【決算レポート】gumi、22年4月期 第2四半期は強烈なコスト削減で黒字転換 VR Fundも収益押し上げ 『ブレフロ』&『ファンキル』BLCゲーム開発中

gumi<3903>の2023年4月期 第2四半期(22年8月~22年10月)の連結決算は、売上高40億2700万円(前年同期比18.3%減)、営業利益2億6000万円(前年同期は9億7600万円の損失)、経常利益5億8100万円(同10億5200万円の損失)、最終利益5億1400万円(同27億6500万円の損失)と減収となったものの、営業利益、経常利益、最終利益が黒字に転じた。

・売上高:40億2700万円(同18.3%減)
・営業利益:2億6000万円(同9億7600万円の損失)
・経常利益:5億8100万円(同10億5200万円の損失)
・最終利益:5億1400万円(同27億6500万円の損失)

 

 

同社では、コスト構造の適正化により、第1四半期に続き安定的な営業利益を創出した、としている。「コスト構造の適正化」は、これまでも打ち出してきたものの、緩やかな減少にとどまっていたが、今回は数字としてみると、かなり強烈なコスト削減を行ったことがわかる。

まず、売上原価を前年同期47億6800万円から29億2700万円と17億円(38.6%)減らした。人件費を15.1%減らして8億7700万円としたほか、外注費を65.0%減らして4億9700万円とした。この結果、売上総利益は587.5%増の10億9900万円と大きく伸びた。

販売管理費についても同様に、26.2%減の8億3900万円と大きく減らした。その内訳を見ると、広告宣伝費が33.1%減の4億1900万円、人件費が同21.3%減の1億8000万円となった。

 

コストカットの影響は、人員数にも現れている。第2四半期におけるグループ従業員数は、前年同期比で73人減の789人と大きく減らした。国内は10人減の550人にとどまったが、海外については63人減の239人となった。

 

なお、売上については減収だった。前期に配信を開始した複数タイトルの売上寄与があったものの、その他主力タイトルにおいて配信期間の経過により売上が減少したとのこと。

また、メタバース事業におけるVR FUNDにおいて投資先のExitにより4億9000万円の持分法による投資利益を計上したことに加え、前年同期に計上された減損損失19億0600万円が今期計上されなかったことも経常利益と最終利益を押し上げた。

同ファンドでは、JollyGoodや、COVER、VARKなど有力企業に投資を行っているとのことで、今後も収益面に寄与してくることが期待される。さらに有力投資先との事業連携を随時検討する、としている。

■JollyGood
医療福祉に特化したVR総合プラットフォーム「JOLLYGOOD+」等の法人向けVRサービスの開発・運営

■COVER
世界最大級のVTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営及びバーチャルプラットフォーム等の開発・提供

■VARK
VTuber特化型VRライブ配信プラットフォーム「VARK」の開発・運営

 

また、同社としてもWeb3への先行投資も行っており、新作ブロックチェーンゲームとして、人気IP『ファントムオブキル』と『ブレイブフロンティア』を活用したブロックチェーンゲームを開発中であると明かした。さらに他社有力IPを活用したタイトルも複数の企画・開発も進めているそうだ。

■『ファントム オブ キル』
豊富なコンテンツでゲームを楽しみながら唯一無二のキル姫を育成

■『ブレイブフロンティア』
PvPをメインとしたブロックチェーンゲーム。NFTに加え、バトルで獲得したトークンを資産として保有する。

■他社有力IP
大手ゲーム会社との協業として、有力IPを活用した数億円規模のブロックチェーンゲームを開発で、2023年に配信する予定。Oasysチェーンの活用も想定。

 

パイプラインは以下のとおり。ブロックチェーンゲームは開発中が5本、企画中が5本で、NFTが開発中が1本、企画中が2本、その他で出資案件が2本となっている。

 

なお、ここ最近はWeb3でのイメージが強いgumiだが、新作のスマホゲームの開発も行っている。同社の開発スタジオ「Studio FgG」が手掛ける新作オリジナルスマホゲーム『アスタータタリクス(ASTER TATARIQUS)』について、2023年4月期中にリリースすることを明らかにした。

先日開催された発表会において、プロデューサーの今泉潤氏は、2023年内、できれば前半にリリースしたいとの意向を示していたが、2023年4月末までのリリースを目指しているようだ。タイトル発表前の時点では「今冬」としていた。

本作は、Studio FgGが得意とするシミュレーションRPGとして開発を進めている。「キャメロット騎士学術院」を舞台に、「アーサー王伝説」を今泉氏なりに解釈して再構成したストーリーが楽しめるという。

 

このほか、グラムスの『ラグナドール』の海外言語版も今期中にリリースする予定だ。今冬から繁体字版、英語版、韓国語版を順次配信していくとのこと。海外のパートナー企業と連携してグローバル配信を行う。

 

株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
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