【決算レポート】エイチーム、第1四半期は黒字転換を達成 ライフ事業の利益率が大幅回復、エンタメ事業も赤字幅縮小 自社オリジナルのNFTゲームの開発が進行中
エイチーム<3662>の2023年7月期の第1四半期(8~10月)の連結決算は、エンターテインメント事業およびライフスタイルサポート事業の売上が減少したものの、各事業の損益の改善に加え、前期に解約したオフィスなどの賃料および人員数減少に伴う人件費などの固定費の減少もあり、各利益項目は黒字転換を果たした。
売上高71億3400万円(前年同期比2.7%減)
営業利益2億1300万円(前年同期2億5200万円の赤字)
経常利益2億2300万円(同2億4200万円の赤字)
最終利益1億2000万円(同1億4500万円の赤字)
ライフスタイルサポート事業は、人材メディア事業および車の査定・買取サイトの「ナビクル」が前年同期比で引き続き好調に推移するも、引越し関連事業において電力価格の高騰による取引先からの送客制限および送客停止が大きく影響し、前年同期比で3.0%の減収となった。
一方、金融メディア事業において獲得件数が増加したことや、「ナビクル」での増収に伴う増益に加え、費用が減少したことにより、セグメント利益は前年同期比で201.0%増と大きく膨らんだ。
エンターテインメント事業は、既存ゲームアプリ全体で減少傾向が続き、前年同期比で12.6%の減収となった。
ただし、既存ゲームアプリの運営の効率化に取り組んだほか、新規ゲームアプリへの開発投資を進めているものの前年同期ほどの投資規模に至らずに開発投資コストが減少したことで、セグメント赤字幅は縮小した。
新規開発のパイプラインは、前四半期と同じ4本となっており、その進行度合いも前四半期と同じく、マルチデバイスの自社オリジナルタイトルのほか、自社オリジナルのNFTゲームの開発を行っている状況だ。
他社協業の大型タイトルと、自社オリジナルのメタバースについては、現時点ではまだ開発の前段階にあるようだ。
なお、大きな発表としては、2021年11月17日にリリースした 『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー)』のサービスを2023年1月11日をもって終了することが挙げられる。
同社の中内取締役エンターテインメント事業本部長は、本作について、PC展開を行っていなかったことや初期にクラッシュ率が多かったことなどとともに、マネタイズモデルにも課題があったと考えているようだ。
EC事業については、化粧品ブランド「lujo(ルジョー)」において新規顧客数が増加したこともあり、前年同期比で10.7%の増収となった 。
ただし、セグメント損失は、引き続きペットフードブランド「Obremo(オブレモ)」および「lujo(ルジョー)」への投資を行ったため、前年同期比で拡大している。
なお、2023年7月期通期の連結業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。
投資は継続しつつも、既存事業および組織の筋肉質化を図るとともに、より付加価値の高いサービス・事業運営に注力し、全社の収益率改善を目指すとしている。
売上高310億円(前期比2.5%減)
営業利益5億円(前期2億9800万円の赤字)
経常利益5億円(同2億1900万円の赤字)
最終利益4億円(同13億3700万円の赤字)
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662