しく、適正かつ合理的な数値の業績予想の算出が困難であるため、としている。
また、今後も事業構造上、大きな変化がない限りは非開示の方針を継続する予定だという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903