【決算レポート】Aiming、第2四半期は『DQタクト』1.5周年の反動と先行投資で減収減益 『ダンまち』スキーム変更や新作開発進行で第3四半期は赤字見通しに

Aiming<3911>の2022年12月期 第2四半期(22年4月~22年6月)の決算は、売上高30億3900万円(前四半期比9.1%減)、営業利益1億5600万円(同53.4%減)、経常利益1億6600万円(同50.8%減)、最終利益1億2000万円(同57.8%減)と大幅な減益で着地した。

・売上高:30億3900万円(同9.1%減)
・営業利益:1億5600万円(同53.6%減)
・経常利益:1億6600万円(同50.9%減)
・最終利益:1億2000万円(同57.8%減)

 

椎葉忠志社長(写真)は、「『ドラゴンクエストタクト』の1.5周年と2周年の谷間であることや、自社主力タイトルの多くが第4四半期に周年を迎えるため、例年弱い四半期になると申し上げていたが、予定よりしっかりした数字だった。」と振り返った。

減収減益となった要因として、『ドラゴンクエストタクト』が前四半期に1.5周年イベントを実施していたこともあり、売上の反動減があったことに加えて、新作開発やアニメ製作委員会への出資など先行費用が響いたことをあげた。

 

新作開発費については、人件費や外注費、ロイヤリティなど売上原価が増えた。「今後配信するために開発しているタイトルの開発が進捗が進んできて、チームの規模が大きくなり、先行してコストがかかっている状況だ」(椎葉社長)。

なお、ロイヤリティについては、『ドラゴンクエストタクト』の売上が低下したので、同タイトルに関連した費用が減少した一方で、アニメ製作委員会への出資を示す、版権取得費用を計上したことでトータルではプラスとなった。

販売管理費を見ると、売上に連動して変わるプラットフォーム手数料が1億3000万円、前四半期に実施した『ドラゴンクエストタクト』1.5周年に係るプロモーション費用がなくなったことで広告宣伝費が1億1900万円減った。販売管理費は2億3100万円減った。

 

 

■第3四半期累計の業績見通し

第3四半期の業績は、売上高29億0900万円(前四半期比4.3%減)、営業損失4億7400万円(前四半期は1億5600万円の利益)、経常損失4億7400万円(同1億6600万円の利益)、最終損失3億8600万円(前期は1億2000万円の利益)を見込む。

・売上高:29億0900万円(同4.3%減)
・営業損失:4億7400万円(同1億5600万円の利益)
・経常損失:4億7400万円(同1億6600万円の利益)
・最終損失:3億8600万円(同1億2000万円の利益)

 

『ドラゴンクエストタクト』の2周年イベントが開催となるものの、8月半ば以降は周年イベントの反動で減少する可能性を見ているため、大きく伸びるとは見込んでいないという。流石に保守的すぎるようにもみえるが、同社としては、『ドラゴンクエストタクト』の収益見通しは慎重に立てているとした。

さらに、KLab<3656>から受託開発していた『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』アニメーションシリーズの新作ゲームについても、受託からビジネススキームの変更で合意しており、この売上計上がなくなることも響く。Aimingも何らかの形で出資することになるだろうのだろうか。

また、費用面では、『新作アニメ系 プロジェクト S』の開発が佳境に入り、開発費が増える見通し。アニメ製作委員会との契約締結が完了するまで先行してAimingが開発費を負担している。契約締結後、費用負担が戻される見通し。題材とする作品については開示はなかった。

また、『銀河英雄伝説 Die Neue Saga(仮)』についても開発フェーズが進行しており、来期(2023年12月期)に向かって費用が増えていく、との見方も示した。さらに2周年を迎える『ドラゴンクエストタクト』の広告宣伝費も増えるとのこと。

「受託で計上していた売上が減ることに加えて、複数の新作タイトルの開発が佳境に入って開発費が増えるなど大きなインパクトが重なったため、第3四半期は赤字となる見通しだ。『ドラゴンクエストタクト』が順調なうちに次の利益貢献が期待できるタイトルをしっかりと準備したい。前向きな成長への投資だ」と述べた。