ブロッコリー<2706>は、10月14日、2023年2月期 中間期(22年3月~22年8月)の連結決算を発表し、売上高27億2800万円(前年同期比15.1%減)、営業利益2000万円(同82.8%減)、経常利益3600万円(同72.4%減)、最終損失000万円(100万円以下の損失、前年同期は4700万円の利益計上)だった。営業利益と経常利益は大きく低下し、わずかだが最終赤字にもなった。第2四半期単体では、例年並みの売上を達成したが、やはり第1四半期の落ち込みが響いた格好だ。
・売上高:27億2800万円(同15.1%減)
・営業利益:2000万円(同82.8%減)
・経常利益:3600万円(同72.4%減)
・最終損失:000万円(同100.0%減)
同社では、売上高については、トレーディングカードゲーム「Z/X -Zillions of enemy X-(ゼクス ジリオンズ オブ エネミー エックス、以下、Z/X」や制作委員会などのロイヤリティ収入が増加したものの、ゲームの発売がなかったこと、前年同期に好調だったCD売上に及ばなかったこと、『うたの☆プリンスさまっ♪、以下、うたプリ』グッズは高価格帯商品のラインナップ不足と新型コロナの影響で客単価を増やすことができなかったことをあげた。
利益面については、減収効果のほか、円安と原材料費の高騰が響いた。新型コロナの影響を受けて物販イベントの余剰在庫の簿価切り下げ(1億円)を行ったことも利益を押し下げた。最終損失については、開発中のゲームの仕様を一部見直したことで減損損失4000万円を計上した。
品目別売上高を見ると、落ち込みが目立つのがゲームとCDだ。ゲームは、前年同期に発売した『ジャックジャンヌ』に相当する新作がなかったため。CDについては、『うたプリ』関連CDが好調だった前年同期に及ばなかったという。このほか、『うたプリ』グッズについては、高価格帯商品のラインナップ不足と新型コロナ第7波の影響で客単価を増やすことができず、その売上は11.3%減の7億5900万円となった。
また、KLab<3656>と共同で展開しているゲームアプリ「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」については、4月の「サンリオキャラクターズ」とのコラボイベント好調により前年同期並みを確保したという。
厳しい品目が多い中、好調ぶりが目立ったのはトレーディングカードゲームで、同41.0%増の4億1600万円だった。IP別売上比率から計算すると、「Z/X」の売上高は、同22.8%増の3億9800万円と20%を超える伸び。引き続き関連商品の通販強化を行ったという。 また、本年8月に開始した新作「Vividz」は、売上高4600万円だった。まだ発展途上であるとし、新たなファン獲得、売上向上に向けて制作・営業活動に注力する考え。
■2023年2月通期の業績見通し
2023年2月通期の業績は、売上高58億円(前期比11.6%減)、営業利益1億円(同64.7%減)、経常利益1億3000万円(同58.4%減)、最終利益6000万円(同64.4%減)、EPS6.86円を見込む。
・売上高:58億円(同11.6%減)
・営業利益:1億円(同64.7%減)
・経常利益:1億3000万円(同58.4%減)
・最終利益:6000万円(同64.4%減)
・EPS:6.86円
中間決算を踏まえて通期予想を厳しく見直しを行い、下方修正も行った。従来予想からの修正率は、売上高7.9%減、営業利益80.0%減、経常利益75.4%減、最終利益83.3%減と利益予想を大きく引き下げた。
・売上高:7.9%減
・営業利益:80.0%減
・経常利益:75.4%減
・最終利益:83.3%減
「うたプリ」関連コンテンツでは、さらなるデジタルコンテンツ化、3D ライブ化を推進しする。好調な自社トレーディングカードゲームについては、オンライン対戦化など、進化するデジタル市場/バーチャル市場への取り組みを進めていく。
一方、グッズについては、アニメ・ゲームだけでなく、幅広いアーティストのライブ・イベント活動などにも対象範囲を拡大し、アーティストとファンに喜んでもらえるファングッズやライブ物販の拡大を進めていく。
また、ティズクリエイションとの新規ゲームブランド「LicoBiTs(リコビッツ)」発足を発表したが、気鋭のクリエイター集団と完全新作の乙女ゲームを共同で制作する。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブロッコリー
- 設立
- 1994年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 鈴木 恵喜
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 売上高65億6300万円、営業利益2億8300万円、経常利益3億1200万円、最終利益1億6800万円(2022年2月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 2706