ワンダープラネット、22年8月期の営業赤字13億円に大幅下方修正 従来は2億円の赤字~2億円の黒字の予想 『アリフィ』と既存とも計画下振れ

ワンダープラネット<4199>は、この日(9月14日)、2022年8月通期の連結業績予想の下方修正を行い、売上高34億円(前回予想42億円~48億円)、営業損失13億円(同2億円の損失~2億円の利益)、経常損失13億円(同2億円の損失~2億円の利益)、最終損失-(同1億3000万円の損失~1億3000万円の利益)とした。

・売上高:34億円(前回予想42億円~48億円)
・営業損失:13億円(同2億円の損失~2億円の利益)
・経常損失:13億円(同2億円の損失~2億円の利益)
・最終損失:-(同1億3000万円の損失~1億3000万円の利益)

第3四半期までの進捗は業績予想レンジ内だったが、第4四半期において、売上高ではリリースした新規タイトル『アリスフィクション(アリフィ)」、既存タイトルともに当初計画を下回る見込み。

営業利益と経常利益については、売上高が想定を下回った影響に加え、『アリフィ』の一定規模のユーザー基盤確保を目的とした広告投資が想定を上回ったことを主因に当初計画を下回る見込みとなった。

『アリフィ』は第4四半期の売上実績より月数億円のグロス売上高が見込めるタイトルと確認できた一方、今後は運営費、広告費ともに売上高に対する投資対効果の見極めに努め、同タイトルを会社の収益基盤の一つとなるよう努める、としている。

2023年8月期は、同タイトルの売上高の年間フル寄与と費用先行からの転換により、開発中のコンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業新規タイトルなどの新規タイトルへの開発投資や、グローバルエリアにおけるブロックチェーンゲームの共同事業展開の準備を行いながらも、通期で増収と営業黒字化を目指していく。

なお、最終利益については、売上高、営業利益、経常利益が当初計画を下回る見込みとなったこと、今後の見通しを踏まえた繰延税金資産の回収可能性の検討に時間を要するため、現時点で予想数値の算定が困難であることから、今回未定に修正した。開示可能となった時点で速やかに公表する。

 各タイトルの業績進捗及び着地見込みは以下のとおり。


■『アリフィ』
・同社初のチャレンジとなる「全世界同時配信・同時運営」の自社開発(オリジナル)タイトルとなる。2022年7月27日のリリース以降、8月までの第4四半期内において、通期業績予想(中央値)の売上高を11億4000万円と想定していたが、同4億8000万円(22/8末の未消費通貨残高0億7000万円控除後)となる見込み。
・リリース後の動向については、直近市況下のユーザー獲得が課題となっている。一方で、リリース後に発生した不具合については、順次修正対応を進めておリ、現在において多数のエラーは既に解消している。
・費用面では、広告投資によるユーザー獲得効率が事前想定を大幅に下回って推移する中、想定していたユーザー数獲得に至らない中でも、リリース直後の一定程度のユーザー基盤の確保を優先した結果、通期で広告宣伝費を4億4000万円と想定していたが、同8億3000万円となる見込み。なお、9月は既に売上動向に対する投資対効果に見合う広告投資の運用に転じており、また今後は新たなユーザー獲得の手段として IP コラボを行う予定で準備を進めている。
・リリースまでの開発投資に関しては、期初想定と概ね同等程度で推移した。なお、同社は会計上、アプリ・ゲームの新規開発費用を貸借対照表に資産計上せず期間費用としているため、新規開発時は費用先行となる一方、リリース後の減価償却負担や減損リスクはない。今後、運営費も売上動向に対する投資対効果を見極めていく予定。
・営業利益については、想定を下回る見込みの売上高、想定を上回る見込みの広告投資を主因に、通期業績予想(中央値)より10億円程度下回る見込みとなった。


■『クラッシュフィーバー』、『ジャンプチ ヒーローズ』
・『クラッシュフィーバー(全地域)』は、第4四半期に日本版で7周年イベントや海外版含めて IPコラボイベントなどを実施し、一定の効果は得られたものの、第3四半期までの下方トレンドを挽回するには至らず、売上高は通期業績予想(中央値)を3億1000万円下回る見込みとなった。費用面では、売上に連動する支払手数料の減少や一部コスト調整も行ったが、想定を下回る見込みの売上高を主因に、営業利益は通期業績予想(中央値)を1億円程度下回る見込みとなった。
・『ジャンプチ ヒーローズ(全地域)」は、第4四半期に日本版で「2000万 DL イベント」や繁体字版で「3周年イベント」などを実施し通期で売上高は概ね計画通りの推移となる見込みで、営業利益も同様の推移となる見込みとなった。


■その他タイトル
・『この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ 繁体字版』は2021年9月のリリース以降、ユーザー数の減少が続いており、各種イベントや IP コラボを開催したが十分な効果を得られず、結果として、通期の業績予想を売上高、営業利益ともに下回る見込みとなった。
・また、2022年4月13日の第2四半期決算説明資料で公表した通り、コンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業新規タイトルの開発を第3四半期から開始した。
・その他タイトル累計では、営業利益は通期業績予想(中央値)を1億円程度下回る見込みとなった。

ワンダープラネット株式会社
http://wonderpla.net/

会社情報

会社名
ワンダープラネット株式会社
設立
2012年9月
代表者
代表取締役社長CEO 常川 友樹
決算期
8月
直近業績
売上高34億6400万円、営業利益4900万円、経常利益2800万円、最終損益2億3600万円の赤字(2023年8月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4199
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