【決算まとめ③】ゲーム関連企業の7~9月決算を再確認…MIXI、DeNA、グリー、ボルテージ、KLab、ネクソン、エイチーム、モブキャストHD、enish、コロプラ
主要モバイルゲーム企業の2022年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の各社の状況をあらためて振り返ってみたい。37社から大手ゲーム株を除き、まずは10社分を取り上げる。
・MIXI<2121>
第2四半期(7~9月)は、映画『ONE PIECE FILM RED』など有力IPとのコラボが奏功し、主力の『モンスターストライク』の売上が好調に推移したこともあり、QonQで増収増益となった。ただし、新作ゲームの開発中止に伴う損失の計上などにより、最終利益は赤字に転落した。今期からの東京フットボールクラブ社(Jリーグ・FC東京)の連結化により、スポーツ事業の収益構造が今後どうなっていくのかも関心が募る。
・DeNA<2432>
第2四半期(7~9月)は、QonQで増収ながら減益にとどまった。ヘルスケア・メディカル事業におけるデータホライゾン<3628>の子会社化の影響が売上でプラス、利益でマイナスに作用した。なお、ゲーム事業は新作『タクトオーパス』のリリースが来年春予定となるなど、新作が当初想定よりも後ろ倒しになっており、既存タイトル中心の漸減傾向が当面続くことになりそうだ。
・グリー<3632>
第1四半期(7~9月)は、インターネット・エンタメ事業、投資・インキュベーション事業ともにQonQで減収減益となった。『ヘブンバーンズレッド』は引き続き高水準の収益をあげているものの、QonQでは落ち着いてきたことに加えて、『シノアリス』や『アナザーエデン』で前四半期に実施した周年イベントの反動が出た形となった。メタバース「REALITY」の成長がどう進んでいくのかも今後の課題となってきそうだ。
・ボルテージ<3639>
第1四半期(7~9月)は、減収・赤字幅拡大となった。不採算を絞り込み経費全体を抑制したことで減収となった一方、期初でもあり広告を積極出稿したことが赤字幅拡大につながった。なお、新分野は初期基盤がほぼ整ったため、投資の第2フェーズとして拡大と強力IP創出に向けた「ヒットIP戦略」を推進する。投資は電子コミックで3億円、コンシューマは4億円を想定している。
・KLab<3656>
第3四半期(7~9月)は、『キャプテン翼』の前四半期の周年キャンペーンからの反動減が影響して減収となったが、継続的なコスト削減や運営体制の見直しなどにより赤字幅は縮小した。子会社BLOCKSMITH&Co.が手掛けるブロックチェーンゲーム『キャプテン翼 - RIVALS -』が2022年内のワールドワイドローンチを予定しており、第4四半期決算でその動向が大いに注目されるところ。
・ネクソン<3659>
第3四半期(7~9月)は、QonQで大幅な増収増益を達成し、過去最高の四半期売上収益を記録した。新作モバイルタイトルの『アラド戦記モバイル』と『HIT2』が収益に大きく貢献した格好。続く第4四半期も『テイルズウィーバー:SecondRun』や『FIFA ONLINE 4 M』など韓国の新作モバイルタイトルの貢献により、過去最高の第4四半期売上収益となることが予想されている。
・エイチーム<3662>
第4四半期(5~7月)は、これまで投資してきた新規サービスの成長もあって、営業利益と経常利益が大きく回復した。エンターテインメント事業は、新作『ファイナルファンタジー7 ザ ファーストソルジャー(FF7FS)』の広告宣伝費など初期投資が落ち着いたことに加え、費用低減をはじめとした収益性回復に注力したことでセグメント利益の黒字転換を達成した。ただ、その『FF7FS』は2023年1月11日16時でのサービス終了が決定しており、2023年7月期の動向はじっくりと見極める必要がありそうだ。
・モブキャストHD<3664>
第3四半期(7~9月)は、子会社モブキャストゲームスが配信中の『転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記~』の競合タイトルによるマイナス影響が想定を上回ったことでQonQでも減収・赤字幅拡大となった。新作『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』は、クローズドベータテストを10月上旬に実施し、クオリティアップの開発を推進しており、そろそろリリースに向けたスケジュールが見えてくるのかどうか注目される。
・enish<3667>
第3四半期(7~9月)は、ネイティブタイトルが苦戦し、売上高はQonQで減収となった。また、新作の開発先行コストの発生もあり、各利益項目いずれも赤字に転落した。なお、挽回の一手として期待された新作『ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!』のリリース時期が、当初の2022年秋から2023年春に延期となっており、その開発負担による赤字計上が次の第4四半期も続いてしまうことが予想される。
・コロプラ<3668>
第4四半期(7~9月)は、9月12日に3周年を迎え、その記念施策を展開したほか、新コンテンツ「カジノ」を実装した2019年リリースタイトルの『ドラゴンクエストウォーク』が好調な推移となり、QonQで増収増益を達成した。なお、新作『白猫GOLF』の正式サービスを10月26日より開始しており、次の2023年9月期の第1四半期にこれがどのくらいの寄与度となってくるのかに関心が募るところ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432
会社情報
- 会社名
- 株式会社MIXI
- 設立
- 1997年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 木村 弘毅
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2121
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662
会社情報
- 会社名
- KLab株式会社
- 設立
- 2000年8月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3656
会社情報
- 会社名
- 株式会社モブキャストホールディングス
- 設立
- 2004年3月
- 代表者
- 代表取締役CEO 藪 考樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3664
会社情報
- 会社名
- 株式会社ボルテージ
- 設立
- 1999年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 津谷 祐司
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3639
会社情報
- 会社名
- 株式会社enish
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 安徳 孝平
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3667
会社情報
- 会社名
- 株式会社コロプラ
- 設立
- 2008年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3668
会社情報
- 会社名
- 株式会社ネクソン
- 設立
- 2002年12月
- 代表者
- 代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3659