【決算レポート】エイチーム、第4四半期(5~7月)は新規サービスの成長などで利益が大幅に回復 NFTゲームが開発中フェーズに…今期中のリリースを目指す
エイチーム<3662>の2022年7月期の第4四半期(5~7月)の連結決算は、これまで投資してきた新規サービスの成長もあって、営業利益と経常利益が大きく回復した。
ただし、最終損益については、一部オフィスおよび店舗解約に伴う減損処理と、将来の回収可能性の低下に伴う減損処理により、特別損失5億9100万円を計上したことで大幅な赤字を計上した。
売上高82億4900万円(前年同期比6.5%増)
営業利益6億6500万円(同449.6%増)
経常利益7億1600万円(同342.0%増)
最終損益5億300万円の赤字(前年同期1億400万円の赤字)
ライフスタイルサポート事業は、引越し周辺サービスで送客制限の影響を受けたものの、転職メディアを運営するリンクスのM&Aを昨年2月に実施した人材メディアが大幅成長し、前年同期比で10.4%の増収を達成した。
また、セグメント利益についても自動車関連事業の好調に加え、金融メディア事業の一部新規サービスが黒字化したことなどにより、同70.9%の大幅な増益となった。
エンターテインメント事業は、一部タイトルのイベントが好調だったものの、全体のダウントレンドを補うには至らず、前年同期比で3.3%の減益となった。
一方で、新作『FFVII ザ ファーストソルジャー』の広告宣伝費など初期投資が落ち着いたことに加え、新作への費用低減をはじめとした収益性回復に注力したことでセグメント利益の黒字転換を達成した。
海外売上については、「既存アプリのコラボが上手く推移した」(中内取締役 エンターテインメント事業本部長)ことで大きく回復し、海外売上比率は42%まで上昇した。
新規開発のパイプラインは、前四半期と同じ4本となっている。変化があったのはNFTゲームで、こちらが前四半期の準備中から開発フェーズに入っている。こちらについては、同じく開発中の自社オリジナルタイトルとともに「今期中に、早めにリリースしたい」(同)とし、順調に進捗しているとしていた。
EC事業については、「cyma」で原材料価格の高騰や中国のロックダウンなどの影響を受けたものの、前年同期4.0%の増収を確保した。
一方、セグメント損益については、新規サービスのペットフードブランド「Obremo」への投資が続いており、赤字計上となっている。
なお、2023年7月期通期は、引き続き既存事業および組織の筋肉質化を進めながら事業への投資は継続するも、これまでに投資してきた事業が全体の収益率改善に貢献するよう、より付加価値の高いサービス・事業運営に注力するとしている。
エンターテインメント事業については、引き続き『ヴァルキリーコネクト』『ユニゾンリーグ』などの既存の主力ゲームアプリの効率的な運用を進めながらも、事業のダウントレンドを脱却して再成長を遂げるべく、暗号資産を用いたNFTゲームやメタバースなど新領域での開発およびリリース後の運営に注力していくとしている。ただ、新規タイトルがどう動くか分からないということで、「保守的に数字を見込んでいる」(林社長)としていた。
通期の業績予想については以下のとおり。各利益項目とも大幅な黒字転換を見込んでいる。
売上高310億円(前期比2.5%減)
営業利益5億円(前期2億9800万円の赤字)
経常利益5億円(同2億1900万円の赤字)
最終利益4億円(同13億3700万円の赤字)
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662