【決算まとめ②】ゲーム関連企業37社の7~9月の営業赤字企業数は1社増の12社に 新作リリース前の費用先行の影響が顕著に enishは『つなキャン』リリースが来春に延期に

柴田正之 編集部記者
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主要モバイルゲーム企業の2022年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。

この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の37社中、12社となった。前四半期は11社で1社増となる。家庭用ゲーム大手など比較的売り上げ規模の大きい企業の赤字計上はなかった一方で、それらと比較すると規模感の小さな企業が新作のリリースに向けた先行費用で赤字になる、赤字幅を拡大するというケースが目立っている印象だ。直近でオリジナルタイトルを単独でリリースしたワンダープラネット<4199>とバンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>は、そうした影響が顕著に出ていると言えるだろう。

この四半期で営業黒字転換を果たしたのは、gumi<3903>とギークス<7060>の2社だ。ギークスは、第1四半期(4~6月)に一部タイトルの運営スタート時期のリスケジュールを行った影響などでゲーム事業が赤字計上となっていたが、そこからのリカバリーを果たした格好だ。次の四半期は、11月15日よりサービスが開始となった『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズG』(配信はバンダイナムコエンターテインメント)、11月24日より配信開始となった『ブラック★ロックシューター FRAGMENT』の寄与で続く第3四半期(10~12月)もゲーム事業の復調が続くことが予想される。

半面、この四半期で赤字転落となったのは、Aiming<3911>とマイネット<3928>、enish<3667>の3社となっている。enishは、挽回の一手として期待された新作『ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!』(『つなキャン』)のリリース時期が、当初の2022年秋から2023年春に延期となっており、その開発負担による赤字計上が次の四半期も続いてしまうことが予想される。

株式会社enish
http://www.enish.jp/

会社情報

会社名
株式会社enish
設立
2009年2月
代表者
代表取締役社長 安徳 孝平
決算期
12月
直近業績
売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3667
企業データを見る
ギークス株式会社
http://geechs.com/

会社情報

会社名
ギークス株式会社
設立
2007年8月
代表者
代表取締役CEO 曽根原 稔人
決算期
3月
直近業績
売上高237億3900万円、営業利益9000万円、経常利益8200万円、最終損益14億7300万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7060
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