【決算レポート】東映アニメ、第1四半期は映画「ドラゴンボール超」関連売上の寄与などで四半期で過去最高売上に 複数の劇場作品の費用先行で利益率は低下

柴田正之 編集部記者
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東映アニメーション<4816>の2023年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算は、映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」や「ONE PIECE FILM RED」関連売上の好調により、四半期として過去最高の売上高を達成した。

ただし、映像作品の製作原価や広告宣伝費が膨らんだことで営業利益率は低下した。

売上高180億6100万円(前年同期比37.0%増)
営業利益41億1000万円(同3.2%減)
経常利益53億700万円(同25.5%増)
最終利益40億2300万円(同32.0%増)

セグメント別の状況を見てみると、映像製作・販売事業は前年同期比78.1%の増収ながら同41.6%の減益となった。「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」の製作収入を計上したことにより、劇場アニメが前年同期と比較して大幅な増収となったものの、複数の劇場作品の製作や広告宣伝に係る費用を計上したことで利益率が低下した。

なお、第2四半期は「ONE PIECE FILM RED」が8月6日に公開予定となっており、劇場アニメの好調が続くことが予想される。

版権事業は、売上高が同12.6%増、セグメント利益が同5.2%増となった。国内版権部門で「ワンピース」や「ドラゴンボール」シリーズなどの商品化権販売、特に両作品の劇場公開と連動した販売促進が好調に稼働した。また、海外版権部門は「ワンピース」や「デジモンアドベンチャー」シリーズのゲーム化権販売に加え、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したことから、大幅な増収となった。

一方、商品販売事業は、「ワンピース」のショップ事業や「美少女戦士セーラームーン」シリーズの商品販売が好調に稼働したことなどから増収となったが、コロナ禍前の水準には至らなかったことで、売上高は同61.6%の増収ながら、3600万円のセグメント赤字を計上した。

なお、2023年3月期の通期の連結業績予想は、従来予想から変更なく、以下のとおり。営業利益の第1四半期実績における通期予想に対する進捗率が22.5%にとどまっているが、これは期初の予想時から劇場作品関連の製作原価や広告宣伝費は増加し、利益率は低下する見込みとしていたことから、予想の範囲内ととらえることができそうだ。

売上高700億円(前期比22.8%増)
営業利益183億円(同1.1%増)
経常利益189億円(同0.4%増)
最終利益135億円(同5.3%増)

東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高874億5700万円、営業利益286億6900万円、経常利益297億9100万円、最終利益209億円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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