ブシロード、第2四半期(7~12月)決算はTCGユニットの好調が牽引して23%の増収に 下期に向けた積極的な広告展開や費用増加で利益率は低下

    • ブシロード<7803>は、2月14日、2023年6月期の第2四半期累計(7~12月)の連結決算を発表、第2四半期期間(10~12月)は国内・海外とも大型カード商品の少ない四半期であったものの、引き続きTCGユニットの好調が業績を牽引し、前年同期比で大幅な増収となった。

      一方で、下半期に向けた積極的な広告展開の影響により広告宣伝費・販売促進費が増加したほか、ゲーム開発費やイベント関連費用、輸送費・材料費の高騰などが影響し、利益率が低下する形となった。

      売上高240億9000万円(前年同期比23.1%増)
      営業利益13億8200万円(同18.8%減)
      経常利益15億600万円(同41.7%減)
      最終利益8億2900万円(同54.9%減)

各セグメントごとの状況は以下のとおり。

◆エンターテイメント事業 売上高209億1400万円(前年同期比21.9%増)、セグメント利益13億9200万円(同25.3%減)
①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
新規TCG「ヴァイスシュヴァルツブラウ」は2022年11月に初商品となるスタートデッキを8種同時発売、12月には初の大型カード商品であるブースターパックを発売し、好調なスタートを切った。

「ヴァイスシュヴァルツ」では「PIXAR CHARACTERS」「ソードアート・オンライン」「アズールレーン」など6つ、「Reバース for you」では「リコリス・リコイル」など2つの大型カード商品を発売。「カードファイト!!ヴァンガード」では「モンスターストライク」とのコラボ商品を含む2つ、「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」では1つの大型カード商品を発売した。

TCG市場は引き続き活況であり、商品の売れ行きも好調であるため、TCGユニット売上としては前年同期よりも大きく伸長したが、前期の第4四半期や今期の第1四半期よりも大型カード商品の発売が少なく、前四半期対比では低い水準での推移となった。

②デジタルコンテンツユニット
モバイルゲームでは『D4DJ Groovy Mix』がリリース2周年を迎え、新ユニットや新機能の実装を含む多数の施策を実施した。コンソールゲームでは2022年9月29日に『新テニスの王子様 LET’S GO!! 〜Daily Life〜 from RisingBeat』、11月17日に『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ』を発売した。

モバイルゲームは引き続き厳しい環境が続いているが、コンソールゲームは新タイトルが好調な出足を見せており、非運営型のゲームでありながら各種コンテンツのダウンロード販売が継続していくことが期待される。

③BI(Bushiroad International)ユニット
BIユニットはTCGユニットとデジタルコンテンツユニットに重複して属している。英語版「ヴァイスシュヴァルツ」では、「Miss Kobayashi’s Dragon Maid(小林さんちのメイドラゴン)」、英語版限定タイトルとなる「The Seven Deadly Sins: Revival of The Commandments(七つの大罪 戒めの復活)」などの大型カード商品を発売した。英語版「カードファイト!! ヴァンガード」では2つの大型カード商品を発売した。また新たな展開として英語版「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」のリリース決定を発表した。

デジタルコンテンツにおいては、英語版「ヴァンガード ZERO」がアニメ「カードファイト!! ヴァンガードwill+Dress」の英語版の放送やコンソールゲーム『カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ』の発売に支えられ堅調に推移した。英語版『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』は累計1,200万DLを突破した。

④ライブエンタメユニット
ブシロードミュージックでは、2年越しの開催となったスペシャルライブ「BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020→2022」、ブシロード創業15周年を記念した「ブシロード15周年記念ライブ」をベルーナドームにて開催した。「ブシロード15周年記念ライブ」では、アニメコンテンツにおける大規模ライブとしては初の観客の声出しを解禁、会場内は歓声に包まれた。

劇団飛行船では、開催中止となった公演もあり、第2四半期においては軟調な結果となったが、一昨年取得したイベントホール「飛行船シアター」の利用は徐々に増加している。

⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
『原神』のカプセルトイや『ウマ娘 プリティーダービー』のグッズなど、規模の大きい製品の発売があったものの、第1四半期に続き、海外で製造している製品において輸送費・材料費の高騰が大きく影響しており、利益率の低い製品の販売ペースを落とす対応を行った結果、全体としては売上・利益ともに軟調に推移した。

そのような中、ライブグッズについては、2022年11月に開催した「BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020→2022」「ブシロード15周年記念ライブ in ベルーナドーム」関連の売上が好調となり、売上・利益ともに底支えした。

⑥アドユニット
ブシロードムーブでは、第1四半期に引き続き中国クライアント事業が好調となった。代理店として、企画、イベント制作、運営を担当した『Identity V 第五人格』の「X’mas Fan Meeting クリスマスナイトに鐘が鳴る」や、東京・大阪・名古屋にて企画・設営・運営をワンストップで担当した、TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの10周年記念特別企画展「戦姫絶唱シンフォギア10周年記念展 繋ぐ手と手」など複数のイベントに携わり、四半期として過去最高の売上高を記録した。

◆スポーツ&ヘルスケア事業 売上高31億7600万円(同31.4%増)、セグメント損益900万円の赤字(前年同期1億5900万円の赤字)
スポーツ&ヘルスケア本部では、新日本プロレスとスターダムが2022年11月20日、東京・有明アリーナにて「Historic X-over」を開催し、史上初の合同興行として大きな話題を呼んだ。また、新日本プロレス・スターダムそれぞれの観客動員数は各イベント会場の制限緩和も手伝い増加傾向にあるが、第2四半期連結累計期間においては円安の影響や下期に向けた積極的な広告展開の影響で費用が増加した。

■通期業績見通しは据え置き
2023年6月期通期の連結業績見通しは、従来予想から変更なく、以下のとおり。

売上高500億円(前期比19.1%増)
営業利益35億円(同3.2%増)
経常利益35億円(同31.5%減)
最終利益23億円(同34.4%減)

第3四半期以降、海外を含むTCGユニットは四半期により凹凸あるが好調に推移することを見込んでおり、デジタルコンテンツユニットはゲーム開発の先行投資を継続させるとともに、2023年3月の『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』の超大型アップデートなどで巻き返しを図っていく。また、国内で声出しイベントが可能になるなどコロナによる規制緩和が進んできており、各ユニットで複数の大型イベントを計画して動員の増加を見込んでいる。

株式会社ブシロード
http://bushiroad.com/
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会社情報

会社名
株式会社ブシロード
設立
2007年5月
代表者
代表取締役社長 木谷 高明
決算期
6月
直近業績
売上高487億9900万円、営業利益33億8500万円、経常利益45億300万円、最終利益20億5000万円(2023年6月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
7803
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