ワンダープラネット、22年8月期決算は営業損失12.7億円　前年2.6億円の黒字から赤字転落　『アリスフィクション』想定下回る売上、大型広告投資も負担に

ワンダープラネット<4199>は、本日(10月12日)、2022年8月通期(21年9月～22年8月)の連結決算を発表し、売上高34億2200万円(前の期比4.6%減)、営業損失12億7200万円(前の期は2億6000万円の利益)、経常損失12億9100万円(同2億6100万円の利益)、最終損失18億8700万円(同8億2500万円の利益)だった。

同社では、「アリスフィクション」が想定を下回る売上だったことに加え、大型の広告投資も負担になった、としている。「クラッシュフィーバー」のダウントレンドも続いた。最終損失が大きくなっているが、繰延税金資産を一部取崩し、法人税等調整額を5億9100万円計上したため。

・売上高:34億2200万円(同4.6%減)
・営業損失:12億7200万円(同2億6000万円の利益)
・経常損失:12億9100万円(同2億6100万円の利益)
・最終損失:18億8700万円(同8億2500万円の利益)

同社初のチャレンジとなる全世界同時配信・同時運営の自社開発タイトル「アリスフィクション」を7月にリリースした。リリース後、一定規模のユーザー獲得に向けた施策の一環として大型の広告投資も行ったが、想定していたユーザー数を獲得することができず、また、リリース後に発生した不具合の影響もあり、同タイトルの売上高は11億4000万円と想定していたが、4億8000万円と想定を下回った。

費用面では、リリースまでの開発投資は期初想定内で推移したが、広告投資によるユーザー基盤の確保を優先した結果、通期で広告宣伝費を約4億4000万円と想定していたが、約8億3000万円となり想定を上回った。

オリジナルタイトル「クラッシュフィーバー」については、ユーザー満足度向上に努め、日本版、繁体字版、英語版によるグローバル展開を推進するとともに、同タイトルの中長期的な運営に取り組んでおり、全世界のダウンロード数は1400万を突破した。2022年5月には「クラッシュフィーバー」における協業パートナーであるプラスユーとの業務提携を解消し、同社単独での運営に移行している。同タイトルのMAUについては、他社IPとのコラボイベントが堅調に推移したものの、第3四半期までの下方トレンドを挽回するには至らなかった。

LINEとの協業タイトル「ジャンプチ ヒーローズ」も、日本版及び繁体字版を配信しており、全世界のダウンロード数は2000万を突破しているが、MAUは日本版の周年イベント等で堅調に推移し、概ね計画通りとなった。

また、2020年9月にサムザップとの協業タイトルとして配信開始した「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ繁体字版」は、MAUの減少傾向が続いており、2022年11月にサービス提供を終了することを決定している。受託開発を進めていたサイバーエージェント等と共同のメディアミックスプロジェクト「テクノロイド」のスマートフォンゲーム「テクノロイド ユニゾンハート」は2022年1月に配信を開始している。

中長期的な収益の拡大に向けた新規開発としては、コンシューマー系ゲーム開発会社との共同事業による新規タイトルの開発も開始しているという。

■2023年8月期の見通し

続く2023年8月期の見通しは非開示。同社では、現時点で適正かつ合理的な業績予想の算定が困難であるため、と説明している。