【決算まとめ⑤】ゲーム関連企業の7~9月決算を再確認…アカツキ、アピリッツ、coly、ワンダープラネット、BOI、イマジニア、CA、ギークス、東京通信、ブシロード、マーベラス
主要モバイルゲーム企業の2022年7~9月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の各社の状況をあらためて振り返ってみたい。36社から大手ゲーム株を除いた中から、残りの11社分を取り上げる。
・アカツキ<3932>
第2四半期(7~9月)は、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の7周年イベントが盛況だったこともあり、QonQで大幅な増収増益を達成した。なお、『ドッカンバトル』は、映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」との連動企画を第3四半期に実施しており、この勢いをどこまで持続できるのかが焦点となる。新作は、自社IPタイトル『トライブナイン』、非公開の他社IPタイトルともにリリースは来期となる予定。
・アピリッツ<4174>
第2四半期(5~7月)は、オンラインゲーム事業の『ユニゾンエアー』の共同運営権取得が寄与し、QonQで2ケタ超の増収増益を達成した。なお、2023年1月期通期の連結業績予想も『ユニゾンエアー』と買収したY's社の貢献を考慮して上方修正を実施している。昨年9月の発表後、大きな動きの見えない『式姫Project』のスマホ向け完全新作ゲームの開発の進捗状況は気になるところか。
・coly<4175>
第2四半期(5~7月)は、新作『&0(アンドゼロ)』のリリースもあり、QonQでは増収となったものの、研究開発費や採用教育費といった販管費の大幅増加もあって営業赤字計上が続いた。なお、その新作『&0(アンドゼロ)』は、リリースから約8ヵ月となる2023年2月1日付でのサービス終了が決定しており、新作での積み上げの部分がやり直しとなるなど、中期成長シナリオにやや狂いが生じる可能性がありそうだ。
・ワンダープラネット<4199>
第4四半期(6~8月)は、新作『アリスフィクション』の寄与でQonQで大幅な増収となったものの、リリース直後の一定程度のユーザー基盤の確保を優先して広告宣伝費が膨らみ、大幅な営業赤字計上となった。なお、2021年9月のリリース以降、ユーザー数の減少が続いていた『このファン繁体字版』のサービスを2022年11月に終了しており、次の2023年8月期のスタートとなる第1四半期決算がどのような内容となるのか、まずはじっくりと見極めたい。
・BOI<4393>
第4四半期(7~9月)は、「恋庭」の売上拡大により大幅な増収となったものの、10月18日にリリースした新作『メメントモリ』のリリース前の一時広告宣伝費を計上したことなどもあり、10四半期連続の営業赤字に沈んだ。ただし、その新作『メメントモリ』がリリース直後の10月18日~31日の課金高35億円、11月の課金高28億円と好調な推移を見せており、続く2023年9月期の第1四半期は大幅な業績好転となる可能性が高そうだ。
・イマジニア<4644>
第2四半期(7~9月)は、売上高の漸減に加え、パッケージゲームおよびスマートフォンゲームを中心に、研究開発費を大幅に増加して「ヒットコンテンツ」の創出を目指していることもあり、QonQでも大幅な減益となった。なお、「Fit Boxing」シリーズの最新作『Fit Boxing 北斗の拳』の国内版を12月22日に発売する予定であり、第3四半期は業績が上向いてくることが予想される。
・サイバーエージェント<4751>
第4四半期(7~9月)のゲーム事業は、主力の『ウマ娘 プリティダービー』が「ブームといえるほどヒット」した前年同期と比較すると減収減益ではあるものの、主力タイトルの夏季イベントや『ウマ娘』の1.5周年の効果もあり、QonQでは増収増益に転じた。直近は子会社GOODROIDの新作『東京リベンジャーズ ぱずりべ!全国制覇への道』がストアランキングでトップ30入りと好スタートを切っており、続く2023年9月期の第1四半期への寄与が期待されるところ。
・ギークス<7060>
第2四半期(7~9月)は、一部タイトルの運営スタート時期のリスケジュールで赤字計上となっていた第1四半期と比べると回復し、増収・黒字転換となった。ゲーム事業は、11月15日に『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズG』(配信はバンダイナムコエンターテインメント)、11月24日に『ブラック★ロックシューター FRAGMENT』が配信開始となり、下期の業績に寄与してくる見通し。また、オーストラリアでIT人材事業を手掛けるLaunch社を買収し、IT人材事業の業容も今後大きく拡大することが見込まれている。
・東京通信<7359>
第3四半期(7~9月)は、QonQで増収を確保したものの、精力的にハイパーカジュアルゲームアプリの開発投資に注力したほか、新規事業領域への投資を行っていることや、旧オフィス退去にともなう償却負担増によって販管費が増加したこともあり、赤字幅が拡大した。第4四半期は、来期に予定する持株会社体制への移行など大きな変化を経て、2023年12月期に飛躍するための種まきの時期になることが予想される。
・ブシロード<7803>
第1四半期(7~9月)は、TCG(トレーディングカードゲーム)ユニットが業績をけん引し、第1四半期として過去最高の売上高を記録した。ただし、国内・海外ともリアルイベントを多数開催していることによるイベント関連費用と物流費などの増加も影響し、減益となった。なお、第2四半期以降も大型音楽ライブ開催に伴う費用や、中期4ヵ年経営計画達成のための先行投資として、開発中のゲームに関する費用の増加が見込まれている。
・マーベラス<7844>
第2四半期(7~9月)は、キッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』で、7月7日より稼動を開始した新弾「ダブルチェイン1弾」が、新弾としての過去最高の売上を更新したこともあり、QonQで2ケタ超の増収増益となった。なお、デジタルコンテンツ事業については、子会社HONEY∞PARADE GAMESの新作『ドルフィンウェーブ』が10月20日にリリースされ、好スタートとなっており、第3四半期はその寄与が期待できそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
- 設立
- 2006年1月
- 代表者
- 代表取締役社長 樋口 智裕
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高213億3300万円、営業利益49億円、経常利益49億2000万円、最終利益32億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4393
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803
会社情報
- 会社名
- イマジニア株式会社
- 設立
- 1986年1月
- 代表者
- 代表取締役社長兼CEO 澄岡 和憲
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高59億600万円、営業利益3億4500万円、経常利益6億5600万円、最終利益4億1600万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4644
会社情報
- 会社名
- 株式会社アピリッツ
- 設立
- 2000年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員CEO 和田 順児
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高84億2700万円、営業利益5億9900万円、経常利益5億9600万円、最終利益3億8600万円(2024年1月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4174
会社情報
- 会社名
- ワンダープラネット株式会社
- 設立
- 2012年9月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 常川 友樹
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高24億4900万円、営業利益1億2100万円、経常利益1億1300万円、最終利益9200万円(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4199
会社情報
- 会社名
- ギークス株式会社
- 設立
- 2007年8月
- 代表者
- 代表取締役CEO 曽根原 稔人
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高237億3900万円、営業利益9000万円、経常利益8200万円、最終損益14億7300万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7060
会社情報
- 会社名
- 株式会社coly(コリー)
- 設立
- 2014年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高50億6400万円、営業損益8億1300万円の赤字、経常損益7億9400万円の赤字、最終損益8億3000万円の赤字(2023年1月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4175
会社情報
- 会社名
- 株式会社東京通信グループ
- 設立
- 2015年5月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7359