【決算レポート】コロプラ、第3四半期(4~6月)はスマホゲーム新作の積み上げがなく減収、営業減益に 『白猫GOLF』はリリースに向け「ブラッシュアップしている」(宮本社長)
コロプラ<3668>の2022年9月期の第3四半期(4~6月)の連結決算は、主力のスマートフォンゲームで新作の積み上げがなかったこともあり、減収、営業減益となった。
なお、経常利益が増益となっているのは、為替差益5億円を計上しているため。前年同期の最終利益が赤字計上となっているのは、任天堂<7974>との訴訟和解に伴う訴訟関連引当金繰入額として特別損失33億円を計上していたことによるものとなる。
売上高74億1400万円(前年同期比8.4%減)
営業利益7億7900万円(同30.4%減)
経常利益13億6400万円(同4.1%増)
最終利益9億7100万円(前年同期14億5700万円の赤字)
エンタメ事業は、TVアニメ「ソードアート・オンライン」との第2弾コラボを実施した『白猫プロジェクト』を含むFY2014ものが堅調だったほか、PC用ゲーム『DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation』とのコラボイベントを実施した『アリス・ギア・アイギス』を含むFY2018ものが前年同期比で伸長した。
また、6月2日に発売した『映画「五等分の花嫁」 ~君と過ごした五つの思い出~』が累計販売本数5万5555本を達成するなどけん引役となったコンシューマゲームも収益に貢献した。
一方、FY2019ものである『ドラゴンクエストウォーク』(以下『DQウォーク』)は、「ドラゴンクエストVIII イベント」などを実施し、引き続き同社の売上の最大のボリュームゾーンとなっているが、前年同期比でも前四半期比でも売上が減少する形となっている。
投資育成事業は、第3四半期期間(4~6月)中の営業投資有価証券の売却はなかった。一方で、5件に新規・追加投資を行っており、第3四半期末の営業投資有価証券残高は前四半期比8.6%増の96億円となっている。なお、投資先のMobidaysが6月8日に韓国のKOSDAQへ上場している。
エンタメ事業の新作パイプラインは、スマートフォン向けが7本、コンシューマ向けが10本となっている。スマートフォンゲームについては、事前登録を実施中の『白猫GOLF』のみが情報を開示された状況にあるが、本作は現在、リリースに向けて「ブラッシュアップしている」段階にあるという。同社の宮本貴志社長(写真)は、本作について、「いよいよかな」という表現でリリースが近づいていることを示唆していた。
コンシューマについては、7月28日に科学ADVシリーズ『ANONYMOUS;CODE』を発売したほか、9月8日には3D対戦アクションゲーム『アリス・ギア・アイギスCS』の発売を予定している。
XR/メタバースへの取り組みについては、NTTドコモのARサービス「XR City」に子会社の360Channelがコンテンツパートナーとして参画することを発表した。引き続き、Webメタバースにも注力していくとしている。
なお、2022年9月期の業績予想については非開示。グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。
ただし、第4四半期(7~9月)は7月に『白猫プロジェクト』の8周年と『白猫テニス』の6周年、9月には『DQウォーク』の3周年と既存主力タイトルが周年を迎えることに加え、前述のコンシューマゲーム2タイトルの発売もあり、例年の傾向どおり四半期ベースで業績が伸長してくることが予想されるところだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668