【決算レポート】DeNA、第2四半期(7~9月)はスポーツ事業の回復などで増収も戦略的な投資で大幅減益に 来年4月に任天堂との合弁会社を設立へ
ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>の2022年3月期の第2四半期(7~9月)の連結決算(IFRS)は、スポーツ事業の回復と、ライブストリーミング事業の成長で増収を確保した。
一方、各利益項目は、ライブストリーミング事業の戦略的な投資を引き続き行っていることに加え、前年同期は横浜DeNAベイスターズの営業休止に伴う損失補償金などをその他の収益に計上していた反動なども影響している。
売上収益364億5000万円(前年同期比7.1%増)
営業利益31億1200万円(同60.5%減)
最終利益39億4600万円(同52.0%減)
まずはゲーム事業から見てみると、売上収益は前年同期比16%減、セグメント利益は同25%減となった。新作『タクトオーパス』のリリースが来年春予定となるなど、新作が当初想定よりも後ろ倒しになっていることで、既存タイトル中心の漸減傾向が続く形となった。
そうした中で新たなトピックとして、任天堂<7974>との合弁会社「ニンテンドーシステムズ株式会社」を2023年4月3日付で設立予定であることを発表した。合弁会社は、任天堂のビジネスのデジタル化の強化を目的として、ユーザーとの関係をより深めるための研究開発と付加価値創造を行うことを目的としており、設立当初は両社からの出向者を中心に運営していくことを想定しているという。
岡村信悟社長は、「合弁会社を通じて両社の関係を強化するとともに、新しい事業機会を創出できるように努めていきたい」としていた。
ライブストリーミング事業は、売上収益は前年同期比13%増と増収基調を継続したが、戦略的な投資の影響もあり、セグメント損益は2億円の赤字を計上した。
国内の「Pococha」の利用動向は堅調で、前四半期比で売上・利益ともに増加した。
また、バーチャルライブアプリ「IRIAM」は2022年9月末で114万ダウンロードとなり、その売上収益も右肩上がりの成長となっている。
スポーツ事業については、プロ野球の観客動員の制約がなかったことで、売上収益が前年同期比117%増となり、セグメント利益も20億円の黒字に転換した。なお、横浜DeNAベイスターズの2022年シーズンの観客動員数は前季比で2.4倍と大幅に回復した。
メディカル事業は、2022年8月のデータホライゾン<3628>の子会社化の影響もあり、売上収益は前年同期比64%増となった。ただし、新規連結の影響によりセグメント損益は7億円の赤字と赤字幅が拡大した。
2022年10月には、アルムの子会社化、メディカル事業本部の新設、データホライゾンによるDeSCヘルスケアの子会社化など事業ポートフォリオと組織体制の整備も進んでおり、2024年3月期を目標としたセグメント黒字化が予定通り進んでいくのかどうか、今後の動向が注目されるところ。
なお、2023年3月期の連結業績予想については、合理的な数値の算出が困難であるため引き続き非開示としている。ただ、前期と比べて増収、一時利益を除いた営業増益を目指す、としている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432