【決算レポート】マーベラス、第1四半期は前期の『ルーンファクトリー5』の好調の反動減で減収減益に 『ポケモンメザスタ』は7月稼働の新弾も「非常に好調」(佐藤社長)

柴田正之 編集部記者
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マーベラス<7844>の2023年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算は、前年同期は5月に発売した『ルーンファクトリー5』が販売好調だったことによる反動減があったことが影響し、大幅な減収減益となった。

なお、経常利益が膨らんでいるのは、急激な円安による保有外貨預金への影響で営業外収益に為替差益3億8000万円を計上したためとなる。

売上高53億1900万円(前年同期比17.8%減)
営業利益7億8000万円(同46.7%減)
経常利益11億3200万円(同23.2%減)
最終利益7億5200万円(同30.0%減)

セグメントごとの状況を見てみると、まずはデジタルコンテンツ事業は、前述の『ルーンファクトリー5』の前期の販売好調による反動減が大きく、売上高が前年同期比32.6%減、営業利益は同82.5%減となった。

コンシューマゲームでは、マルチプラットフォーム対応の完全新作ゲーム『DEADCRAFT(デッドクラフト)』をダウンロード専売タイトルとして5月19日に全世界同時に配信したが、目標を下回る販売推移にとどまったという。

続く第2四半期(7~9月)には、前期のヒットタイトル『ルーンファクトリー5』のSteam版の発売を7月14日に予定しているほか、『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』のPS4版も7月28日に発売する予定であり、売上を伸ばしてくることが期待されるところ。

オンラインゲームについては、HONEY PARADE GAMESの完全新作となるジェットバトルゲーム『ドルフィンウェーブ』を2022年に配信予定であることを先日7月14日に発表したほか、子会社ジー・モードも『デジプラコレクション まるごと鉄道!』の今夏配信を予定している。

続いてアミューズメント事業は、主力のキッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』の好調が持続しており、売上高が同40.9%増、営業利益は同101.9%増と大幅な増収増益を達成した。

その『ポケモンメザスタ』は、7月7日より新弾「ダブルチェイン1弾」の稼動を開始しており、「こちらも非常に好調」(佐藤社長)だという。第2四半期もこのまま好調を維持していくことが予想される。

音楽映像事業は、ステージの公演計上タイトル数減もあり、売上高は同24.9%減にとどまった。ただし、営業利益については、コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金などの計上もあり、前年同期1800万円から2億2900万円へと大きく膨らむ形となった。

音楽映像制作部門は、TVアニメ「遊☆戯☆王ゴーラッシュ!!」と「アオアシ」を4月から放送開始した。また、アニメ「刀剣乱舞-花丸-」シリーズの新作三部作の第1弾「特『刀剣乱舞-花丸-』~雪ノ巻~」が5月20日より劇場公開となった。

ステージ制作部門は、「ミュージカル『薄桜鬼 真改』」「舞台『刀剣乱舞』」といったシリーズ作品の新作公演を実施している。

舞台公演については、7月から開催した「ミュージカル『テニスの王子様』」で関係者に新型コロナウイルス感染症の陽性が確認され、一部の公演が中止となった。公演数の減少による業績への影響は第1四半期に続き、第2四半期も十分に注意しておく必要がありそうだ。

期初に「未定」としていた2023年3月期通期の連結業績予想は、レンジ形式での予想を新たに開示しており、以下のとおり。

なお、レンジ予想での開示となったのは、今期発売予定のコンシューマおよびオンラインゲームについて、新規オリジナルタイトルが多く、ヒットの度合いにより業績が大きく変動することに加え、舞台公演においてコロナの影響も少なからず懸念されるなど、特定値での業績予想が困難なため、としている。

売上高250億~288億円(前年同期比2.8%減~11.9%増)
営業利益40億~46億円(同13.1%減~増減なし)
経常利益42億~48億円(同16.5%減~5.0%減)
最終利益29億4000万~33億6000万円(同23.0%減~12.0%減)

株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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